FUKUSHIMAいのちの最前線
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第2章福島医大関係者行動記録〈手記とメッセージ〉FUKUSHIMA いのちの最前線89ませんでした。彼らは、言葉こそ直接交わせませんが、その振る舞いや、避難者を思いやる心は非常に強く伝わったようであり、検査を受けられたどの避難者の方々も、『遠いヨルダンからわざわざ我々のために来て下さり、心から嬉しい。私たちもがんばる!』と通訳を介して仰っていました。チームリーダーとして、このエコノミークラス症候群を早期発見、予防するという目的は、彼らの力なくして進めることはできなかったと思います。本当に感謝しております。また、福島県は地震、津波の被害に加えて原子力発電所問題が重なり、多くの避難者を生み出していますし、その避難生活は長期に及ぶものと考えています。従って、今後、仮設住宅に移動した後にもエコノミークラス症候群の発生は危惧されますので、長期にわたる医療活動、予防活動が必要になりますので、今後も継続して支援をいただく必要があると考えております。エコノミークラス症候群医療チームチームリーダー 心臓血管外科学講座 講師高瀬 信弥 東日本大震災にともなう医療応援のため、タイ本国からの医療チームが、本学高度医療緊急支援チームの小児・感染チームに同行して県内各地の避難所を巡回し、乳幼児の健康管理についてアドバイス等を行いました。 医療チームの活動は5月9日から6月2日まで医師・看護師の2名編成で4週間にわたり2週間交替で行われました。第1班ではナリット・ワラナワット医師とルンティワー・アサウィンナーノン看護師が派遣され、5月9日から5月19日まで、第2班はスティポン・パンカノン医師とキム・サクンヌーン看護師が派遣され、5月23日から6月2日まで続きました。巡回先は第1班が15カ所、第2班が16カ所でした。 6月2日に第2班の送別式が行われ、活動が終了しました。本学に対するタイ王国からの医療支援に感謝申し上げます。タイ王国と本学の合同医療チームが避難所を巡回訪問しました2011年7月8日パンカノン医師とサクンヌーン看護師の送別式(6月2日)巡回訪問前のタイ医療チーム第1班と福島医大チームとの合同打合せタイ医療チーム第2班と福島医大チームとの合同打合せ(キム・サクンヌーン看護師(左から2人目)とスティポン・パンカノン医師(右端))医療チーム第1班として派遣されたルンティワー・アサウィンナーノン看護師とナリット・ワラナワット医師を歓迎ワラナワット医師とアサウィンナーノン看護師の送別式(5月19日)ヨルダン王国医師団 タイ王国医療チーム

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