FUKUSHIMAいのちの最前線
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第3章放射能との闘いFUKUSHIMA いのちの最前線165カウンターにて放射能を測定したものです。福島県の発表と同様に、地震発生後しばらくは平常値を維持していましたが、3月15日18時頃から計数率(1000カウント/時≒1μSv/時)が上昇し、2000カウント前後が約8時間持続して、以後指数関数的に低下しています。原子炉事故で検出される放射性ヨードの半減期は、ヨード131が8.05日、ヨード132が2.3時間、ヨード133が20.8時間です。3月16日2時以降、その半減期に近似して減衰しており、それ以降は新たに放射能汚染がないことがわかります。 図2は、IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)が行ったセシウム137(放射性ヨードもほぼ同様に拡散すると考えられます)の大気中拡散シミュレーションの結果を示しています。3月15日の15時頃に福島市周辺に飛来し、18時から21時にかけて福島市上空に停滞しました。このころ天候は雨から雪となり、放射性ヨードが地表に落下し、それが残存したため、20μSv/時前後が7~8時間続いたものと思われます。 今後新たな汚染がなければ、ほぼ半減期にしたがって放射性ヨードは減少し、4月中旬には屋外においても1μSv/時を切ると考えられます。 仮に現在の状況が持続したとして、1年間8μSv/時屋外にずっといた場合の被曝量は約70000μSv/時(70mSv)、1年間1μSv/時の屋内にいた場合の被曝量は約9000μSv(9mSv)です。1年間に受ける自然放射線被曝量は世界平均で2400μSv(2.4mSv)、赤道直下においては10000μSv(10mSv)です。また、CT撮影1回分が20000μSv(20mSv)です。表1 福島県内における環境放射能測定値の推移表2 福島県内各地方 環境放射能測定値(暫定値)(第133報)福島県対策本部 平成23年3月21日6時現在月/日 時県北保健福祉事務所(福島市)郡山市会津若松市南相馬市いわき市福島県立医科大学3/12 20:00−−−17.08−−3/13 20:000.050.050.07−−1.03/14 20:000.070.050.062.85−0.93/15 20:0022.003.481.184.621.126.93/16 20:0016.402.910.443.571.673.53/17 20:0012.202.930.512.941.135.83/18 20:0010.802.460.425.441.004.33/19 20:009.402.630.352.700.852.23/20 17:008.472.370.366.780.831.9(単位 μSv/時)単位:μGy/h≒μSv/h(マイクログレイ/時間≒マイクロシーベルト/時間)月日測定時刻県北地方県中地方県南地方会津地方南会津地方相双地方いわき地方福島市県北保健福祉事務所事務局東側駐車場郡山市県中合同庁舎3階白河市県南合同庁舎駐車場会津若松市会津合同庁舎新館2階南会津町南会津合同庁舎2階南相馬市南相馬合同庁舎駐車場いわき市いわき合同庁舎駐車場玉川村福島空港飯舘村飯舘村役場いわき市中央台北小学校田村市船引田村総合体育館田村市常葉行政局駐車場備考平常値0.040.04−0.060.04−0.050.04−0.050.04−0.060.050.05−0.06−−−−−3月21日(月)6:007.842.381.800.290.092.931.160.6111.90−0.820.79測定装置サーベイメータサーベイメータサーベイメータサーベイメータサーベイメータサーベイメータサーベイメータサーベイメータ可搬型MP可搬型MP可搬型MPサーベイメータ1Fからの方向及び距離北西約61㎞西約58㎞南西約81㎞西約97㎞西南西約115㎞北約24㎞南南西約43㎞西南西約58㎞北西約40㎞南南西約40㎞西約40㎞西約35㎞※留意点 麓山公園 → 3月14日 10:00から県中合同庁舎3階(屋外)会津合同庁舎駐車場 → 3月16日 0:20から会津合同庁舎新館2階(屋外)南相馬合同庁舎駐車場 → 3月14日 5:00から可搬型モニタリングポストに切替 → 3月21日 5:00からサーベイメータに切替南会津合同庁舎屋上(4階建) → 3月16日 9:00から南会津合同庁舎2階飯舘村 → 3月20日 13:00から可搬型モニタリングポストに切替※胃のX線集団検診1回当たりの放射線量は、600マイクロシーベルト/回ですが、本日の測定値のうち、最も高い飯舘村の測定値は、これを十分下回っており、健康に影響ないレベルと考えられます。

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