お知らせ
第19回ふくジェネジム ”医療DXと多職種連携とへき地医療”
第19回ふくジェネジム:持続可能な地域医療のフロンティア
開催日:2025年9月12日(金)
講師:中嶋 裕 先生(山口県・徳地診療所)
総合診療を鍛える学びの場 ― 「ふくジェネジム」
福島県立医科大学 総合内科・総合診療医センターでは、未来の総合診療を担う医師を育てるために、実践的なトレーニング企画「ふくジェネジム」を定期開催しています。
「アタマを鍛える」をコンセプトに、第一線で活躍する実践者を講師に迎え、医学生・研修医・若手医師が診療の考え方や地域医療の実際を深く学ぶことを目的としています。
第19回は、山口市徳地診療所のセンター長・中嶋裕先生をお招きしました。テーマは「持続可能な地域医療のフロンティア ― 医療MaaSと多職種協働による新しいプライマリ・ケアモデル」です。

中嶋先生が語る「地域医療の最前線」
徳地地域は人口4,500人弱、高齢化率55%以上という典型的な中山間地域。交通や通院の困難さから医療アクセスに課題がある一方で、地域住民は「我慢してしまう」傾向が強く、重症化リスクが高い状況です。
こうした現場で中嶋先生が実践されているのが、多職種協働型外来とオンライン巡回診療「徳地スタイル」。
- 看護師・理学療法士と並行した外来診療
- 公民館を拠点にしたオンライン診療の巡回
- 薬剤師による遠隔服薬指導
これらの取り組みを通じ、医師だけでは拾えない住民の声や生活の実態が可視化され、患者自身が主体的に意思決定する姿勢も生まれつつあることが紹介されました。
センターの取り組みとの共鳴
今回のご講演は、地域に根ざした総合診療のあり方を考えるうえで、私たちセンターの活動とも強く重なります。
- 地域医療を支える人材の育成
- 多職種協働の推進
- オンライン診療や新しいケアモデルの実践・検証
福島県にも中山間地域や人口減少が進む地域が多く存在しており、徳地診療所の取り組みは、まさに私たちが目指す医療の方向性を示す好例です。
若手医師へのメッセージ
中嶋先生は最後に、参加した医学生や研修医へエールを送られました。
「医師人生は続けるほど楽しくなります。へき地医療や地域医療には、それぞれに現場の楽しさがあります。ぜひ、自分の関心に応じて飛び込んでみてください。」
おわりに
「ふくジェネジム」は、総合診療を志す若手にとって、臨床スキルだけでなく地域を診る眼と多職種と協働する姿勢を養う場です。総合内科・総合診療医センターは、今後もこうした学びの機会を広げ、福島から未来の総合診療を発信してまいります。