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Mule の使い方


Muleの使い方を思い付くままに書いてみます。説明の不十分な箇所や説明してい ない機能などたくさんありますが、メールを書くときなどの参考にして頂けたら 幸いです。
Mule とは、日本語も使えるエディタ (エディタとは、文章やプログラム等を作成/編集するソフトである)です。
また、メールを読み書きするツールの"mnews"でメールを書くときに使われる エディタでもあります。
以下の文章で「C-x」などと云った表記がありますが、これは
[Ctrl]キーを押しながら "x"キーを押す
という意味です。
また、「C-x i」のような表記の場合は、
[Ctrl]キーを押しながら "x"キーを押して
[Ctrl]キーから手を離して "i"キーを押す
という意味です。
更に、「M-x」のような表記の場合は、
[Esc]キーを押して ([Esc]から手を離して)"x"キーを押す
または、
[Alt]キーを押ながら"x"キーを押す
という意味です。

基本編

  1. muleの起動
  2. prompt> mule ファイル名
    このように入力すると、通常のワープロのように文章が作成/編集することがで きます。

  3. カーソルの移動(1文字ずつ編)
  4. 1文字ずつ左右上下に移動する場合、もちろん矢印キーが使えれば それを使いましょう。使えないときは、
    C-f で右, C-b で左, C-p で上, C-n で下
    にそれぞれ移動します。

  5. カーソルの移動(行頭/行尾編)
  6. その行の先頭へまたは最後尾にカーソルを移動したいときは
    C-a でその行の先頭
    C-e でその行の最後尾
    に移動します。

  7. カーソルの移動(ファイルの先頭/最後尾編)
  8. 編集しているファイルの先頭へ、または最後尾へ一気に移動する方法は
    M-< ファイルの先頭へ
    M-> ファイルの最後尾へ
    です。

  9. 終了
  10. 終了するときは
    C-x C-y
    と入力します。これで、ファイルを保存するかと訊いて来ますので、 保存するときは "y" をそうでないときは "n"を入力します。"n"を選択したときは
    Modified buffers exist; exit anyway? (yes or no)
    と訊いて来るので、yesと入力すると、 無事muleを終了できます。

  11. 入力できない
  12. このときは、
    C-g
    と入力してください。

トラブル編

  1. 困ったとき:---- ファイルが消えた?
  2. まず、何らかのトラブルで元に戻らなくなったとき
    C-g
    と入力します。それでも、画面が先程まで編集していたものと違うときは
    C-x C-b
    と入力します。すると、編集画面が2つになってその下のほうに、それまで 編集していたファイルの名前が現れることがあります。このとき、
    C-x o
    と入力するとカーソルが、下半分の領域に移動します。そして、カーソルを 編集していたファイルの名前に合わせて、
    1
    (数字の1)を入力すると、編集ファイルが復活するはずです。
    なお、C-x bと入力してファイル名が現れないときは 諦めましょう。

  3. 入力できない!!
  4. このときも8割程度は
    C-g
    で復活できます。なお、それでもダメなときは、パソコンの入力が 日本語入力になっている場合がほとんどです。Windowsの場合「Alt」+ 「全角半角」を入力してから再度
    C-g
    を入力してください。(Macintoshの 場合は「アップル」キーを押しながら 「スペース」を押すと、日本語の入力切替えができます。)

  5. バックスペースが効かない!
  6. この場合は、".emacs"というファイルを作ってその中に
    (define-key global-map "\C-h" 'backward-delete-char)
    (define-key esc-map "?" 'help-command)
    と記して、保存しましょう。次回muleを使うときからバックスペースが 効くようになるはずです。

実用編その1「削除と復活」

  1. 1文字の削除
  2. C-d
    と入力します。これでカーソルの下にある文字が消えます。

  3. その行のカーソルより右を全て削除
  4. C-k

  5. その行を含む何行かをまるごと削除
  6. まず、削除する行の先頭にカーソルを移動します。次に、
    C-[Space] または C-@
    を入力します。このとき、muleの下方の黒い帯の下に"Mark set"と 表示されるはずです。次に、カーソルを削除したい行の最下端に移動します。 更に、もう1つ下にカーソルを移動したところで、
    C-w
    と入力します。これで、削除完了です。

  7. 削除したものの復活
  8. 直前に削除したものなら
    C-y
    で復活できます(これは、「ペースト」と呼ばれる操作です)。また
    C-/ または C-x u
    も1つの復活方法ですが、使っている端末によっては "C-/"は効かないことがありますので注意してください (これは「アンドゥー」と呼ばれる操作です)。

  9. 矩形削除
  10. 場合によっては、削除領域が矩形であったりします。例えば
    >> 今日は
    >> お元気ですか?
    >> それではこれにて失礼します。
    >> さようなら

    と書いてあるファイルの>>の部分だけ削除したいなどといったときです。
    次の例で説明します。
    aaaaaaaaxxxbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb
    aaaaaaaaxxxcccccccccccccccccccccccccccccccccc
    aaaaaaaaxxxdddddddddddddddddddddddddddddddddd
    aaaaaaaaxxxeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
    aaaaaaaaxxxffffffffffffffffffffffffffffffffff
    このように記されたファイルのxと書いてある部分だけを削除する とします。まず、xの領域の左上にカーソルを合わせます。そして
    C-@ または C-Space
    と入力します。次にxの領域の右下がカーソルのすぐ左に来るように カーソルを移動して
    C-x rk
    と入力します。これで、xの領域はなくなります。 また、これを復活させたいときは
    C-x ry
    とします。ここで、C-yと入力しても矩形で削除した領域は 復活しません。

実用編その2「ファイル操作」

  1. 「上書き保存」
  2. とりあえず、編集中のファイルを保存したいとき
    C-x C-s
    と入力します。これでいわゆる「上書き保存」ができます。

  3. 「別名で保存」
  4. 編集しているファイルを別名で保存するときは
    C-x C-w
    と入力するとmuleの下方の黒い帯の下で"Write file:~/"と ファイル名を訊いて来るので、お好みのファイル名を付けましょう (日本語名は避けたほうが良いです)。

  5. 「ファイルを開く」
  6. あるファイルを編集中に突然気が変わって別のファイルを開きたくなる ことがあります。例えば、「あのファイルにはなんて書いていたっけぇ?」 のような場合などなど。このときは、
    C-x C-f
    と入力します。すると、muleの下方の黒い帯の下で"Find file:~/"と ファイル名を訊いて来るので、開きたいファイルの名前を入力します。 すると、編集画面がそれまで編集していたものから新たに開いたファイルへと 変わります。しかし、ここで慌てないように!それまで編集していたファイル は消えていません。ここで、
    C-x C-b
    と入力すると、編集画面が2つになってその下のほうに、それまで 編集していたファイルの名前が現れます。このとき、
    C-x o
    と入力し、カーソルを編集していたファイルの名前に合わせて、
    1
    (数字の1)を入力すれば、編集ファイルが復活します。

  7. 「ファイルの挿入」
  8. 編集中のファイルに別のファイルを挿入したいときは、まず編集中の ファイルの挿入したい部分に、カーソルを移動します。次に
    C-x i
    と入力するとmuleの下方の黒い帯の下で"Insert file:~/"と ファイル名を訊いて来るので、挿入したいファイルの名前を指定してやると、 挿入したいファイルが編集中のファイルに挿入されます。

実用編その3「検索と置換」

  1. 「文字列の検索」
  2. 「文字列の置換」

応用編(メール機能を用いる)

この Mule にはメールを送ったり読んだりすることのできる機能があります。

  1. Mule でメールを送る(Mailモード)。
  2. 次の順序で入力します。
    prompt> mule
    M-x mail
     このようにすると、画面上部に
    To:
    Subject:
    --text follows this line--
    と表示される(Mailモードになる)ので、"To:" の後に、 メールアドレスを入力します。(複数の人に同じメールを送るときは"," で区切ってメールアドレスを入力します)。"Subject:"の後には、 メールのタイトルを入力します。メールの内容は "--text follows this line--" の下から書き はじめます(メールの最後には必ず各自の名前を記入しておきます)。 この画面では、メールの内容を自由に編集することができます。
    メールが書き終わったら、"C-c C-c"と入力すると、 メールが実際に送られます。Mailモードを終了し、Muleを終了するには、 "C-x C-c" と入力すればMuleが終了します。

  3. Mule でメールを読む(Rmailモード)。
  4. 次の順序で入力します。
    prompt> mule
    M-x rmail
    このように入力すると、自分の所に届いたメールが表示されます (Rmailモードになる)。複数のメールが届いているときに、別のメールを読むには "p" (previousの p)又は "n" (next の n)を入力する。更に、"h"と入力すると、 どのようなメールが届いているかを一覧することができます。 Rmailモードを終了するには、"q" と入力すると、 通常のエディタの画面になります。そこで、"C-x C-c" と入力すれば、 Mule が終了します。

  5. Mule で届いたメールに返事を書く。
  6.  2.で学習したようにまずRmailモードにします。次に、"h"を入力して、 届いたメールの一覧を表示させます。返事を出したいメールの所にカーソルを 移動させ、"r"と入力すると、
    To: 返事を出したい人のメールアドレス
    Subject:Re:XXXXXXXXXXXX
    --text follows this line--
    画面に表示されるので、Mailモードのときと同様にメールを書き込んで、 "C-c C-c" と入力すれば、返事を出すことができます。また、届いた メールの内容を引用したいときは、"C-c C-y" と入力すると、メールの 文章の中に、届いたメールの内容がコピーされます。

  7. Muleで署名(Signature)入りのメールを送る。
  8.  Muleには、「あらかじめ、".signature" というファイルに自分の 名前・メールアドレス等を書いておくと、MuleのMailモードでその都度 自分の名前を書かなくても、".signature" の内容をメールの最後に 自動的に追加してくれる」機能があります。
    ".signature" の例
    --------------------------------------------------------------------------
    Hiroshi Yoshida(吉田 宏): Dept. of Physics, Fukushima Medical University
    Email:yoshidah@fmu.ac.jp Tel:+81-24-548-2111 (ext. 2641)

    このようなファイルがあるとき、Mailモードで、"M-x mail-signature" と 入力すると、".signature"の内容がメールの最後に追加されます。
    各自 ".signature" を作ってこの機能を試してみましょう。
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