FUKUSHIMAいのちの最前線
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第4章患者救済に奔走した活動記録〈論文・研究発表〉FUKUSHIMA いのちの最前線315(3月28日〜4月21日)(1)心のケアチーム ○3/18〜4/11の報告 → p.315〜317 ○4/27現在における相双地区についての報告 → p.317〜318(2)避難所保健支援チーム ○4/12〜4/18の報告 → p.318〜319地 区スクリーニング(人)血栓陽性等(人)発症率(%)ストッキング処方(人)配付率(%)県 北4504811%13931%県 中464296%13529%県 南00−0−会 津15553%3623%南会津00−0−相 双3794813%18749%いわき511325%2957%合 計1,49914310%52635%3 エコノミークラス症候群の診察結果4 他チームの活動状況はじめに 2011年3月11日に発生した東北関東大震災により、特に太平洋側の東北三県の岩手県、宮城県、福島県では極めて甚大な被害が報告されている。福島県ではこれに加えて、東京電力福島第一原子力発電所の事故のために、放射能汚染からの避難のために、入院患者さんの治療が十分にできない状況や、学校の体育館などの避難所での生活が長引いている避難者の方々の心の疲労の問題が生じている。 そこで福島医大・神経精神医学講座では、福島県内の避難所を巡回して心の健康相談を行うこととした。しかし、3月22日現在でも福島県内に446の避難所があり36,227名の方が避難している状況であり、巡回するのにも人員不足が否めなかった。実はこの人員不足にも、原発事故の影響があることがわかった。2011年4月11日付けの中国新聞によれば、厚労省は地震直後、日本医師会、日本看護協会、自治体に人員派遣を要請し、保健師は事務職員らと3、4人のチームで被災地入りしたという。しかし、3月27日時点で活動していたのは岩手県で35チーム、宮城県で76チームだったのに対し福島県では僅か2チームに過ぎなかったという。これにより、佐藤雄平知事が厚労相に直訴し、同省は再度の要請に踏み切り、これ以降、17自治体から派遣申し出があったものの、申し出の際には原発事故に関する懸念が伝えられたり、派遣先を原発から遠い地域にするよう依頼されたりしたという。 この様な現状に鑑み、神経精神医学講座では丹羽教授自ら、他県の大学、病院、医療センターに協力を直にお願いし、心のケアチームを組織した。現時点での活動について報告する。〈1〉心のケアチームの受け入れ窓口 心のケアチームの受け入れに関する窓口は福島県精神保健福祉センター(〒960-8012福島市御東北・関東大震災 心のケアチーム活動報告2011年3月18日(金)~4月11日(月)現在

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