FUKUSHIMAいのちの最前線
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第5章次世代へ伝えるFUKUSHIMA いのちの最前線5531 調査目的 今回の東日本大震災による東京電力㈱福島第一原子力発電所事故に伴う放射線による健康の影響については、現時点の放射線等の状況から考えて極めて少ないと考えられている。しかしながら、チェルノブイリ原発事故の健康への長期的影響として、心身における変調が主要な問題の一つとして指摘されているところである。福島県の県民においても、放射線への不安や避難生活等により、精神的な苦痛を受けていることが予想される。 また、このたびの大震災により、近親者が亡くなったり、家屋などの財産を喪失したり、恐怖体験をすることにより、心的外傷(トラウマ)を負った県民も多いと予想されることから、県民のこころの健康度や生活習慣を把握し、適切なケアを提供するため、「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を実施する。2 実施計画等⑴ 対象者 避難区域等の住民及び基本調査の結果必要と認められた方【避難区域等】広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、南相馬市、田村市、川俣町の全域及び伊達市の一部(特定避難勧奨地点関係地区)⑵ 調査方法 対象者に対して、調査票(自記式または保護者回答)を郵送する。⑶ 調査区分⑷ 主な調査項目◦現在のこころとからだの健康状態について◦生活習慣について(食生活、睡眠、喫煙、飲酒、運動)◦最近半年の行動について◦東日本大震災の体験について など⑸ 調査後の対応① 回答内容を、医科大学の医師等が評価・分析する。こころの健康上、相談・支援の必要があると判断された方には、臨床心理士等による「こころの健康支援チーム」が電話相談等を行う。② 電話相談等により医師の診察が必要と判断された場合は、県内医療機関の「登録医師(※1)」を紹介する。③ 登録医師の判断により、さらに専門家によるこころのケアが必要と判断された場合には、本学等で対応する。具体的には、小児においては「こどものこころ診療センター」、それ以外は「心身医療科」で対応する。④ こころの健康支援チームが放射線に関する相談を受け、当該専門医師等の対応が必要と判断された場合には、本学の教員による「放射線健康相談チーム」において対応する。また、放射線の影響による健康相談等のうち、直接診察が必要な場合には、専門医師等で対応する。こころの健康度・生活習慣に関する調査(※1)登録医師:こころの健康度・生活習慣に関する調査等の結果、精神科・小児科等の医師による診察が必要だと判断された場合に、その診療にあたる医師(医科大学等が主催する講習会等を受講した医師)平成24年3月31日現在101名(56医療機関)区分対象者備考一般成人平成7年4月1日以前に生まれた方(3月11日時点で高校生以上)自記式子ども③平成7年4月2日から平成10年4月1日までに生まれた方(3月11日時点で中学生)一部自記式子ども②平成10年4月2日から平成16年4月1日までに生まれた方(3月11日時点で小学生)保護者回答子ども①平成16年4月2日から平成23年3月10日までに生まれた方(3月11日時点で就学前乳幼児)保護者回答

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