福島お達者くらぶだより

2014 4 1日発行 通算 71

 

 この号では、ミーティングには参加していないけれど、事務局・香山の独断でお達者くらぶのメンバーとして受け入れた方と交換したメールを掲載します(1日の間の交信です)。ミーティングに来られないのは、福島に来るとしたらどのように電車を乗り継いでくるのか、地図をよく見ないと理解できない遠方の方だからです。ショコラさんと呼ぶその方を紹介しますので、仲間として認めていただければ、と思います。皆様、よろしく。

 

ショコラさんとのメール交換

2014 1月*日の交信)

From:

To: f_otassya@yahoo.co.jp

HPを見て会報のメールマガジンを希望します。
よろしくお願いします!

 

お忙しいのに、返信してくださってありがとうございます!
こんなに早く、しかもこんなにご丁寧に返信してくださったこと、大変嬉しく思います。
私はN県のM市というところに住んでいます。
中学2年のときに拒食症を発症して、25歳になる現在は過食と拒食の両方に苦しんでいる当事者です。
N
県には、残念ながら専門の病院、先生や自助グループがなく、どうしたらいいか、悩んでいたところそちらのHPを見つけ、先生の考えも読ませてもらいました。
先生のように、患者の気持ちに寄り添い、いろいろな角度から病気と言うものを見てくださることが誰も見方になってくれないと感じていた私の希望の光に思いました。
今とても、不安定で症状が強いので、ぜひそちらのミーティングに出たいと思っているのですが、少し遠くてなかなか勇気がでません。
会員にさせてもらえるのなら、ぜひお願いします。

NM市*** ○○ ○○子です。携帯は、080××××××××です。

お忙しいところ、お手数おかけします。
私たちのような、複雑で理解しがたい病気を、見捨てず温かく支えてくださって、ありがとうございます。
先生たちのような方々がいることが私たちの生きる希望になります。
いつか、参加できる日を願っています。

 

○○ ○○子様

 またメイルをありがとうございました。すぐに書いていただいていたようなのですが、読むのが遅れました。

 先ほどのメイルは少し失礼なことを書いたかなと思いながら返信したのですが、それにこのようにきちんと応えていただけて、ありがたく思います。それが摂食障害をふつうの精神科臨床と違う立場から見ている私にも大きな勇気になります。現代は、例えばネットの社会でも、ホームページからブログへ、さらにツイッターへと発信される情報がどんどん短くなり、すなわちその内容よりもどれだけの応答があるかが重要な、コミュニケーション至上主義のようなところがあります。しかし私は、それよりも内容を重視した、ダイアローグ(対話)を大切にしたいと思う人間なのです。

 早速に登録して、次号(4月はじめの予定です)から会報を送らせていただきます。もしよろしければ、その号に今回やり取りさせていただいたメイルを載せさせていただけないでしょうか(もちろん、住所とお名前は載せませんが、ペンネームとして「ショコラ」あるいはご希望の名前を書かせていただければと思うのですが)。

 それではまた、何かありましたらご連絡ください。

福島お達者くらぶスタッフ 香山雪彦

 

ありがとうございます。

遠い存在なのに、このように個別的に直々にお返事をしてくださって本当に本当に心から嬉しいですし、なんだか贅沢過ぎるというか上手く言えませんが、とにかく夢のようです!!
私も若いくせに()機会が大の苦手でスマートフォン、パソコンもメールがやっとやっとのアナログ人間、それこそ、手書きの手紙やお喋りや人が好きなのでメールの間接的なやりとりよりも、顔を見てのお喋りの方がずっと安心して落ち着くし、自分の思いを伝えられていいなぁと思います。
だからこそ、実際にミーティングに参加させてもらえたり、雰囲気なども見れたらより実感として感じやすくなるのにな、なんて、行けないことがすごくすごく残念で歯がゆく感じます。
でも、お会いしなくてもこのように返信をくださったり、メールを読ませてもらうと、温かさや人柄が頭に思い浮かびます。
文章が長くて、上手く伝えられずすみません。
会報の件ですが、こんな私の文章でよろしければ、そして他の誰かの少しでもお役に立ちそうならぜひ載せてもらえたら光栄です!
今からとても楽しみです。
ペンネームも特に希望はないので、ショコラで大丈夫です。
私の母が福島の大学出身で、いつか二人で福島に行けたらな、そして皆さんにお会いできる日を夢みて、また気ながーに過ごそうと思います!(これがけっこう難しい…;^_^)
それでは、最後まで読んでくださって、ありがとうございます!
まだまだ寒さ厳しい日が続きますが、このように、心温かくいられる出会いを大切に、過ごしていけますように。
たくさんの情報をありがとうございました!
それでは、また。
○○ ○○

 

○○ ○○子様

 またメイルを返していただき、ありがとうございました。私は医師としても患者さんたちを治してあげる力はなく(だから治療者ではなく)、かといっていろいろなサポートをしてあげられる援助者でもなく、摂食障害の人たちとただこの世界に一緒に並んで歩いて行きたいと感じる「同行者」だと自分で思っています。摂食障害の人たちは、抱えた苦しさを外に向かって出して人を責めたり傷つけたりするのではなく、ひたすら自分に向かってしか出せない、そのような人たちに愛おしさを感じるのかも知れません。

 そして、私は精神医学も心理学も全く勉強しないままにこの世界に入ってきて、たまたまかかわることになった過食の人たちからたくさんのことを教えてもらってきました。そんなことを講演で話したりする、その原稿を一つ、お達者くらぶのホームページに掲載しました。

 お母様が福島の大学の出身とか、いつかご一緒に(季節がよくなったら=雪が融けてから、でしょうか)福島にお出でください。

 会報に載せさせていただくこと、ありがとうございます。それじゃ、ペンネームは「ショコラ」とさせていただきます。まだ先のことですが、そのときにはよろしく。それじゃまた。

 

編集後記(香山)

 4月になりました。4月のはじめというのは、大学教員を本職とする私にとってはまた新しい年度の始まり、これから毎週毎週、授業をこなしていかなければならないことを考えると、非常に憂うつな時期です。始まってしまえば、新しい出会いもあって、特に苦痛ではなくなるのですが、先の長い時間のことを考えてしまうのですね。まあ、この会報をここまで書いて送ることができたことで、一つ肩の荷を下ろします。

 皆様も、ようやく来たこの季節を楽しんでください。これから桜、桃、リンゴ、梨などの花が次々と咲きます。咲き誇る桜、あでやかな桃のピンク、ほのかにピンクのかかったリンゴの白い花もいいですが、私はかすかに愁いを含んだような梨の白い花が好きです。