研究成果情報・学会等表彰 (研究成果)

日本循環器学会誌「Circulation Journal」 掲載  〔平成28年5月〕

Prognostic Significance of Insomnia in Heart Failure
(心不全患者における不眠症の予後への影響に関する研究)





 

 



菅野 優紀
( かんの・ゆき )
循環器内科学講座 大学院生

研究グループ:
菅野優紀、義久精臣、渡邊俊介、滝口 舞、横川哲朗、佐藤彰彦、三浦俊輔、清水竹史、中村裕一、阿部諭史、佐藤崇匡、鈴木 聡、及川雅啓、斎藤修一、竹石恭知

 概要

論文掲載雑誌: 「Circulation Journal」 80号  〔2016 May. 19〕

不眠症は、冠動脈心疾患や脳卒中の発症、また心血管死亡と関連し、そのリスクを増加させることが近年報告されている。その背景として、睡眠不足や不眠症は肥満症や糖尿病、高血圧や脂質異常症を増加させ心血管疾患のリスクを上昇させると考えられている。しかし、不眠症と心不全の予後との関連はいまだ明らかではない。
そこで、我々は不眠症を合併した心不全患者の特徴と不眠症の予後への影響を明らかにするため検討を行った。2009年から2013年に当院に入院・加療後に退院し得た心不全患者連続1011例を対象に前向き観察研究を行った。心不全に不眠(症状、既往)を伴う不眠群519名と不眠を伴わない非不眠群492名に分類し、2群間における患者背景や血液検査、心臓超音波検査(心機能)、心肺運動負荷検査(運動耐容能)所見ならびに心臓死および心不全増悪による再入院の心イベントについて比較検討を行った。不眠症を合併した心不全患者の特徴として、高齢で女性が多く、心房細動や慢性腎臓病の合併が高率であった。血液検査ではレニン活性、レニン濃度、アルドステロン濃度が高値であった。また、心臓超音波検査では心機能に差を認めないものの、運動耐容能が低値であり、心イベント発生率は高値であった。さらに、不眠症は心不全患者における独立した予後予測因子であることが判明した。
不眠が心不全に及ぼす影響は大きいと考えられるため、不眠症のスクリーニングおよび積極的な介入が心不全患者の予後を改善する可能性が示唆された。

(菅野 優紀)

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 循環器内科学講座  菅野 優紀
電話 024-547-1190 / FAX 024-548-1821
講座ホームページ http://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/intmed1main.htm
メール  (スパムメール防止のため、一部全角表記しています)

▲TOPへ