FUKUSHIMAいのちの最前線
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267て、明らかに今回の原発事故と関連のないと思われるここ数年の甲状腺の状態をあらかじめ把握していただくことは、長きにわたり甲状腺を見守っていく上で極めて重要である。急いで検査することでその心配を解消できるわけではない。検査自体が甲状腺癌発症を抑えることができる訳でもない。むしろ、長きにわたり観察していくシステムが構築され、そこに参加登録し、生涯にわたり見守りをうけることが安心につながるのではないかと考える。すなわち、今回の事故後、甲状腺に関しては、生涯にわたり見守るシステムが出来た、ということを強調したい。その意味からも、医師会の先生方のご協力とご理解をいただき、共に福島の子供たちの甲状腺を生涯にわたり見守っていくことをお願いするものである。文 献1)鈴木眞一、日本乳腺甲状腺超音波会議、甲状腺用語診断基準委員会編、甲状腺超音波ガイドブック改訂第2版、診断の進め方、3. 結節性病変. pp28_29、南江堂、東京、2012.2)日本超音波医学会用語・診断基準委員会、平成20・21年度結節性甲状腺腫用語診断基準検討小委員会、甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準(案)、超音波医学 38:27-30、2011.3)鈴木眞一、甲状腺腫瘍の予後と予後因子、日本臨床 69 増刊2:388-391、2011.4)第29回甲状腺外科検討会当番世話人報告.甲状腺癌の10年生存率. 1996.5)日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会(編):甲状腺腫瘍診療ガイドライン、金原出版、東京.6)鈴木眞一、臨床重要課題「福島県民健康管理調査における甲状腺検査」の経過報告、甲状腺学会ニュースレター19号:11-24、2011.1 経緯①広島大学・長崎大学との連携協定調印ア 目的 福島第一原子力発電所事故を契機として、本学と広島大学、長崎大学が教育・研究・診療分野における一層の緊密な連携・協力関係を構築するため、協定を締結イ 日時平成23年4月2日(土)14:00〜14:15ウ 場所福島県立医科大学 看護学部棟1階 看護学部長室エ 出席者国立大学法人広島大学学長 浅原 利正国立大学法人長崎大学学長 片峰 茂公立大学法人福島県立医科大学学長 菊地 臣一②福島原子力災害医療対策キックオフミーティング・放射線影響研究機関協議会ア 目的 放射線にかかる正しい理解の促進や人材の育成、放射線の影響に係る広範かつ長期的な調査の体制構築に向け、放射線影響研究機関協議会(構成員:放射線総合医学研究所、京都大学放射線生物研究センター、長崎大学、広島大学、放射線影響研究所、環境科学技術研究所)構成員を招き、意見交換等を行った。イ 日時平成23年4月2日(土)14:15〜16:15ウ 場所福島県立医科大学 看護学部棟1階S101会議室エ 出席者放射線影響研究機関協議会構成員、福島県、福島県立医科大学③放射線影響研究機関協議会への加入ア 概要 福島県立医科大学の放射線影響研究機関協議会への加入を承認イ 日時平成23年4月27日(水)17:00〜18:00ウ 場所航空会館(東京都内)エ 出席者放射線影響研究機関協議会医構成員、福島県立医科大学広島大学・長崎大学との連携協定調印及び福島原子力災害医療対策キックオフミーティング・放射線影響研究機関協議会について企画財務課

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