人  事

 

◎副学長

発令  16・5・1

                              副学長   丸山 幸夫

(医学部内科学第一講座 教授)

◎新部局長等

   兼務  16・4・1

医学部長                              菊地 臣一

(医学部整形外科学講座 教授)

  医学部附属実験動物研究施設長                    小林 和人

(医学部附属生体情報伝達研究所生体機能研究部門 教授)

   兼務  16・5・1

医学部附属病院長                          丹羽 真一

(医学部神経精神医学講座 教授)

◎新任助教授

   採用  16・4・1

看護学部基礎看護学部門基礎看護領域           助教授  安藤 郁子

   昇任  16・4・1

医学部神経内科学講座                  助教授  遠藤 一博

医学部附属病院形成外科                 助教授  梶川 明義

   昇任  16・7・1

医学部産科婦人科学講座                 助教授  山田 秀和

医学部眼科学講座                    助教授  石龍 鉄樹

◎新任講師

   採用  16・4・1

医学部内科学第三講座                  講 師  佐藤 博亮

看護学部基礎看護学部門基礎看護学領域          講 師  滝沢美智子

看護学部生態看護学部門小児看護学領域          講 師  田中 克枝

看護学部生態看護学部門老人看護学領域          講 師  小澤 芳子

   昇任  16・4・1

医学部生理学第一講座                  講 師  勝田新一郎

  医学部法医学講座                    講 師  阿部すみ子

  医学部神経内科学講座                  講 師  杉浦 嘉泰

  医学部皮膚科学講座                   講 師  尾山 徳孝

看護学部基礎看護学部門基礎看護学領域          講 師  川島 理恵

   昇任  16・5・1

医学部附属病院総合周産期母子医療センター        講 師  有賀 裕道

◎新事務局職員等

   転入  16・4・1

  事務局    事務局長               遠藤 俊博

    ・総務領域

         総括参事               長門 昭夫

         総務企画グループ参事         越田 敏和

         施設管理グループ主幹         水野 博之

    ・病院領域

         総括参事               河合  徹

         経営企画グループ主幹         白石 直人

         医事グループ主幹           福原龍太郎

  学生部    学生課長               吉田 和史

  附属図書館  事務長                大橋 博行

 

 

■新任あいさつ

 

副学長就任ごあいさつ

副学長 丸 山 幸 夫(医学部内科学第一講座 教授)

 この度、当大学に設置されました副学長を拝命致しました。責任の重大さを痛感しております。本学は、1947年福島女子医専から新制大学となりましたが、多くの優れた卒業生を輩出し、医学・医療の分野に大きく貢献し、これ迄着実に発展をして参りました。しかし、21世紀に入って世界は益々狭くなり、グローバル化が急速に進行しつつあり、これ迄の実績をさらに大きく展開させる為には一層の努力と工夫が求められています。御承知のように、少子・高齢化、経済の低迷なども加わり、あらゆる分野での改革が進行しつつありますが、このような厳しい状況の中で大学も大きな変革を自ら率先し、実行していく必要があります。これを怠れば、我々に明日はないと考えています。一方、古くから言われていますように、ピンチはチャンスでもあるのです。教育、診療、研究の各々でブレークスルーを図れれば、大きな飛躍も可能と信じています。

 独立行政法人化に大学も平成18年4月からなります。今、その準備が鋭意進められている所ですが、この成否が大学改革の鍵になりますことは疑いようがありません。具体的な方向性をいかに示すかは中でも重要ですが、大学の理念 1.ひとのいのちを尊び倫理性豊かな医療人の教育・育成 2.最新かつ高度な医療及び看護学の研究・創造 3.県民の基幹施設として全人的・統合的な医療の提供、の確認とその確実な実施をしていく為の実行プランを作りあげていく必要があります。この理念の中にも示されている通り、大学としての教育・研究、診療の役割に加え、公立大学としての必然性、必要性を充分認識し、地域への貢献を果たさなければ大学存在の意義が問われることになります。これら理念の全てを包括した実行案は、容易でありませんが明日の大学の発展の為に作り上げなければなりません。独法化とは、上記に述べたような理念・目的に向かって汗をかいた人が評価され、その業績に見合った処遇がなされることで人々が集まり、楽しく働けるような大学像を描き実現させることではないでしょうか。独法化=効率化ではなく、効率性、合理化はあくまで結果であろうと思います。

 病院長としてのこの2年間に、本学の医療に携わる人々がやり遂げた改善、努力に私は心より敬意を表しています。このような姿を見てきたものとして、独法化も飛躍の為の良い契機になると確信しています。

 微力ではありますが、大学の為に一生懸命努力させていただきますので、皆様の御指導、御支援をお願い申し上げます。

 

 

 

医学部長就任ごあいさつ

医学部長 菊 地 臣 一(整形外科学講座 教授)

 本年4月から医学部長に就任しました。医学部長就任にあたっての私の考え方を提示して、皆様の御協力と御教示をお願いします。

 今というこの時代、大学に限らず、日本の医療界は未曾有の変革期にあります。後世、人は2003年度を日本の医療の転換点と位置づけるに違いありません。この2年間、私は附属病院の副院長として激動の中に身を置いてきました。真に、明治維新とはこんなものであったのではないかと思うような変化の大きさです。例えば、特定機能病院に対する包括医療の導入、国や県の財政危機に源を発する包括外部監査の実施、あるいは厚生労働省の特定共同指導などが代表的な課題でした。これらの対策を含む様々な作業が職員に課せられました。電子カルテ、クリニカルパス、そして注射を含むオーダリングシステムの導入、在院日数の短縮、医薬品の大幅な削減、試薬の見直し、院外処方の完全実施、手術枠の増設、診療体制の見直しに伴う臓器別診療体制の導入、安全管理部の立ち上げを含む附属病院組織自体の見直し、病院機能評価受審対策、そして病院経営における赤字幅の削減など、枚挙に暇がない程です。当初、これらの課題に短期間で対応するのは絶望的だと、私自身は思っていました。丸山病院長の指揮のもと、量と質において苛酷な要求に対応するなかで、副院長として関与する私自身は焦り、「寸鉄人を刺す」言葉で相手を不愉快にしました。また、取りまとめを急ぐ余り、関係者の不満を買ったこともあります。真に、私の不徳の致すところです。

 しかし、大学の職員は、夜を日に継いでの事務局の全面的な支援と関係者の献身的な努力で、見事にこれらの要求を成し遂げました。私は、この大学に集う人々の能力や意識の高さ、そして着実に課題を克服していく実行力と忍耐力に驚嘆し、感激しました。これらの作業の課程で、私は、この時、この大学と職員に出会ったこと、そして共にことを成し遂げたことに「誇り」を感じました。

 このような私の副院長としての2年間の経験から、私は2つのことが今後の医学部の運営にあたっては必要だと痛感しています。1つは複眼の視点です。働いている職員がこの組織の職員であることや自分の職場に満足感や誇りを持つこと、そしてこれら職員の視点と同時に、患者や設置者である県、そして県民・国民からの視点も導入しての意志決定が、医学部の円滑な管理・運営にあたっては必要だと感じています。

 2つめは、「問題対応型」から「問題設定型」への転換です。現在は、次から次と押し寄せてくる問題に対応するのが精一杯です。残念ながら、これでは、我々が何を目指して何処へ行こうとしているのかが打ち出せません。自分達で問題を設定して、内部の人は勿論、外部の人達にも広く知ってもらう努力が必要です。そのためには、医学部のあらゆる職種、世代の人々が問題設定とその解決に参加することです。私は、この大学に集う人々にはそれが出来ると、この2年間の経験から確信しています。我々は、今まで以上に早いテンポで進まなければなりません。与えられている時間は限られています。

 今すぐにやらなければならない、最大の問題は、医学部としての法人化への対応です。しかし、この法人化への対応は、他大学のそれと同じであるはずはありません。この大学の置かれている環境、規模、そして福島県の社会情勢を踏まえて、我々はどう進むべきかを考えて、それを対外的に理解・支持してもらう必要があります。勿論、「混迷」の今というこの時、何処の大学も「正しい回答」は持っていません。皆、暗闇の中を手探りで進んでいるのです。その回答には、当然、従来のような「全員賛成」とか「全員反対」ということはないと覚悟しておく必要があります。しかし、全員が一致しないからといって、自分達なりの解決策を提示しないで立ち止まっていれば我々に明日はないこともまた事実です。

 「今まで通りの繁栄を続けるためには、我々は変わらなければならない」という言葉を胸に、2年間兎に角動くつもりでいます。あらゆる世代、そして職域の人々に協力を求めます。勿論、外部にもこの大学の価値と重要性を知ってもらうために対話と協力を我々のほうから求めます。それが、最善のそして最短で目標を達成する道だと信じているからです。そして、その結果については時の評価に委ねたいと考えています。

 

 

 

医学部附属病院長就任ごあいさつ

医学部附属病院院長 丹 羽 真 一(神経精神医学講座 教授)

 平成16年5月1日より大学医学部附属病院長を命ぜられましたので、ご挨拶を申し上げます。副院長は竹之下先生(総務・経営担当)、村川先生(医療安全・研修担当)にお願いいたしました。現在の時期の病院長の仕事といたしましては、既に皆様方が汗をかいて取り組んでおられます病院見直し実行計画の着実な遂行が、何と言いましても第一に挙げられる課題です。これは平成14年に行われました県の包括外部監査において、附属病院運営につきまして多くの厳しい御指摘を受けたことに始まります。この指摘を受けて、平成15年10月に「医科大学医学部附属病院見直し実行計画」が策定されました。皆様方に汗をかいていただいておりますのは、この実行計画の遂行についてであります。

 「見直し実行計画」には4つの基本方向が含まれます。すなわち、@県民に信頼される病院運営、A病院経営の基本的条件の整備、B病院マネジメント機能の強化、C病院経営の計画的経営、です。各々にはいくつもの実行すべき下位項目がありますが、特に@の「県民に信頼される医療」計画の中には、病棟・外来の臓器別診療体制への再編、病院機能評価の受審、病院機能の充実(第一種感染症指定医療機関の指定、救命救急センターの指定、総合診療・地域医療部の設置、女性外来の設置)があり、これらの遂行のために汗をかいていただいているわけであります。

 第一種感染症指定医療機関の指定、総合診療・地域医療部の設置につきましては、計画が進行してきておりますし、女性外来設置につきましても附属病院内外の女性医師の方々のお考えをお伺いしているところであります。救命救急センターの指定につきましては、附属病院側の設置案を提示しながら県当局と接触を続けているところであります。現在議論が継続されておりますのが、病棟・外来の臓器別診療体制への再編であります。患者さん中心で患者さんに分かりやすい診療体制への再編、病床利用率の向上、特定機能病院に求められる包括診療に対応した効率的な運営を実現することが臓器別診療体制への再編の大目的であります。この大目的が達成されますように、皆様の御協力を御願い申し上げます。

 

 

 

医学部附属実験動物研究施設の紹介

医学部附属実験動物研究施設施設長 小 林 和 人(生体機能研究部門 教授)

 動物実験は医学や生命科学研究にとって重要な研究手段であります。実験動物研究施設は優れた実験動物の育成と飼養をはじめ、科学的かつ倫理的に適正な動物実験を行うための学内共同利用施設です。当施設は、建築面積が約735平米、延床面積2,600平米の鉄筋コンクリート構造4階建てで1987年3月に完成しました。感染系廃水処理施設として26平米の別棟があります。4階部分はすべて機械室です。1階にはイヌの洗浄室や検疫室、イヌ飼育室および実験室、レントゲン室、洗浄滅菌室、感染実験室等を配置し、2階には管理事務室や検査室等の他に、ウサギ飼育室や中動物実験室を配置してあります。3階は主としてマウスやラットの飼育室とし、SPFバリヤーやバイオハザード対応の飼育室も備えてあります。飼育室間の感染防止と臭気に配慮した空調系統や換気装置を備え、管理事務室では飼育室ごとに温度や湿度、室圧を監視することができます。マウスやラットの飼育室には高性能(HEPA)フィルターを介した新鮮な清浄空気を供給し、飼育室内の温度および湿度や照明時間も一定に設定してあります。さらに、空気を介した動物間の相互感染防止のために、空調および換気系統を細分化・独立した設計となっています。

 研究施設の専任教職員は、助教授(実験動物管理者)の他に、主任医療技師1名、動物管理員1名の3名です。飼育管理やケージ類の洗浄滅菌業務、受付事務は外部業者に委託しております。施設教職員の主な研究領域は、(1)実験動物飼育技術の工夫や施設管理方法の改善、(2)実験動物における比較生理学的研究、(3)テレメトリー法を活用したラットの循環調節やサーカディアンリズムの研究、(4)生活習慣病関連の病態モデルラットを用いた栄養学的研究、などです。

 動物実験を取り巻く社会環境はますます厳しくなっており、動物愛護関連の法律の改正作業も進められております。第三者機関による動物実験の評価なども検討されております。実験動物の飼育や動物実験には、研究者自身の自覚と責任が一層強く求められる情勢にあります。このような状況下で、本学では遺伝子組換え動物はもちろん、臓器移植や再生医療に伴う動物実験が増加しており、施設における研究支援の役割が一層重視されています。当然のことながら、マウスやラットの微生物モニタリング検査態勢を強化し、動物への感染防止と安全性の維持に努めております。また、施設利用者への教育面にも配慮し、ガイダンスの際には実験動物の倫理的取り扱いや適切な動物実験遂行のための助言・指導を行い、国際的にも通用する動物実験の啓蒙にも努めております。今後、医学・医療の発展に伴い、前臨床的な動物実験の増加が予想されますので、それらに対応した施設・設備の充実が急務です。また、当施設も築後16年を経過し、建屋のみならず、給排水設備の老朽化が進み、飼育装置等のリニューアルの時期を迎えており、その対策が今後の大きな課題です。