福島県立医科大学 研究成果情報

英国雑誌「Nature Neuroscience 」(7月号)掲載(2019-07-10)

Genetic manipulation of autonomic nerve fiber innervation and activity and its effect on breast cancer progression

自律神経線維の分布・活動の遺伝学的操作の開発、および、その乳がん進展へ及ぼす影響

加藤 成樹(かとう・しげき)
医学部附属生体情報伝達研究所  生体機能研究部門 講師

小林 和人(こばやし・かずと)
医学部附属生体情報伝達研究所  生体機能研究部門 教授

        
研究グループ
神谷 厚範 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・細胞生理学分野)
加藤 成樹、小林 和人 (福島県立医大・生体機能研究部門)
落谷 孝広 (国立がん研究センター、東京医科大学医学総合研究所)
下村 昭彦(国立がん研究センター、国立国際医療研究センター)

概要

論文掲載雑誌:「Nature Neuroscience 」(7月号)


 慢性ストレスに起因した自律神経の変化ががん化の進展を加速することは多くの疫学研究により報告されていますが、自律神経ががん組織にどのように入り込み影響を与えるかは不明でした。本研究では、ヒト乳がん組織解析の結果、交感神経高密度群の患者は、低密度群に比べて予後不良であることを発見しました。また、局所神経エンジニアリングとして独自に開発したベクターを注射することにより、がん組織だけに分布する身体局所の自律神経を遺伝学的に機能操作することで、自律神経が乳がん細胞の増大に伴ってがん組織内に入り込み、がんの増殖や転移に強い影響を及ぼすことを見出しました。さらにこの技術を応用して、動物乳がん組織に分布するがん交感神経だけを除去すると、原発がん増大と遠隔転移が抑制されることを明らかにしました。この成果は、自律神経を操作する神経医療 (遺伝子治療など)の新しいがん治療の創出戦略として期待され、がん患者への新しい治療の選択肢を提示できる可能性を秘めています。


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