FUKUSHIMAいのちの最前線

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228将来の緊急被ばく医療の課題10,000cpmと100,000cpmの間に多くの人がいるという話を聞きました。 それと当時の福島の気候は非常に寒くて,ストーブがなければいられないという状況でした。屋外で大量の人を除染するにあたって,服を脱がせても着替える服がない。暖房はどうかというと,石油ストーブはあるけれど,石油がなくて暖房ができない。ということで,老人に全身の除染をしてしまったら,それによる被害のほうがかえって大きくなってしまうだろうということを考えました。 10,000cpmを超えているけれども100,000cpmを超えていなかったということと,その100,000cpmというのはご存知のようにマックスで振り切れるいっぱいということから,100,000cpmにしました。そして県のほうにお願いして,それで受けてもらいました。 それと翌日,20㎞圏内からの避難者のスクリーニングを1,000人ぐらいやっています。そこでは屋外で活動していた多くの人がやはり10,000cpmから50,000~60,000cpmの間で,100,000cpmを超える人はほとんどいないという状況でした。 放射線防護のことは,確かに考えていないといえばあまり考えていないという状態ですけれども,逆にそれを13,000cpmのスクリーニングレベルでやったら,非常に多くの方が除染のためにお亡くなりになったのではないかと思います。鈴木:質問してもよろしいでしょうか? 福島県の地域防災計画の中にもスクリーニングのあと鼻スメアなどが入ってきていると思うのですが,そういうところは今回はロジスティック的に無理だったのか,ちょっと教えてください。これに関しては先にやれば別に除染はいらないですよね?細井:それを避難民の方にするということの意味がちょっとわかりにくいです。避難所でスクリーニングをするという指示を受けたのですが,どこの誰か名前がわからない,とにかく一応スクリーニングしますということで,そのあとのフォローもほとんど何もないというような緊急事態でしたので,とても現場はそういう状況ではありませんでした。たとえば20㎞圏内からの退避にしても,首相官邸からの指示ということで,急に退避せよということだったのですが,1,000人の住民の方を,非常に少数のスクリーニングチームで調べなければいけなかったので,途中からはサンプリング調査にせざるを得なかったわけです。ですからそういうスメアをとっていちいち確認するような状況ではありませんでした。前川:IAEAのManual for First Responders to a Radiological Emergency中の除染のクライテリアに基づくものと僕たちは思っていましたが,国際的な放射線防護の方策は,最適化と正当化が当然問題にされます。その最適化ということを一般の方々にどうやって説明するかということです。広島大学の神谷先生と,最適化をどうやって説明するかを議論しましたが,「その状況でベストだったらいいんじゃないですか」ということで,「それだ」と私も思います。 今のは除染をするかどうかというスクリーニングレベルです。甲状腺防護のレベルとか,そういうものではありません。除染をするための基準としての100,000cpmは,そのときのロジスティックス,そのときの気象条件,複合災害の要素,そういうものを加味するとベストであったと判断をされたということでいいですね?細井:はい。前川:ということですが,百瀬さん,いかがでしょう? 何かご意見がありますか?百瀬琢麿:私もそういう現場の判断というのはとても大事だと思います。内部被ばくを抑えるというか,検出するということについては,たとえば頭だとか甲状腺に非常に強い被ばくの痕跡が見つかるというようなケースの場合のみ,鼻スメアサンプリングしておいて,その場でサーベイメータで測るというような臨機応変な対応もあり得たかもしれませんが,それはやはり状況で最適な対応を選択していくことがよいと思います。前川:もちろん今後はこういうことが起こっては困るのですが,複合する災害がなく単独の原子力事故であったならばできたかもしれませんね。それからこれが福島でなくて鹿児島であれば,ひょっとすると脱衣をしても凍え死ぬことはなかったかもしれません。いろいろなことがあって,今回についてはやむを得なかったかなということもあるわけですね。 それから登録ですが,登録については現場の方でどなたかご存知ですか? これから福島県民200万人の合同調査が始まります。そして被ばく線量を推定するわけですが,これをもし登録した場合となると,かなり厳しいですよね? 特に20㎞圏内にいらっしゃって20㎞圏外に避難をされた方は,それはどうですか?長谷川有史:登録というのがいつの時点で,何を以って登録となるのかわかりませんが,少なくとも1か月後の段階で登録はされておりません。それと登録が重要だということは,広島大と長崎大からも,最も大事なことのひとつが,住民登録だというアドバイスをいただいております。鈴木:もともと登録についてそれぞれの地域防災計

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