福島県立医科大学 総合内科・ 総合診療医 センターの声
これからの医療に求められる総合診療。私たち[総合内科・総合診療医センター]は、総合診療に関わるすべての人たちが学び続けられ、仕事から充実感を得られる、そんな環境づくりを目指しています。
- 濱口 杉大
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経験年数:31年目
福島県立医科大学 医学部 総合内科・総合診療医センター センター長
福島県立医科大学 医学部 総合内科・総合診療学講座 主任教授
これまで北海道の離島を含めた僻地医療、市中教育病院での総合内科、総合診療の診療・教育・研修システム構築、途上国医療と研究、大学病院総合内科での診療・教育・研究、という、総合医療の広い範囲を経験し現在に至ります。その中で学んだことは、医師は常に自分の活動の「場」を理解し、場の中で自分の医師としての専門性をどのように発揮するかを常に考えながら活動することが大切である、ということでした。「場」とは医療機関を含めた「地域」でもあり、またそこで共に協力し合う「人々」でもあります。総合内科医、総合診療医は、自分の形を変形させることができ、どのような場であっても、その「場」ニーズにあった医療をおこなうことを得意としております。当センターでは、この自分の形を変形させることができる医師が集まっており、さらにそれを目指す若手医師の育成をしていきたいと考えます。

- 菅家 智史
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経験年数:21年目
福島県立医科大学医学部 総合内科・総合診療学講座 講師
現在の医療システムでは、患者さん自身がどの医療機関を受診するのかを選ばなければいけませんが、総合診療医はあらゆる疾患を診ることのできる医師ですから、その必要はなくなります。総合診療医が今よりもっと増えることで、受診先を迷うことが減り、住民の皆さんが、よりシンプル且つ気軽に医療との接点を持つことができる社会になるはずです。
そして、患者さんとの関係性に基づいた医療を提供するのが私たちの大切な役割の一つ。分野に関わらず、どんな体調不良でも状況を把握し、不安や対処の相談に乗ることができるので、患者さんのエピソードが蓄積されていきます。幾多のエピソードを経験し、その方の人生・生活に伴走する感覚は総合診療医ならではだと思います。

- 町田 萌子
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経験年数:7年目
白河厚生総合病院 総合診療科
どの分野でも最低限の内科的診療は求められることで、しかもその力はどの方向に進んでもある程度身に付くと思います。しかし私の場合は患者/指導医に分野的な偏りがあると意識が集中してしまい、他の内科診療は「なんとなく」で終わる不安がありました。そこで初期研修後数年は内科診療全般の基礎固めを目標にしました。
当科のプログラムでは、総合的内科診療に熟練した指導医陣がいて、重要な点を効率的に学べたり、診療の監督により軌道修正してもらえる環境が整っています。さらに外部交流も盛んなのでよい刺激になります。今後の目標は漠然としていますが、型にはまるルートよりもマイナーな分野や新しい分野に進みたいです。でもまずは、高齢化した県南の医療を支えながら力を付けたいと考えています。

- 一重 光治
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経験年数:5年目
福島県立医科大学医学部 総合内科・総合診療医センター
以前、奥会津在宅医療センターを訪問させていただくことがあり、スタッフの皆さんがとても元気でお互いをサポートし、アシストしながら地域医療に向き合っている姿がとても心地よく印象的でした。当センターもこう在れるよう、人と人との信頼関係を大切にしながら力を尽くしていきたいと思います。
私は前期高齢者の入り口に立ちましたが、診察や治療を受けたり薬を処方していただいたり、私にとっての今までの「医療」は、ある意味常に受け身の舞台だったような気がしています。でもこれからは、「総合診療」という能動的な舞台でわずかでも役割を担うことになります。そこに大きなプレッシャーを感じつつも、地域医療に従事できることが非常に嬉しいです。

医療を支える スタッフ
濱口 杉大

福島県立医科大学 医学部 総合内科・総合診療医センター センター長/福島県立医科大学 医学部 総合内科・総合診療学講座 主任教授
鎌田 一宏

福島県立医科大学 医学部 総合内科・総合診療医センター 副センター長/会津医療センター 総合内科 主任教授
大谷 晃司

福島県立医科大学 医療人育成・支援センター 教授
宗像 源之

福島県立医科大学 会津医療センター 総合内科 講師 病院教授
小野 正博

福島県立宮下病院 副院長
菅家 智史

福島県立医科大学 総合内科・総合診療学講座 講師
中村 光輝

福島県立医科大学 総合内科・総合診療学講座/医療人育成・支援センター 助教
なぜ、 総合診療医を 目指したの? ROUTE MAP
- 目指した理由
- これまでのキャリア
- これからの未来
会津医療センター 総合内科
奥会津在宅医療センター
医師経験年数:16年
鎌田 一宏
- 目指した 理由
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大学時代までずっとサッカーをしてきたのですが、在学中、広い世界を自分の目で見たい、感じたいと思い立ち、アフリカやオセアニア、アジア、南米、中米を一人旅しました。
現地では、多くの人から学び、そして、旅の途中で出会った様々な人々に助けられました。こういった経験から、「最高の医療はできないかもしれないけれど、どんな分野でも責任と覚悟を持って対応できる医療従事者になりたい」と思うようになったのが総合診療医を目指したきっかけです。 - これまでの キャリア
- 2010年北里大学医学部卒業。がん・感染症センター駒込病院にて研修後、水戸協同病院、National University Hospital(シンガポール)、Rwanda Military Hospital(ルワンダ)、筑波メディカルセンター、東京城東病院、厚生労働省、国立感染症研究所、イタリア国立感染症研究所 Lazzaro Spallanzani(ローマ)、新潟大学ミャンマー感染症研究拠点(Yankin Children Hospital)等、総合内科を軸に各国の感染症現場にも従事し現在に至る。感染症危機管理専門家。
- これからの 未来
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「2年後や3年後、さらに5年後や10年後のキャリアを考えて行動するように」と言われることが多かったのですが、自分自身はもちろん、自分の周りも、この10年のKamata=自分の姿はきっと予想していなかったでしょう。
医師4年目の時、ルワンダで出会ったアメリカ人指導医から『本能に従うこと』をキャリア形成におけるポイントとして教えてもらいました。今後のことは分かりませんが、これからも教えに従い、“本能のままに”挑戦し続けたいと思っています。
福島県立医科大学総合内科 助手
福島県立医科大学大学院医学研究科 臨床疫学分野
医師経験年数:14年
會田 哲朗
- 目指した 理由
- 私は臨床医学全般を学ぶことが学生時代から好きであり、進路に悩んでいました。医学部5年生の時に二人の総合診療医に出会い、地域に根ざし患者さんに信頼されている姿や、診療・教育に熱心に従事する姿に感化されて総合診療医を目指すようになりました。臓器横断的に診療することができ、診断に難渋されている方、複合疾患を持つ方、複雑性の高い問題を持つ患者様に向き合うことが魅力的だったこともこの分野を目指した理由の一つです。
- これまでの キャリア
- 在学時、福島県ではまだ総合診療の馴染みが薄かったため「離島でも診療できるノウハウを身につけて持ち帰りたい」と思い、沖縄県立中部病院で4年間トレーニングしました。これは非常に良い学びとなり、また救急・病棟診療をバランス良く経験できました。その後は沖縄県立北部病院へ移動し、総合内科スタッフとして僻地医療の利点と限界を知りました。この経験は当科の専攻医プログラムへと還元できており、現在の福島医大総合内科の立ち上げに関わることにも繋がっています。
- これからの 未来
- 総合診療の臨床と教育に従事してきましたが、解決できない問題に出会うことも増え、臨床研究の必要性を感じていました。総合診療分野における臨床研究のアウトプットは、日本の総合診療医のプレゼンスを高めることにも繋がると考えています。こうした理由から、今年度より臨床疫学分野の大学院生となりました。今後は疫学研究や診断研究を中心に出版できればと考えています。臨床・研究・教育のバランスの取れた「Academic hospitalist」を目指し努力していく所存です。
福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座 助手
医師経験年数:12年
遠藤 芽依
- 目指した 理由
- 幼い頃に、難民の生活を支援する医師の本を読み、将来は医師として困っている人の手助けをしたいという漠然とした憧れを抱いていました。その後たまたま地域・家庭医療学講座がある福島県立医科大学の医学生となり、家庭医の先生方の授業や実習を受けて、家庭医/総合診療医という職業を知りました。家庭医/総合診療医は、患者中心にケアをする温かい医師。地域で生活する人々のサポートが出来る存在であり、自分の理想の医師像だと思い目指すことに決めました。
- これまでの キャリア
- 栃木県鹿沼市の上都賀総合病院で初期研修を終えた後、福島県立医科大学地域・家庭医療学講座に入局しました。家庭医療専門医の後期研修プログラムを履修後、地域家庭医療学講座の助手として、臨床の他、医学生・後期研修医の教育、家庭医療学分野の研究に携わっています。
- これからの 未来
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医師としての最終的な目標は、地域で暮らす人々が最期に「いい人生だった」と思えるようにサポートしていくことです。今後も家庭医/総合診療医として、外来や在宅医療の臨床力を高めつつ、同じような思いを持つ医師の育成にも携わり続けたいです。
更に、地域で暮らす一人の住民として、コミュニティスペースでの活動や、子どもとの生活も楽しんでいきたいと思っています。