〈〈〈〈〈福島お達者くらぶだより〉〉〉〉〉

41号 20061014 発行

 

お達者くらぶだより第41号をお届けします。

 

2年半ぶりにセミナーを開催します

 福島お達者くらぶは1992年に創設されて以来、数年ごとに公開のセミナーを開催してきましたが、今年の秋にまた開催したいと計画しています。日時と場所は下に書くとおり、この会報が届けばもうすぐです。

「このセミナーは、拒食症・過食症などの摂食障害に苦しむ人たちとその家族のグループである福島お達者くらぶが、この病気(??)の本当の姿を知ってもらい、これが決して精神的に異常だから起こるものではないし、決して治らないものでもないことを伝えるために、公開で開催するものです。」とポスターでは強調しています。

過去のセミナーのことはお達者くらぶだより32号(20047月発行)に報告してありますが、今回も援助職の専門家の講演と、本人および家族の方からのメッセージを予定しています。きっと内容の充実したセミナーになると思いますので、ぜひ参加していただければと思います。

今回のセミナーは前回までと違ってミーティングの日ではない日に行います。(1111日のミーティングは予定どおり行われます。)場所も前回までと違っています。

実は、この日に(その前日から)福島県立医大では、学生たちの学祭の中でも数年ごとに大きく行われる光翔祭が行われていて、いつものミーティングが行われる部屋のあたりは賑やかになっています。しかしセミナーはそんなざわめきからだいぶん離れた病院棟にある講義室で行いますので、人がたくさんいるところが苦手な人でも問題なく来れると思います。どうぞ、心配しないで来てください。もちろん、学生たちの研究発表などを見ていってもいいのですが。

 

 

福島お達者くらぶ主催 第5回摂食障害セミナー

 

日時: 200611 4日(土曜) 午後1時〜4時半頃

場所: 福島県立医大 臨床第2講義室 (病院玄関からまっすぐに進んだ

救急入り口や郵便局の先です。大学との間の道から直接にも入れます。)

 

プログラム1:基調講演

              「家族への希望と哀しみ〜摂食障害の経験から」(仮題)

               講師: 大河原昌夫

                            精神科医 住吉病院(甲府市)副院長

                            著書:家族への希望と哀しみ:摂食障害とアルコール依存症の経験

 

プログラム2:体験談

              体験談1:摂食障害に苦しむ本人

              体験談2:摂食障害に苦しんだ方の家族の方

              会場からの声(聞いていて発言したくなった方)

あいさんとの交換メイル

(このところこの会報にはメンバーの人たちから寄せられた手紙やメイルを載せさせてもらっているのですが、今回もあいさんからのメイルを載せさせてもらいます。)

 

2006-5-5深夜受信:質問です。)

こんにちは。

ミーティングのことで質問なのですが、本人や家族なら誰でも参加は可能なのでしょうか。また事前に予約などは必要でしょうか。

 

2006-5-6:福島お達者くらぶミーティングについて)

あい様 福島お達者くらぶスタッフの香山と言います。メイルをありがとうございました。ミーティングのことですが、本人、家族の方なら誰でも参加できますし、予約は全く必要ありません。行きますと連絡しておいて、ドタキャンも全く構いません。全く自由な会ですので、気が向いたら、ぜひ来てください。

 本人と家族は隣同士の別の部屋でのミーティングです。本人の方は何度も参加しておられる人から司会者を出して、自由に話せる(話したくないときはパスできる)会です。家族の方は私たちスタッフが司会して進められます。

 インターネットを使えるなら、ぜひホームページを見てみてください。アドレスはややこしくて覚えきれないので、ヤフーかGoogleで「福島お達者くらぶ」を検索してください。すぐに出てきます。もしインターネットが使えないなら、住所を教えていただければ手帳のようなパンフレットをおくります(本人用と家族用がありますので、どちらが必要かを教えてください)。そのパンフレットの内容はすべてホームページにも出ています。

 それではまた。 福島お達者くらぶスタッフ 香山雪彦

 

2006-5-6受信:香山様)

あいです。

お返事ありがとうございます!早速ホームページを見てみようと思います。近いうちにミーティングに参加させていただくことになるかもしれませんので、その時はよろしくお願いします。

 

2006-5-9受信:ミーティングについて。)

こんにちは。以前問い合わせのメールをさせていただいたあいと申します。今週の土曜日にミーティングがありますよね。参加させていただきたいと思ってご連絡しました。よろしくお願いします。ミーティングにはだいたいどれくらいの人数が参加されるのでしょうか。

 

2006-5-9返信)

あい様 ミーティングはいつも決まった日時に決まった場所に行けば仲間に会えるという安心感を大切にしてきました。今週もそのとおりに行われます。参加者は時によってかなり違います。少ないときは数人、多いときで10人くらいでしょうか。最近少ない目のことが多く、しかし暖かくなったので増えるかもしれません。お達者くらぶの存在を知ってもらう活動をしばらく怠っていたようにも思われるため、この秋の114日(土曜)に公開のセミナーを行う予定にしています。 それではお待ちしています。 香山

 

2006-5-9受信)

香山様。

よくわかりました。どうもありがとうございます! あい

 

2006-5-14受信:あいです)

香山様、お達者くらぶスタッフの皆さんへ。

 昨日はお疲れ様でした。声を掛けていただいてありがとうございます。夕べは福島のホテルへ一泊し、たった今無事帰宅しました。

 ミーティングに参加しての率直な感想は、とにかく居心地が良かったことです。自分の想いや感情が出せたからでしょうか、それを皆さんが受け止めてくれたからでしょうか。よく分からないのですが、思い切って足を運んでみてよかったです。東京からなのですが、たまに気分転換の小旅行を兼ねて行くのもいいなと思ってます。近いうちにまた参加させていただきますので、よろしくお願いします。

 夕べはホテルの部屋で一人、テレビを見ながらビールとお寿司を美味しく食べることができました(笑)。

 

2006-5-14:よかったです)

あい様

 ご丁寧にメイルをありがとうございました。今回のミーティングは初めての人が3人もいた(もう一人の人も数年ぶりだった)という、珍しいミーティングでしたが、居心地のよい会だったようで、何よりです。あなたが東京から来られるとは思ってもいませんでしたので、驚きました。東京から毎回参加するのは難しいかもしれませんが、1年に2−3回でも、あるいは2−3年に1度でも、また気が向いたときには来てください。宿泊するのだったら、お好みに合う食事の場所を教えますから、言ってください。それじゃまた。 

香山雪彦

 

2006-7-11受信:お久しぶりです)

香山様。

お久しぶりです。お元気ですか。

「福島お達者くらぶだより」届きました。どうもありがとうございます!私はまた今月のミーティングにも参加するつもりだったのですが、少し体調を崩してしまったので行けませんでした。楽しみにしていたので残念です。

 

お達者くらぶだよりを読んで、真剣にこの活動に取り組んでいらっしゃることが伝わってきました。常に、お達者くらぶのあり方について悩んだり、考えてくださっているということがわかりました。ミーティングも、状況が変わってくるものなのですね。変わるからこそ、こうあるべきというものはないのだと思いました。そのときの性格に応じて、どう対応していくかが重要なのだと思いました。このような活動を長年管理していくのは簡単ではないと思いました。

 

東京では摂食障害の自助グループは沢山あります。沢山あるからこそ、どこがいいのか、本当に信用できるものかどうか悩みます。おそらく出来ては消えているものも少なくないと思います。こういう中で、福島お達者くらぶに出会えたことを嬉しく思います。そしてこうやって離れていても「たより」が届いたりするとまた嬉しいですね。

 

体調を見つつ、参加できそうなときにまた是非参加したいと思っています。私の両親も、参加してよかったと言っていました。声を掛けてくださって嬉しかったと言っていました。両親も、何かしら考え方に影響があったと思います。私自身も、いろんな人たちの話を聞くことで、自分の(良くない)考えは思い込みだったと思えるようになったことがいくつかあります。

 

次に行くときは会津を見てみたいなと思っています。先月、どこかお薦めのお店を聞こうと思っていて忘れていました。次回会ったとき、是非教えてください。

まだまだ暑い梅雨なので、お身体に気をつけてください。私自身もですが^-^;

あい

 

2006-7-12:メイル、ありがとうございました)

あい様

 お達者くらぶだよりが届いたとのメイルをありがとうございました。この会報は、みんなミーティングにはいつも参加できるものではないし、心が落ち着いてくると誰でも目の前の仕事なんかがどうしても大事になってミーティングからは足が遠のくことがあるけれど、そんなときでも自分にはつながっているところがあるのだ、仲間がいるのだとわかってもらえればと思って送り続けています。3ヶ月に1度の発行が精一杯なのですが。

 確かに今は自助グループだけでなく主宰者のいるグループも大都会にはたくさんできてきていて、しかし、あなたの書かれているように、そのどれが信用してよいのかわかりにくい状況になっています。(ネット上で宣伝していた治療グループでは明らかに詐欺だったりセクハラだったりした事件もありましたし。)さらに、信用できるかどうかということもあるけれど、どのグループにも特徴があって、それが自分に合うかどうかが重要で、それは出てみなければわからないから、とりあえず一度出てみるしかないのだろうと思います。主宰者がいるグループはその人がどのような会を目指すかでかなり性格は違いますし、基本的には一定の性格を持っているだろうOAでもその性格は場所によって少しずつ違っているかも知れません。(アルコール依存の人たちのAAでも、ミーティングによって雰囲気が違っていると聞いたことがあるのです。)会員制になっているNABAでもとりあえず一度は参加できます。東京から福島に毎回来るのはたいへんだから、もしあなたが必要と感じたら、試しにいくつかのミーティングに出てみるのもいいかもしれません。

 あなたの場合は、以前にもらったメイルで東京から、それも一泊で来られたと知って驚きましたが、ご両親があんなに遠くから来られたのにも驚きました。福島はその真ん中あたりだから、時にご両親に会うのにはよいかも知れませんね。(東京はもちろん、遠いと言ってもご両親もその日のうちに帰ることは可能ですし。)その町では、昨年くらいから本人のミーティングはできているのですが(その設立に私は、ほんの少しだけれど、かかわりました。その町から私のところに電話してきた人に、そこでミーティングを世話してくれそうな人を紹介したのです。)、家族のミーティングはありませんし。

 というわけで、つい、いろいろ書きましたが、気が向いたりチャンスがあるときにはまたミーティングに参加してください。

 ところで、もしよければですが、あなたとやりとりしたメイルを次のお達者くらぶだよりに載せさせていただけないかと思っています。寄せていただいたミーティングの感想をみんなに読んでもらえたらと思うのと、東京から来られた方もいるのだということも伝えられたらと思うのです。けど、どうしてもプライベイトなことがあるし、あるいはとても恥ずかしくてそんなことは、と思われれば、遠慮なく断ってください。そんなことで私は何も変わりませんから。(それで機嫌を損ねたりするようなら、こんなことはとてもやってこれていません。)いかがでしょうか。お返事をいただけると幸いです。

 今回、少し体調を崩されたとのこと、これからが夏本番で、東北地方と違って東京では夜中でも温度が下がらないから、身体には十分に気配りしてください。それではまた。

香山雪彦

 

2006-7-13受信:あいです)

香山様

早速お返事ありがとうございます!

 そうですね。そのミーティングによって特色もあるだろうし、自分に合っているものが見つかることが大事なんですね。私には、今のお達者くらぶは合っています。出合った人たちと連絡先を交換して、たまにやりとりもしています。同じ悩みをもつ人にだからこそ言える事があります。特に私は摂食になってからほとんど人との付き合いがなくなってしまったので、とても助けになっています。

 ところで、メールをお達者くらぶだよりに、ということですが、私のメールでよければ是非載せていただいてけっこうです。以前送ったメールについては、こっちではもう消去してしまって見れないのですが、特に見られては嫌なことはなかったと思うので大丈夫です。わかりづらいところは編集してくださってよいので。自分のメールがお達者くらぶだよりに載るなんてびっくりです(笑)

 私は今ちょうど試験期間で、お返事が遅くなるかもしれませんが宜しくお願いします。

あい

 

2006-7-13:ありがとうございます)

あい様

 返事をありがとうございました。そして、メイルをお達者くらぶだよりに載せていいと言っていただいて、本当にありがとうございます。これで次号のめどが少し立ちました。

 大学は、昔は7月8月が夏休みで9月に試験のところが多かったのですが、いつの頃から、7月に試験をして前期を終わり、8月9月が夏休みのところが多くなったようですね。それのほうが区切りはいいけれど、校舎に冷房を入れることができるところが増えたという、経済発展がそうさせたのかも知れません。もっとも医学部はあまり前期・後期という学期にこだわらずにカリキュラムを組むことが多いし、7月の終わりから8月はじめに大きな体育大会が組まれていることもあって、こちらはもう今週から夏休みに入っています。といっても、授業の負担が少なくはなったけれど、ほとんどの教員はそれ幸いと自分の研究に時間を使ったりして、お盆周辺には休みを取るとしても、今は全然ふつうの日々です。

 ともかくも、試験がうまくいくように祈っています。体を壊さないように気を配って。それじゃまた。 

香山雪彦

 

2006-7-18受信:あいです。)

香山様

 

こんにちは。私もあと1週間ほどで夏休みに入ります。

 

以前メールで言いましたが、今までの自分の考えが思い込みだったと思えるようになったことがあります。摂食障害になって、特に過食になってから、私はずっと吐きたい吐きたいと思っていました。私は何としても吐けなかったので、吐いている人が羨ましかったんです。そのとき私が抱えていた問題は、過食で太ること、動けなくなるまで食べるので日常生活が送れなくなること(学校を休んだり、バイトや友達との約束をドタキャンしたり)でした。吐けさえすれば、食べても太ることはないし、苦しくて動けなくなって学校に行けなくなることもないし、全て解決されると思っていました。でも、ミーティングに参加していろんな人の話を聞いて、吐いていればいいというわけではないことがわかりました。吐いている人も、それぞれいろんな辛さや苦しみをもっていて、「吐ける人はいい」と思っていたことは私の勝手な判断だったんだなと思いました。

要は吐く吐かないじゃなくて、自分を受け入れるかどうかなんだ、ということがわかりました。体型に対してもですね。受け入れるようになりたいなと思っています。それはまだできていませんが・・・。

私の両親も次回のミーティングに参加したいと言っています。家族で会うちょうど良い機会になっています。お盆ですが、8月も第二土曜でいいんですよね?

ではまた☆

あい

 

2006-7-18:大きな気付きですね)

あい様

 メイルをありがとうございました。「吐く」ということについて気付かれたこと、本当にそのとおりです。吐くか吐かないかが問題なんじゃなくて、自分を受け入れられるようになるかどうかが大切なのだと、あなたが書かれたことは問題の要点をずばりと言い当てています。そして、それを誰かに指摘されたのではなくて、ミーティングに出て話しを聞いたり話したりしているうちに、自分で気付いたということはとても大きなことだと思います。

 さらに言うなら、学校を休んだりバイトや友達との約束をドタキャンしたりすることになったのは、動けなくなるまで食べたためではなく、行かなくてすむように動けなくなるまで食べていた、ということでしょう。行くと自分の心がもっともっと苦しいところに追いこまれて生きていけなくなっていたかも知れない、それをとりあえず避けるように、心が食べることを命じ、やり過ごさせてくれていたのかもしれませんね。

 どうしたらもっと自分を受け入れられるようになるかは、自分がここにいていいのだという場所や関係を感じられる、その経験を重ねていくほかないのだと思います。それを重ねていけば、いつか、うまくいかないことがあっても「まあ、いいか」と自分に言ってあげられるようになる、その自分に気付く日が来るのではないかと思います。

 8月のミーティングはお盆の頃ですが、カレンダーどおりに行います。(かつて一度だけ14日のミーティングを7日に変更したことがありましたが、その時は前もって何度も何度も広告しました。)お盆の行事などに忙しくなくて、気が向けば参加してください。それじゃまた。

香山雪彦

 

2006-7-30早朝受信:あいです。)

香山様

 

無事試験は終わりました。ほっと一段落しています。試験期間中に、あるレポートの返却があって、それは私なりに自信があったのですが、自分で思っていた評価が来ず、それが非常にショックで、それがきっかけでまた数日間過食に入ってしまいました。試験期間中だったのでとても焦りました。過食のサイクルに入ってしまうと、部屋に篭って食べ続けることしかできないからです。でもなんとか抜け出すことができ、試験もそれなりに出来たと思います。短期間で抜け出すことができたのは自分でも驚きました。

 

>どうしたらもっと自分を受け入れられるようになるかは、自分がここにいていいのだという場所や関係を感じられる、その経験を重ねていくほかないのだと思います。

 

香山さんがおっしゃっていたこのことは私も最近実感できます。以前は自分の心が満たされるようなことが全く無く、食べることが唯一の手段だったように思います。でも、過食してしまうと動けなくなるし、太ることの恐怖から非常に自己嫌悪に陥って、外に出れず、日常生活も送れなくなります。

今、以前よりは少しですが衝動が弱くなってきたように思います。それは、心が満たされるようなことがいくつか見つかったことも大きいと思います。例えばお達者で知り合った仲間からメールが来たりするととても嬉しかったり。

 

まだまだ波はあって、調子が良いときもあれば悪いときもありますが、少しずつ、回復に向かっていけばと思います。ではまた。

 

あい

 

2006-7-31:夏休みですね)

あい様

 メイルを読ませていただきました。無事この学期を乗り切ったこと、ずいぶんホッとされたことと思います。レポートの評価が思っていたより悪くてショックで過食のサイクルに入ったとのこと、これだって考えようで、社会に出たらもっともっとショックの大きいことにいくらでも出会うわけで、その時にいきなり立ち上がれなくならないように、今、そのトレーニングを積んでいるのだ、と思えばいいのかも知れません。何しろ(お達者くらぶのパンフレット−若い人たちへのメッセージ−に書いてあるように)症状としての過食はその時のあなたにのしかかっているストレスの指標で、そのストレスを過食で乗り切ればいいのだけれど、その過食の程度を少しずつ軽くしていきたい、それにはやっぱり練習も必要だと、私は思っています。

 けど、スポーツ競技(例えばマラソン)の選手たちが自分を痛めつける過酷すぎる練習で体を壊すこともあるように、過食の繰り返しで心がますます傷ついていくこともあるわけです。過食は繰り返しても、同じくらいの強さのストレスをできたら少しずつ軽い過食で乗り切れるようになっていきたいものです。今回、何とか抜け出せたのは、あなたがその練習の効果を現しはじめているのだとも言えるかと思います。

 あなたも気付いているように、過食と自己嫌悪(すなわち自己評価の低下)は悪循環のサイクル(サイクルと言うより、どんどん低下していくから下向きのスパイラルでしょうか)に陥ります。それを自分で止められないときには、どこかで止める方法を獲得する必要があります。

仲間の誰かに話しを聞いてもらう(そんな仲間を得る)のは非常に大切なその方法の一つです。その人の時間をとるのが悪いと思えば、今はメイルという強力な手段があります。どうしようもないと感じたときには何人もの仲間に、「今、私は苦しいです。誰か、私が生きていていいと思えるように、メイルをください。」と、その時の思いを隠さずに書けば、誰かが応えてくれるのではないでしょうか。もちろん、とてもメイルなんか書けないくらいに自分も苦しい状態にいる人も多いと思いますから、みんなが返してくれることはないと思いますが。

(この方法はある病院の禁煙外来に通う禁煙マラソンというグループが使っています。たばこを吸いたくなったときにメイルを発信するとグループのメンバーにいっせいに届き、何人もの人たちからメイルが返ってくることで乗り切ります。この場合は頑張れという励ましのことが多くて、この点だけは過食の場合と違っていますが。何しろ過食の人たちはいつも頑張りすぎて苦しいから、逆に「頑張らないでいい」と伝えたいので、ただ思いを受け取ってくれる仲間がいることがわかることでいいのです。)

 仲間以外に、家族の人たちともそんなメイルをやりとりできるようになれば、とも思います。

 その悪循環サイクル、スパイラルを断ち切るために、とりあえず寝てしまうというのも有効な手段です。そのために、催眠薬を持っておくといいのです。今の薬はよく効きます。実は、医師の資格を持ちながらかたくなにこのような薬を使わないことにしていた私なのですが、最近はさまざまな思いが渦巻いて眠れないときには催眠薬や抗不安薬(状態によって使い分けます)を使うと楽になることを自分で経験するようになりました。

 というようなことがあなたのメイルで心に浮かびました。ともかくも夏休み、ゆっくりと休んでください。(私も明日から夏休みをとって、学生たちの大会と、故郷の墓参りに行きます。)  香山雪彦

 

福島お達者くらぶ連絡先

960-1295福島市光が丘1番地 福島県立医科大学医学部 生理学第二講座 香山雪彦

電話(直通):024-547-1134  FAX024-548-2571 メイル:y-kayama@fmu.ac.jp

連絡はなるべく手紙かメイルでいただけたらと思いますが、お達者くらぶやミーティングについての問い合わせなどは遠慮なく電話していただいてけっこうです。初めてで様子がわからない方もどうぞ電話してください。香山は会議や講義で不在になっていることもあるので、一回でつながらなくてもめげずに何度もかけてください。夕方5時以後も、9時くらいまでいることも多いと思います。

ただし、個々の問題についての相談には応じられません。それは、全く同じように見える人でも、例えば抱き留めてあげるのか、逆に突き放してあげる方がよいのかなど、人によっても、その人の時期によっても、全く違った対応が必要になることが多く、それは長い時間をかけて何度も何度もお話を聞かないと判断できないことで、電話では責任ある対応ができないからです。お達者くらぶは相談の場所ではないことは、ミーティングについても同じです。ご理解下さい。

お達者くらぶやミーティングについての案内はホームページに出ています。アドレスはGoogleやヤフーで「福島お達者くらぶ」を検索するのが便利です。メッセージや寄せ書きなども出ていますので、ぜひ見てみてください。