総合診療医の道

総合診療医は場面や状況によって働き方が異なります。主に、小規模施設での外来診療を中心に、時には地域の問題も含めて対応する「家庭医」と、中ないし大規模施設で入院診療や救急診療を中心に、時には重症患者の診療にも携わる「病院総合医」に大別されます。「病院総合医」は内科診療が中心であり、「総合内科医」とほぼ同義。しかしこの2つの境界線は必ずしも明確でなく、両方を行なっている総合診療医もいます。

総合診療医とは?

「家庭医」と「病院総合医」からなり、患者の主要な健康上の問題をすべて取り上げてマネージメントする医師というのが基本的概念です。患者だけでなく地域や医療機関の医療的問題にも取り組むことがあります。専門医制度では基本領域は総合診療専門医に属します。

総合内科医とは?

総合診療医のうち、入院医療を中心とした総合医療を行う「病院総合医」と同義ですが、診断推論や感染症診療、内科救急・集中治療診療など、主に内科的問題を扱うため、慣習的に「総合内科医」と呼ばれています。専門医制度では基本領域は内科専門医に属します。

図解:総合診療医と総合内科医の領域
総合診療医 総合内科医
主な修了要件 ①定められたローテーション研修(診療所・病院における総合診療18ヶ月、内科6ヶ月、小児科3ヶ月、救急科3ヶ月)の履修 ②専攻医自身による自己評価・省察の記録、ポートフォリオ制作20編を通じたコンピテンシー獲得の確認 ③研修手帳への研修実績の記録など ①主担当医として56疾患群160症例以上を経験(目標は全70疾患群200症例以上) ②病歴要約29編 ③学会発表または論文発表2編 ④JMECC受講 ⑤指導医・メディカルスタッフによる360度評価、など
研修施設の特徴 診療所、地域の中小病院から、総合診療部門を有する大規模病院までさまざま。 基幹施設は300床以上の急性期病院が中心。関連施設として地域の中小病院を多数含む。
入院診療と 外来診療 外来診療を重視(ビデオレビュー、診療録レビューなど実施)。ただし内科研修期間は入院診療が基本。 入院診療を重視(修了要件へ症例の算定は原則的に入院症例。外来症例は上限あり)
サブスペシャルティ領域と関連 未定(学会制度として病院総合診療専門医、新・家庭医療専門医など) 未定(既存の内科サブスペシャルティ13領域※+がん薬物療法、消化器内視鏡など)

※内科サブスペシャルティ13領域=消化器病、肝臓、循環器、内分泌、糖尿病、腎臓、呼吸器、血液、神経、アレルギー、リウマチ、感染症、老年医学。

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