《被災地現場視察》 東京電力福島第一原子力発電所視察
帰還困難区域へ入域し、区域内の現状および福島第一原子力発電所を視察。原発正門付近に設置された入退域管理施設、救急医療室、さらに原発敷地内(汚染水処理施設「アルプス」、1〜4号機近傍、5・6号機非常用ディーゼル発電機施設、旧5・6号救急医療室跡、津波被災現場(破損タンク等)、免震重要棟近傍を専用車に乗車のまま視察。各施設について、東電職員からの解説。
  


 感想等(抜粋)
入退室棟の仕組みや状況を見せていただき、詳しく説明頂けたこと、ERの見学と状況説明をいただいたこと、バスからではありましたが、構内を詳しく見せていただけたことなど、なかなか体験できないことを経験させていただきました。現場の状態を見ることができ、状況はまだまだ厳しい事、厳しい中で皆さんが懸命に頑張っておられることを知ることが出来ました。津波の影響がすごかったことは勿論ですが、爆発の影響をまだ完全には除去できていない現状を見、やはり人間がコントロールできるものではないと感じました。終息までの長い年月、多くの人の力と英知で事故なく安全な現場であることを願わずにはいられませんでした。


最後に、このセミナーへ参加しての全体のご意見・ご感想を伺いました。(抜粋)

  全体を通して、大変勉強になったのはもちろんですが、また再び前回一緒だった仲間たち、新しい仲間たちに会えてよかった。チェルノブイリの話は新鮮で、情報を開示の問題など、今の時代ではありえないだろうが、興味深かった。また、心理学の話はなんとなくは考えたことがあっても、系統的に考えたことはありませんでしたので非常にためになりました。今後、病院、地域の体制作りも含めて被爆医療に携わっていきたいと思います。今日、たまたま外来の患者さんに放射線被ばくのことを聞かれました。先日CT検査施行した方でしたのでそれを比較に出したところ、たいしたことないと納得された様子でした。講習を受けて良かったと思った一瞬でした。まだまだ原発事故の根は深く、自分でもこの講習を通して今後のことなど色々考えるきっかけとなりました。県民、医療者でも知らないというか、調べもせずに不安がっている人も多く、少しずつ教育したり、不安を取れればと思います。

  セミナーに参加出来たことに感謝いたします。参加できなかった方々の分しっかり学んで福島の現状を考えることができました。ベラルーシ、ゴメリ、セミパラチンスク大学からの講師の先生方の大変貴重なお話をうかがえ、また通訳の方の長時間に渡る通訳のすばらしい語学力を間近で聞くことができました。原発内の救急のお話をして頂いた長谷川先生の救急に対する熱心な思いと、実際におきている原発内部の事故や原因を知ることができました。福島に住んでいる私として一番関心があった講義は、里山の放射線物質のお話をして頂いた小林先生の講義でした。福島は緑豊かなところで里山が沢山あります。近づくなと言われ、今の現状は?と思うことが沢山ありましたので、今回なじみのない言葉が沢山ありましたが、林産物、農産物などのことが分かりました。今後の経過も興味深くみていきたいです。


  特に今回のセミナーには、チェルノブイリからの教訓ということでベラルーシ医科大学のアラム先生、ゴメリ医科大学のタマラ先生、セメイ州立医科大学のアルマ先生のお話を直接聴講するという貴重な経験ができました。1945‐2005年における核実験による世界中の一人当たりの実効線量推定値はUNSCEAR2008年報告では0.11mSVということであり、なるほど、アルマ先生からカザフスタンのセミパラチンスでの核実験の報告を聞いて良く理解できました。すばらしいカザフスタンの広大な土地で核実験が行われていたこと、そうした情報も周知されていなかったこと、被ばく線量の再構築作業をおこなっていることなど興味深く拝聴しました。