FUKUSHIMAいのちの最前線
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242福島医大被ばく医療班の取り組みろうと非常に自責の念に駆られました(図17)。 そこで被災消防職員の健康や安全・安心のために何かできないかということで,身体と心と放射線に関しての健康相談外来を5月16日に立ち上げています。身体は民間検診に委託をし,心は福島医大の心のケアチームに引き継いで,現在は,長崎大・広島大・福島医大の合同チームで放射線に特化した健康相談外来をさせていただいています。 そして総務省,消防庁が動いてくださいまして,6月13日に双葉,7月12日は相馬にそれぞれ総務省,消防庁が介入しています。 私の認識では消防は地方公共団体経営ですので,心と身体と放射線の法的支援システムは現在存在しないと理解しております。身体に関しては健康診断が行われても,心に関しては消防はもちろんのこと警察にも,自衛隊にもフォローがない。自衛隊はNBC部隊幹部自身が放射線の講習をしているという事態を把握しました。そこでこれらの公務危機介入者の健康管理体制システムを作りました(図19)。 図20はその放射線健康相談外来の実績で,5月16日から開始して8月22日現在203人に行われております。 アンケートをとっていたのですが,はじめ評価の低かった消防からも,救急隊員からも徐々に評価をいただけるようになり,ありがとうと言ってくれましたので,非常に嬉しかったです。 そしてまだまだ仕事がありまして,実はわれわれの責務として原発周辺住民への支援というものが残っています。オールジャパンというような言葉もありましたが,図21のように全国からの専門家が集まっており,本当にオールジャパンで何とかやらせ図18 福島県の消防本部,医療圏と医療拠点図19 公務危機介入者の健康管理体制図20 放射線健康相談外来の実績図21 オールジャパンの医療支援原発周辺地域住民への支援

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