活動報告 – 行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構 https://sips-jp.com/demo/acs 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究:「行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構」(略称:適応回路シフト)に関するサイトです Wed, 11 Mar 2020 11:54:06 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.7.2 平成30年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2410/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2410/#respond Tue, 03 Sep 2019 10:45:02 +0000 http://sips-jp.com/demo/acs/?p=2410 派遣者:鹿野 悠(派遣者)  申請者:佐々木 拓哉(公募班)
    (東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室)
滞在先:相澤 秀紀先生(計画班)
    (広島大学 医学部 神経生物学)

 
 中枢神経による学習や記憶のメカニズムを明らかにするために、様々な記録手法を駆使して世界中で研究が進められています。私たちはこれまで、行動課題を学ばせたラットを用いて、海馬や線条体に慢性的に刺入した電極から神経発火を記録してきました。これらに加えて、ドパミンやセロトニンといった神経修飾物質は脳機能に重要な役割をもっています。しかしながら、こうした神経修飾物質と神経発火との関連は詳細に検証されておらず、さらに研究を発展させるためには行動課題中のラットから神経修飾物質濃度を計測する手法が不可欠でした。しかしながら本研究室では直接的かつ即時的に神経修飾物質濃度が測定できる手法を持ち合わせておりませんでした。そこでこの度、この研究室滞在支援制度を活用して、2018年12月17日~19日の3日間研究室にお邪魔し、電気化学法についてご指導いただける運びとなりました。
 滞在中にはまず電気化学法(サイクリック・ボルタンメトリー)の手法全般についての解説をしていただき、炭素電極の作成から実際に作業を体験させていただきました。直径0.007mmしかないカーボンファイバーをガラスキャピラリーに挿入して作成するという極めて微細な作業でした。次にドパミンを記録する際に用いる記録装置について、実物を見ながら解説して頂きました。現在使用されている機器はもちろんのこと、相澤先生が以前からご自身で電子回路を組まれて作製された数多くの装置を拝見し、その原理について詳しく学ばせて頂きました。そして最後に私の作成した電極を用いて、マウスからドパミンを検出しました。内側前脳束の電気刺激に伴い、側坐核からドパミンが迅速に放出される様子を観察することができました。
 現在私は、相澤先生にご指導いただいた経験をもとに、自身の研究室においても自由行動下の動物から電気化学法を導入するために準備を進めています。導入後は、従来私が実施してきている電気生理記録と組み合わせて同時実施することを目指します。最後に、ご多忙の中滞在を快く引き受けてくださり直接ご指導くださいました相澤先生、私の滞在をサポートしてくださった研究室のみなさま、さらに領域代表の小林和人先生をはじめ研究支援委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。



※ 得られた結果について解説して頂いている様子(左:相澤先生、右:鹿野)

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平成30年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2407/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2407/#respond Tue, 03 Sep 2019 10:44:47 +0000 http://sips-jp.com/demo/acs/?p=2407 派遣者:浜田 駿  申請者:大塚 稔久(公募班)
    (山梨大学大学院 総合研究部医学域 生化学講座第1教室)
滞在先:石井 信先生
    (京都大学 工学部 電気電子工学科 論理生命学分野)

 
 シナプスは神経活動に応じて構造や伝達効率などが変化する可塑性が知られています。知られている可塑的な変化のほとんどはポストシナプスでの受容体の数やスパインのサイズなどの変化であり、プレシナプスでの変化についてはほとんど知られていません。そこで私たちは神経活動が引き起こすプレシナプスへの影響を調べることにしました。
 われわれの研究室ではCAST KOマウスと特定の行動異常との関連性を示唆する予備データがあったのですが、CASTは脳全体に発現するため、CASTが重要となる脳領域は不明なままでした。そのための神経活動に応じたプレシナプスの変化を調べるモデルとして、この行動異常とCASTとの関係に着目しました。そこで、まずは行動の際に活性化する脳領域を特定し、その中でもとくに活性化した神経細胞と活性しなかった神経細胞を比較することにしました。そこで、特定の行動をしたマウスとしなかったマウスに分け、in situハイブリダイゼーション法によりc-FosとCASTの mRNAの発現領域を探索しました。その結果室傍視床核 (PVT) という領域がもともとCASTの発現が強く、行動群においてc-Fosの発現が増加していたため、CASTが制御する領域の候補と考えました。
 そこで、コントロールマウスと行動マウスの細胞ごとのc-FosとCASTのシグナルを数値化し、比較することにしました。単純に2つの遺伝子の発現量を2次元プロットしただけでは今一つ違いが見いだせず、統計処理に詳しいかたにご助言を得たほうがいいのではないかと考えていたところ、研究室滞在支援制度により、京都大学工学部電気電子工学科論理生命学分野の石井信先生のもとへ派遣させていただく機会を得ることが出来ました。8月の終わりだったため、盆地の京都はかなり暑いだろうと思い、思いっきり薄着で訪問したところ、訪れた研究室はPCデスクが立ち並ぶ冷房の効いた部屋だったため、真夏の京都とは思えぬ肌寒さを感じながらの三日間となりました。その中で統計処理について、石井先生の他、大羽先生らとディスカッションをしながら進めた結果、数値データを対数化しプロットし、さらに補正等の変換をすることにしました。そうすることで、初めはばらついていたデータの中から、c-FosとCASTの量についての正の相関を示す集団と、そこから外れた集団に分けることができました。今後はこの解析を基にPVTで発現しているCASTと行動制御との関連性をより詳細に調べていきたいと思います。
 最後に、ご多忙のところ訪問を受け入れてくださった石井先生の他、解析方法をレクチャーしてくださった大羽先生、色々相談に乗ってくださった浦久保先生、中江先生、Henrik先生、そして多大な支援をいただきました「適応回路シフト」領域代表の小林先生ならびに研究支援委員会の礒村先生やスタッフの方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

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平成30年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2405/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2405/#respond Tue, 03 Sep 2019 10:44:22 +0000 http://sips-jp.com/demo/acs/?p=2405 派遣者(申請者):高橋 真有(公募班)
    (東京医科歯科大学)
滞在先:伊佐 正先生(計画班)
    (京都大学)

 
 随意性眼球運動系におけるセントラルドグマと言われるListingの法則(サッケードや滑動性眼球運動は、第一眼位からの眼球運動では、回旋成分を含まず、水平と垂直成分のみである。前庭動眼反射は、この法則の例外である)の中枢神経機構を明らかにするため、訓練したサルでDREADD法を用いて、これまでネコでの電気生理・解剖実験で詳細に明らかにした中脳・脳幹の回路の一部を選択的経路遮断し、その前後の眼球運動を計測することで、その回路の機能を機能的に証明する実験を継続して行っている。
 昨年度に引き続き、ウィルスベクターを注入したサルでの眼球運動解析実験を行ったが、本年度はCNO(clozapine-n-oxide)の代わりに、放医研の南本先生のご協力でC22bを使用した。また、本年度も、ほぼ毎週、火曜日から金曜日まで東京から京都大学に通い、訓練したサルの眼球運動計測と、新たな眼球運動の訓練を行った。現在そのデータを解析しつつ、コイルでなくカメラ画像による回旋成分解析システムを立ち上げている。これまで、随意性眼球運動系は水平・垂直の2次元の自由度からなる、と考えられてきたが、実際は、水平・垂直・回旋からなる3次元の座標軸が用いられている。そのため、回旋成分を解析する必要があるが、回旋を記録解析するためには、2個のコイルを用いたシステムが必要であるが、種々の理由からこれが困難であるため、ビデオカメラを用いた解析システムを構築した。高速赤外線カメラ(sampling 500Hz)を用いたカメラシステムによる回旋成分の解析はこれまでほとんど行われていないため、色々な問題が生じており、それを一つずつ克服しながら、解析システムを、徐々に作り上げてきた。さらに、大きな問題は、サルは虹彩紋理がヒトに比べ非常に曖昧であり、瞳孔とのズレを検知するにも、工夫が必要であり、そのため、パターンマッチングの方法をさらに精度を上げて改良を行った。
 このように、すでに訓練されたサルでの眼球運動解析システムの改良と、新しいサルに種々の眼球運動パラダイムを訓練し、ウィルスベクター投与準備を行った。
 
 平成27年度より2年間公募班員として、また平成29年度より研究室滞在支援制度により、このプロジェクトに多大なご支援をいただきまして、本当にありがとうございました。伊佐先生をはじめ、適応回路シフト領域代表の小林和人先生、研究支援委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。

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平成30年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2399/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2399/#respond Tue, 03 Sep 2019 10:44:19 +0000 http://sips-jp.com/demo/acs/?p=2399 派遣者:吉野 倫太郎、森谷 叡生  申請者:筒井 健一郎(計画班)
    (東北大学 生命科学研究科 脳神経システム分野)
滞在先:高田 昌彦先生(公募班)
    (京都大学 霊長類研究所総合脳システム分野)

 
 私達の所属する研究室では、前部帯状回や内側前頭前野を含む内側前頭皮質の気分・情動調節機能に関する研究を行っています。これまでに、ニホンザルの内側前頭皮質腹内側部へ抑制性の頚頭外磁気低頻度反復刺激を施すことによって、日中の自発的身体活動量や、意欲の低下、社会的ひきこもりやコルチゾールレベルの上昇が引き起こされることが明らかになりました。
 今回、私達はこれらの症状の背景にあると考えられる内側前頭皮質と辺縁系領域を結ぶ回路、特に内側前頭皮質と強い結合関係を持つことで知られる扁桃体と側坐核に着目し、内側前頭皮質とこれらの領域の詳細な解剖学的結合関係を明らかにすることを目的として、本研究室滞在支援のもと、京都大学霊長類研究所の高田明彦先生の研究室に滞在し、逆行性二重トレーシング実験を行うとともに、その手法について学びました。井上謙一先生の作成されたAAVベクターを用いることで、標的とした領域においてとてもはっきりと神経細胞の蛍光ラベルを得ることができ、現在その解析を進めています。滞在中は、注入座標やトレーサーの注入量などの実験条件の設定、標的部位へのAAVベクターの注入実験、そして標本作成に至るまで細部にわたりご指導いただきました。染色結果の細かい解釈についても親身になって教えて頂き大変勉強になりました。今回の経験をもとに、所属研究室においても同様の実験を行えるように準備を進めています。
 最後に、この度は数度に及ぶ滞在にもかかわらず快く引き受けてくださった高田先生並びに井上先生、様々な実験手技を多忙な時間を割いて教えてくださった田辺さん、木村さん、並びに研究室の皆様、そしてこのような機会を与えてくださった本領域の皆様に心より御礼申し上げます。



*実験風景(写真 手前:森谷、中:木村さん、奥:吉野)

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【開催報告】新学術領域研究「人工知能と脳科学」「適応回路シフト」研究戦略合同ワークショップ・合同領域会議(沖縄科学技術大学院大学) https://sips-jp.com/demo/acs/report/2182/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2182/#respond Mon, 25 Jun 2018 01:38:51 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=2182 ]]> 2018年5月上旬、沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、新学術領域研究「人工知能と脳科学」「適応回路シフト」の合同ワークショップおよび合同領域会議が開催されました。ここでは、今回の活発な学術交流の様子を報告します。

 
研究戦略合同ワークショップ (2018.5.9)

 2018年5月9日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)において、「適応回路シフト」領域と「人工知能と脳科学」領域(領域代表者:銅谷賢治先生)の合同で、研究戦略ワークショップを開催しました。当領域では、研究戦略ワークショップを毎年開催して、適応回路シフトを多角的に探るための研究手法や成果を紹介しています。今回、当領域からは、研究室滞在支援制度を利用した研究班を中心とする講演者5名の方に、領域内の共同・連携研究を含む研究活動の進捗と成果を紹介していただきました。銅谷領域でも講演者2名の方に学際的な研究活動の紹介をお願いしました。
 トップバッターは銅谷領域の谷口忠大先生(立命館大学)でした。「ビブリオバトル」を通じて議論形成のあり方を考える、合同ワークショップの第一話に相応しい興味深いお話でした。続いて、小坂田文隆先生(名古屋大学)が最新のウイルスベクターを駆使したマウスの視覚野研究の展開について紹介されました。山中章弘先生(名古屋大学)は、レム睡眠の誘導に関与する視床下部のメラニン凝集ホルモンが記憶の制御にも関わっているという研究を紹介されました。平田たつみ先生(国立遺伝学研究所)は、独自に開発した誕生日タグ付けマウスの詳細な情報と有用性について話され、飛田秀樹先生(名古屋市立大学)は、内包出血させた動物において健常側を拘束するリハビリテーションにより運動機能が回復するメカニズムについて話されました。銅谷領域の坂上雅道先生(玉川大学)は、サルの前頭前野の皮質脳波信号から価値情報をデコーディングした研究をお話しされました。最後に、木下専先生(名古屋大学)は、セプチンSept3欠損マウスは海馬歯状回に異常をきたして空間弁別の障害が生じることを示されました。
 その後、特別講演として、海馬の神経解剖学で著名なノルウェー科学技術大学のMenno P. Witter先生が、海馬3領域と嗅内野の投射結合や機能に関する研究の歴史を丁寧に振り返り講演されました。当領域の研究者とも共同研究が進んでいるとのことで、将来の海馬・嗅内野の研究の発展がとても楽しみに感じました。
 「適応回路シフト」領域は最終年度となりましたが、銅谷領域との学際的な研究紹介と議論の場を共有できたことで、新たな研究の芽が生まれる可能性を予感できたワークショップとなりました。

報告:礒村宜和(玉川大学)



 

写真:沖縄科学技術大学院大学の風景(上)、ワークショップ集合写真(下)

 

合同領域会議 (2018.5.10-11)

 2018年5月10日-11日に、「人工知能と脳科学」「適応回路シフト」研究戦略合同ワークショップに引き続いて、沖縄科学技術大学院大学(OIST)において、2つの領域の合同領域会議を行いました。「適応回路シフト」領域では、以前より、神経回路研究に数理モデルを応用し、学習や損傷回復の基盤となるメカニズムの解明を推進するという目的で、数理モデルに関するチュートリアルやワークショップを開催してきました。OISTの銅谷先生は、数理モデルの専門家であり、本領域の評価委員も務めていただいておりますので、今回、銅谷先生が領域代表をされる「人工知能と脳科学」領域と合同で領域会議を持つことによって、数理モデルの研究者との交流をより促進できるのではないかと考え、2つの領域の合同会議を開くことといたしました。全体で約140名の方の参加があり、OISTの広いセミナールームが一杯になるほど盛況な会議をとなりました。銅谷先生はじめ、OISTの皆様の多大なご尽力により、ワークショップも含め、たいへん有意義な会議を持つことができましたことを、この場を借りて深くお礼申し上げたいと思います。
 合同領域会議では、「適応回路シフト」領域からは、数理モデルを応用した研究や第二期から参画いただいた新しいメンバーの先生方を含め、10班に口頭発表をお願いしました。計画班からは、小池康晴先生(東工大)、酒井裕先生(玉川大・礒村班)、渡邉大先生(京都大)、伊佐正先生(京都大)に、公募班からは、能瀬聡直先生(東京大)、井上謙一先生(京都大)、宇賀貴紀先生(山梨大)、谷本拓先生(東北大)、佐々木拓哉先生(東京大)、Dr. Thomas McHugh (Riken)、小早川令子先生(関西医大)にお願いし、発表をしていただきました。「人工知能と脳科学」領域からは、数理モデルや人工知能等に関わる16題の口頭発表をしていただきました。5月10日の夕方に、カンファレンスセンターにおいて、ポスターセッションを行いました。そこでは、全体で、65題のポスター発表があり、大いに議論が盛り上がりました。このような研究交流を通じて、われわれがこれまで進めてきた数理モデルの応用の機運を高め、これまでの共同研究や連携がますます進展するとともに、新たな研究が生まれれば、領域全体の活動にとってもたいへん有意義な成果に繋がると確信しています。
 また、合同領域会議の後、OISTの先生方のご好意で、キャンパスツアーとラボツアーを行っていただきました。キャンパスからは、沖縄の美しい海や遠くの島々が見え、素晴らしい景観を満喫することができたばかりでなく、OISTの最先端の設備や芸術的な建造物に眼を奪われました。ラボツアーでは、神経科学や数理モデルに関する2つの研究ユニットに属される6つの研究室を、それぞれのグループに分けて見学させていただきました。最先端の研究を紹介いただくとともに、オーガナイズされた研究室を見学し、活発な研究者のみなさんと交流することができ、有益な体験をすることができました。
 さきのワークショップのまとめにもありましたが、「適応回路シフト」領域は本年度が最終年度であり、この5年間の活動から研究のゴールにむけて邁進しているところであり、5年間の成果のとりまとめに向かって準備をはじめたところです。残りの1年間の活動も重要ですし、そこに今回学んだ数理モデルの研究手法を導入し、本領域の主題である「環境や状況に応答して行動を適合化する神経回路シフトの仕組みの理解」を深めていきたいと考えています。

報告:小林 和人(領域代表)


 
 

写真:小林和人 領域代表(左上)、銅谷賢治 領域代表(右上)、合同領域会議集合写真(下)

 

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平成29年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2104/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2104/#respond Mon, 09 Apr 2018 09:30:23 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=2104 派遣者(申請者):高橋 真有(公募班)
    (東京医科歯科大学)
滞在先:伊佐 正先生(計画班)
    (京都大学 生理学研究所)

 
 当初DOX法を用いて実験を開始したが、DOX法では、薬物投与後効果が出現するまで日数がかかるため、種々の関連効果を解析するには、遮断効果が薬物投与後早い方が良いと考え、DREAD法に変更して実験を行った。平成28年度に引き続き、左右の上丘にそれぞれ逆行性と順行性ウィルスベクターを二重感染させた1頭目のサルにCNO (clozapine-n-oxide)を投与し、その前後での眼球運動を解析する実験を行っている。これまで得られたデータをもとに検討した結果、サルに固視させている時間を長くしたほうが、上丘の機能を遮断した効果により変化がみられるのではないかと考え、サルに視覚誘導性サッケードだけではなく、遅延性サッケードを訓練して、CNO投与前後のサッケードの軌道および反応時間などを解析することにした。遅延性サッケードは視覚誘導性サッケードにくらべ、難易度が高く、毎週東京から京都に通いながら訓練を続けてきたが、この訓練に時間を要した。想定した結果が一部みられるものの、個体数を増やす必要があると考えられた。本実験の遂行中に、CNOがblood-brain-barrierを通過しないと言う論文が、げっ歯類の実験で示されたので、経時的に採血を行い、現在clozapineの血中濃度と、CNOの血中濃度を測定している。
 また、すでにチェアトレーニングを進めていた2頭目のサルに対しMRI撮影後ヘッドポストを装着する手術を行い、頭部を固定した上での眼球運動の訓練が進行中である。
視覚誘導性サッケードが完成した段階で、ウィルスベクターを投与する前にCNOを投与し、CNOそのものの影響をみようと考えている。ウィルスベクターを注入する上丘の正確な位置を決めなくてはならないが、伊佐研の生理研から京大への異動に伴い、実験室を新たに立ち上げる事が必要になり、現在、ユニットを記録する神経生理学実験のためのシステムを構築している。
 さらに別の2頭のサルについて、すでにチェアトレーニングが進んでおり、近日中にヘッドポスト装着の手術を行って、頭部を固定した上での訓練を開始する予定である。
 
 サルの慢性実験をこのように東京と京都を週の約半分ずつ行き来して行うことの難しさを日々痛感しておりますが、伊佐研の充実した研究支援体制のおかげで、なんとか継続することができております。ようやく結果が出始めてきたところですので、なんとか最後まで継続して共同研究を行い、しっかりと成果をだしたいと思っております。
 このプロジェクトを遂行するにあたり、多大なご支援をいただいております伊佐教授、伊佐研の皆様、そして「適応回路シフト」領域代表の小林和人先生ならびに研究支援委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。

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平成29年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2100/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2100/#respond Mon, 09 Apr 2018 09:19:08 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=2100 派遣者:山下 貴之  申請者:山中 章弘(公募班)
    (名古屋大学 環境医学研究所 神経系分野2)
滞在先:Thomas McHugh先生(公募班)
    (理化学研究所 McHugh研究室)

 
 視床下部では、オレキシン神経やメラニン凝集ホルモン(MCH)神経といったペプチド産生ニューロンが同定されており、それらは脳の広い領域に投射していることから広範な機能を持つと考えられます。オレキシン神経やMCH神経の機能として、睡眠・覚醒や摂食行動の調節がこれまで特に注目されてきましたが、その他の機能についてはよく分かっていません。今回、私たちの研究グループはMCH神経が記憶の制御に関わることを示す行動実験データを新たに得ております。このメカニズムに迫るため、MCH神経を脱落させたマウスの行動中の海馬活動の計測を行うことが次の重要なステップであると考えられましたが、当研究室には自由行動下の動物における細胞外記録・局所フィールド電位(LFP)記録の経験がございません。そこで、海馬からのテトロード記録について経験が豊富なMcHugh研究室に2018年3月5-9日・12-16日・19-23日の3週間にわたって滞在させていただき、当該技術の基礎を学ばせていただきました。研究室のポスドクである田中和正さんを中心に、技術員や学生さんにも、手取り足取り教えていただきながら、やっとのことでマイクロドライブを作成し、マウスにインプラントして、実際にタスク行動中のマウス海馬CA1領域から神経発火やLFPを記録することができました。McHugh研究室でのマイクロドライブの作成はかなりの部分がルーティン化されて、誰もが再現できるようにプロトコールも充実していました。ただ、3Dプリンタで独自に作成している部品もあり、他の研究室でゼロから立ち上げるには少しハードルが高いような印象を受けました。しかし、実際に一連の作業をして記録までたどり着いたことで、出版されている論文を読むだけではなかなか得ることが難しい知識や情報を実地に得ることができ、部品さえ揃っていれば自分だけでもできそうだと感じました。今回経験させていただいたことは、今後の自身の研究の発展に大いに寄与するものと存じます。
 最後に、本滞在を滞在を快く引き受けてくださり、ご指導に貴重なお時間を割いていただいたMcHugh先生、田中さんをはじめ、McHugh研究室の皆様、本支援制度に携わっている先生方に心より御礼申し上げます。

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平成29年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/2091/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/2091/#respond Mon, 09 Apr 2018 09:12:07 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=2091 派遣者:恩田 将成  申請者:小坂田 文隆(公募班)
    (名古屋大学 大学院創薬科学研究科 基盤創薬学専攻 創薬生物科学講座 細胞薬効解析学分野)
滞在先:松崎 政紀先生
    (東京大学 大学院医学系研究科 機能生物学専攻 生理学講座 細胞分子生理学)

 
 神経活動を記録する際に、古くから電気生理的手法が用いられてきた。この方法は一つの細胞から神経活動を記録することが可能であり、神経細胞の発火を正確に追うことができるという点で非常に優れている。しかし、多くの細胞種の活動を同時に記録するのは極めて難しく、長期にわたって同一の細胞の神経活動を記録することも難しいなどの限界があった。
 そこで私の所属する小坂田研究室では、大脳皮質における視覚情報処理経路を解析するために、多数の細胞種から同時に神経活動を記録することができ、かつ長期にわたった同一細胞の神経活動の測定を行うことのできる二光子顕微鏡を用いたカルシウムイメージングの系の確立を行ってきた。
 しかし、二光子顕微鏡を用いて神経活動を測定するためには、①マウスの頭骨をガラスに置換するcranial windowの作製、②二光子顕微鏡を用いた非侵襲的なイメージング手法、③数百の細胞から得られた3次元データの解析、などといった数多くの技術が要求される。
 そこで私はこれらの課題をクリアするために、研究室滞在支援制度を活用して、行動課題中のマウスから長期間にわたり二光子顕微鏡イメージングをされている東京大学大学院医学系研究科の松崎研究室に平成29年7月26日~27日の2日間滞在させていただいた。滞在期間中、松崎研究室の蝦名鉄平先生に御指導を頂いた。cranial windowの作製からカルシウムイメージングまでを一通り見学させていただき、実際に私が行ったカルシウムイメージングのデータについても解析方法を含めて御教授いただいた。滞在を通して現在の問題点も明らかになり、大変勉強になった。
 現在、当研究室で構築しつつあるカルシウムイメージングの系に、御教授を頂いた技術を導入し、改善を進めている。既にイメージングデータの向上が見られており、さらに改良と練習を繰り返すことで、一刻も早く覚醒下でのイメージングの実験系を完成させたい。今後は、当研究室で作製しているウイルスベクターや、行動実験とも結び付け、視覚情報処理経路の解明を行っていきたいと考えている。
最後に、ご多忙にも関わらず快く滞在を引き受けて下さいました松崎先生、直接御指導下さいました蝦名先生をはじめ研究室の皆様、さらに「適応回路シフト」領域代表の小林先生、研究支援委員会の礒村先生並びに領域の皆様に心より感謝申し上げます。



写真:左が恩田、右が蝦名先生。

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平成28年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/report/1939/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/1939/#respond Mon, 04 Sep 2017 05:30:57 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1939 派遣者(申請者):高橋 真有(公募班)
    (東京医科歯科大学)
滞在先:伊佐 正先生(計画班)
    (京都大学 生理学研究所)

 
 申請者らは、サッケード眼球運動生成・停止機構の詳細な神経回路を、ネコ・サルで、電気生理学的方法と解剖学的方法を用いて明らかにしてきた。これまでの研究により、サッケード座標系が従来の水平・垂直でなく、三半規管座標系であることを強く示唆する結果を得た。さらに両側上丘間に交連性抑制に加えて強い興奮性交連結合が存在することを発見した。
そこでこの上丘頭側部に存在する上丘間の交連性抑制と交連性興奮の機能を明らかにするため、この経路を選択的に遮断することが望まれたが、従来の薬物的方法では,経路選択的な機能遮断や可逆的機能遮断が不可能であった。そこで、本研究では、伊佐正教授(京都大学)らが、小林憲太先生(生理研)らと共同で開発した2種類のウィルスベクターを用いた2重感染法とDREADD法を組み合わせた経路選択的シナプス遮断法を用いて、経路選択的に上丘交連結合の障害を起こし眼球運動のセントラルドグマといわれる「Listingの法則」の神経機構を解明すると共に、サッケード随意眼球運動系が、前庭動眼反射系と同じ、三半規管座標系を用いていることを明らかにすることを目的とした。
 申請者の所属する東京医科歯科大学では、本実験を行う環境が整備されていないため、伊佐先生の研究室に滞在し、実験を遂行していくこととなった。

 
平成28年度前期
 サルに眼球運動を訓練し、上丘にウィルスベクターを注入して、選択的回路の機能をブロックして起こる眼球運動の変化を解析した。
 まず、マカクサルにイソフルレン麻酔下で無菌的手術を行い、headpostを頭骸骨に装着した後、眼球運動(固視と、12方向のvisually guided saccade)の訓練を行い、コントロールの眼球運動を、自作の赤外線ビデオ記録装置(サンプリング周波数 500HZ)を用いて計測し、Matlabを用いて解析プログラムを作成し、コントロールの眼球運動のパラメータの解析を行った。その後、MRI撮影で記録部位の座標を決めた後、麻酔下で無菌的にサル頭蓋骨に記録・刺激用のchamberを設置して、再度MRIを行った。
 サッケード中の上丘の単一神経活動の記録と、微小電流刺激を用いてサッケードを誘発することにより、上丘の頭側部の垂直性サッケードがコードされている部位を、電気生理学的なマッピングを系統的に行って同定し、正確にウィルスベクターの注入部位を決めた。その後、左上丘に高性能逆行性レンチウィルスベクター、右上丘に新たに開発された順行性のAAVベクターを注入した。その後2重感染が完成するのを待ちながら、サッケードの訓練などを再開した。その間、共同研究者の伊佐教授が生理学研究所から京都大学へ異動となったので、サルを京都大学へ移管し、以後の実験は京都大学で行うこととなった。

 
平成28年度後期
 京都大学動物実験施設にて実験を行うこととなり、生理研から京大に引越しを行い、新たにサル慢性実験の電気生理実験用のセットを構築しなければならないこととなった。従来使用していた伊佐研のTEMPOシステムの代わりに、NIHで使用しているREXシステムを用いて、プログラムを作成し直して新たなセットを構築した。
 再度サルにサッケードの訓練を行い、十分なコントロール実験の後、2017年の月より2週に1度のペースでCNOを投与し、選択的経路遮断前後の眼球運動を記録し、選択的に遮断された経路の機能的役割の解析を進めている。遮断実験が終了した際には、さらに、神経生理学的実験とラベルされた細胞に関する組織学的検索を行い、上丘間交連結合の機能を明らかにする予定である。

 
 伊佐研究室の充実した研究環境のおかげで、マカクサルで、ウィルスベクターの2重感染による特異的神経回路遮断法を用いた、眼球運動系の機能の解析を進めることができています。今後も継続して共同研究を行い、更に成果をだしたいと考えております。
 最後に、いつもお世話になっている伊佐教授、伊佐研の皆様、そして、東京から京都に出かけ研究室に滞在して実験をおこなうにあたり多大なご支援くださいました「適応回路シフト」領域代表の小林和人教授、及び研究支援委員会の先生方に厚く感謝申し上げます。

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【開催報告】大脳基底核の機能を考える-第40回日本神経科学大会シンポジウム(千葉県・幕張メッセ)--国際大脳基底核機能ワークショップ2017(東京都・玉川大学)- https://sips-jp.com/demo/acs/report/1907/ https://sips-jp.com/demo/acs/report/1907/#respond Mon, 04 Sep 2017 02:45:43 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1907 2017年7月下旬、第40回日本神経科学大会(千葉県・幕張メッセ)において、ドーパミンのシグナリングと回路メカニズムに関するシンポジウムと、大脳基底核と小脳の機能的カップリングに関するシンポジウムが開催されました。その後、二つのシンポジウムの講演者や参加者が玉川大学(東京都)に集結し、「適応回路シフト」領域の共催企画として、大脳基底核の機能の理解を一層深めるためのワークショップを開催いたしました。ここでは、これら一連の活発な学術交流の様子を、若手の会メンバー3名にレポートしてもらいます。

 
シンポジウム「Frontiers in Dopamine Signaling and Circuit Mechanisms」
(7月20日 オーガナイザー:小林和人・貝渕弘三)
このシンポジウムでは、中脳ドーパミン細胞と線条体に関して、分子・細胞レベルから個体レベルでのメカニズムまで幅広く発表が行われました。L.E. Trudeau先生(Univ. Montreal)は、腹側被蓋野の細胞から放出されるドーパミンとグルタミン酸の相互作用がシナプス可塑性において果たす役割について発表されました。E. Borrelli先生(Univ. California Irvine)は、線条体の中型有棘細胞とコリン作動性細胞のそれぞれに発現するD2受容体の異なる機能について報告し、このメカニズムの破綻と精神疾患の関係について議論しました。永井拓先生(名古屋大学)は、側坐核のD1受容体陽性細胞に注目し、ドーパミンによるプロテインキナーゼAおよびRap1シグナルを活性化と報酬関連行動の因果関係を明快に示しました。小林和人先生(福島県立医科大学)は、独自に開発した経路選択的破壊法により、刺激反応学習中に線条体内の異なる経路が異なる役割を果たしている事を報告しました。また木村實先生(玉川大学)は、線条体の2種類の出力細胞の神経活動を高い精度で分離・記録することで、それぞれの神経が柔軟な行動選択において果たす役割について報告しました。疋田貴俊先生(大阪大学)は、ドーパミンのD2受容体に異なるサブタイプが存在することに注目し、D2L受容体が行動の柔軟性に重要な役割を果たすことを報告しました。当日は、国内外から多くの方々にご参加頂き活発な議論が行われました。(報告:瀬戸川将)

 
シンポジウム「Basal Ganglia Meet Cerebellum」
(7月22日 オーガナイザー:礒村宜和・南部篤)
このシンポジウムでは、これまで別々に研究されてきた大脳基底核、小脳の機能的メカニズムを統合していく研究が紹介されました。まず、南部篤先生(生理学研究所)による大脳基底核、小脳研究の歴史の振り返りのあと、田中真樹先生(北海道大学)から、タイミングを図って運動するときには、大脳基底核と小脳は異なる時間スケールのタイミングをコードしているという、最新の研究結果が報告されました。つぎに、知見聡美先生(生理学研究所)は、運動の出力に関わる視床-大脳皮質投射ニューロンの神経活動が、大脳基底核、小脳それぞれからどのように制御を受けているのかを検証した研究を紹介されました。小島奉子先生(Univ. Washington)は、小脳依存性学習とされてきたサッケード速度の適応過程で、大脳基底核から上丘を介した小脳への情報伝達が重要であることを報告されました。最後に、大脳基底核と小脳の間に双方向性の様々な神経回路が明らかになった、K. Khodakhah先生(Albert Einstein College of Medicine)の最新の研究成果が発表されました。異なるシステムとして扱われてきた大脳基底核、小脳の機能的メカニズムを統合していく非常に挑戦的な内容のこのシンポジウムには、立ち見が出るほどの多くの聴衆が集まり、質疑応答でも活発な議論が行われました。(報告:吉田純一)

 
国際大脳基底核機能ワークショップ2017
(7月23日 オーガナイザー:礒村宜和・小林和人・南部篤・木村實)
このワークショップは、先のシンポジウムの講演者や参加者が玉川大学に集結して開催されました。最初のセッションでは、まず加藤成樹先生(福島県立医科大学)が講演され、視床のCL・PF核から線条体へのそれぞれの経路が運動時において異なる機能を持っていることを示されました。E. Borrelli先生は、細胞種特異的にD2受容体を欠損させたマウスにおける行動や遺伝子発現の変化を紹介されました。次のセッションでは、野々村聡先生(玉川大学)が、線条体のD1・D2ニューロンはそれぞれ正・負の報酬情報を持ち、行動選択においてStay・Switchを促進していることを示されました。L.E. Trudeau先生は、黒質緻密部のドーパミンニューロンの形態が様々な遺伝子の欠損や過剰発現によって変化することを紹介されました。その次のセッションでは、知見聡美先生が、行動中のサルにおいて淡蒼球・小脳から入力を受ける視床の細胞の活動の違いを紹介されました。M. Filipovic先生(Bernstein Center Freiburg)は、大脳皮質-線条体-視床の回路をシミュレーションした研究を紹介されました。K. Khodakhah先生は、小脳から腹側被蓋野への投射経路が快情動を引き起こしている可能性を示唆されました。最後のセッションでは、小島奉子先生が、黒質網様部から上丘に至る眼球運動に関わる回路のそれぞれの領域について、サッケード適応に果たしている機能を紹介されました。田中真樹先生は、小脳と大脳基底核が表現している時間情報の違いについて紹介されました。いずれの講演もたくさんの質疑応答が交わされ、充実した議論が行われました。(報告:川端政則)

 


 

 
共催:玉川大学脳科学研究所、新学術領域研究「適応回路シフト」・「オシロロジー」、大脳基底核機能研究会

 

(編集:小林・礒村)

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