ニュース – 行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構 https://sips-jp.com/demo/acs 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究:「行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構」(略称:適応回路シフト)に関するサイトです Wed, 11 Mar 2020 11:54:50 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.7.2 第4回「適応回路シフト」領域会議(冬の班会議) https://sips-jp.com/demo/acs/news/1524/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1524/#respond Wed, 28 Sep 2016 16:08:41 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1524 table, th, td {border: 1px solid black;}

※ 参加は事前申込制、領域関係者およびその教室員に対象を限定した、クローズドな会議です。

日時: 2016年12月19日(月)-12月20日(火)
    領域会議(冬の班会議)  12月19日  12:50~
                 12月20日   9:00~12:00
場所: 一橋講堂

事務局: 福島県立医科大学・医学部・生体機能研究部門
    新学術領域研究 「行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構」
    (適応回路シフト)
    福島県福島市光が丘1番地
    電話:024-547-1668 ファックス:024-548-3936
    電子メール:acs@fmu.ac.jp URL: http://www.fmu.ac.jp/acs/

 

第4回「適応回路シフト」領域会議(冬の班会議)プログラム概要
2016年12月19日(月)-12月20日(火) 於:一橋講堂
1日目
 12月19日
12:50-13:00  はじめに
 口頭発表(一人10分(発表8分、質疑応答2分))
 1 13:00-13:10  小林 和人 (福島県立医科大学)
 2 13:10-13:20  尾上 浩隆 (理化学研究所)
 3 13:20-13:30  小池 康晴 (東京工業大学)
 4 13:30-13:40  木下 正治 (弘前大学)
 5 13:40-13:50  小金澤 雅之 (東北大学)
 6 13:50-14:00  柳川 右千夫 (群馬大学)
 7 14:00-14:10  佐々木 拓哉 (東京大学)
 8 14:10-14:20  小坂田 文隆 (名古屋大学)
14:20-14:30  休憩 10分
 9 14:30-14:40  日置 寛之 (京都大学)
 10 14:40-14:50  井上 謙一 (京都大学)
 11 14:50-15:00  平田 たつみ(国立遺伝学研究所)
 12 15:00-15:10  磯村宜和 (玉川大学)
 13 15:10-15:20  藤山 文乃 (同志社大学)
 14 15:20-15:30  渡邉 大 (京都大学)
 15 15:30-15:40  八尾 寛 (東北大学)
 16 15:40-15:50  平林 敏行 (放射線医学総合研究所)
15:50-16:00  休憩 10分
 17 16:00-16:10  一瀬 宏 (東京工業大学)
 18 16:10-16:20  喜多村 和郎 (山梨大学)
 19 16:20-16:30  山本 亘彦 (大阪大学)
 20 16:30-16:40  藤田 一郎 (大阪大学)
 21 16:40-16:50  畠 義郎 (鳥取大学)
 22 16:50-17:00  宋 文杰 (熊本大学)
 23 17:00-17:10  宇賀 貴紀 (順天堂大学)
 24 17:10-17:20  本間 光一 (帝京大学)
 25 17:20-17:30  船水 章大 (沖縄科学技術大学院大学)
17:40-19:30  ポスター発表
2日目
12月20日
 1 9:00-9:10  松崎 政紀 (東京大学)
 2 9:10-9:20  川口 泰雄 (生理学研究所)
 3 9:20-9:30  伊佐 正 (京都大学)
 4 9:30-9:40  筒井 健一郎 (東北大学)
 5 9:40-9:50  相澤 秀紀 (広島大学)
 6 9:50-10:00  高橋 真有 (東京医科歯科大学)
 7 10:00-10:10  山中 章弘 (名古屋大学)
 8 10:10-10:20  木下 専 (名古屋大学)
10:20-10:30  休憩 
 9 10:30-10:40  高田 昌彦 (京都大学)
 10 10:40-10:50  山下 俊英 (大阪大学)
 11 10:50-11:00  玉巻伸章 (熊本大学)
 12 11:00-11:10  飛田 秀樹 (名古屋市立大学)
 13 11:10-11:20  坪井 昭夫 (奈良県立医科大学)
 14 11:20-11:30  武内 恒成 (愛知医科大学)
 15 11:30-11:40  佐野 裕美 (生理学研究所)
11:40-11:50  諸連絡
12:00-13:00  総括班会議
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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1524/feed/ 0
平成28年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/news/1512/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1512/#respond Wed, 24 Aug 2016 07:16:30 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1512 派遣者:疋島 啓吾  申請者:尾上 浩隆(計画班)
    (沖縄科学技術大学院大学 実験動物セクション)
滞在先:礒村 宜和先生(計画班)
    (玉川大学 脳科学研究所 礒村研究室)

 MRIを用いた脳機能イメージング(fMRI)は、神経活動に伴う酸素消費の増加と付随して起こる血流増加をBlood oxygenation level-dependent (BOLD) 信号として捉えることで非侵襲的に全脳スケールの脳活動を計測する。fMRIにより様々な運動や認知活動と対応する脳領域の関係が明らかにされているが、神経活動とBOLD信号の関係は脳領域で異なるなど不明な点が多い。
 ラットなどの実験動物を対象としたfMRIは、ヒトでは適用が難しい電極刺入によるユニットや局所フィールド電位の計測、またオプトジェネティクス技術を用いた神経活動の制御を併用することが可能である。これらの同時計測によって、神経活動とBOLDの因果関係を明らかにしBOLDの生物学的なメカニズムに迫ることができる。しかし、実験動物のMRIの多くは麻酔下で行われてり、麻酔下のfMRIでは覚醒下本来の脳活動は評価できない。さらに、MRI環境において、動物に行動課題を実施させ課題中の脳活動を計測することは容易ではない。
 本領域計画班の理化学研究所 尾上浩隆先生は、行動適応を担う神経回路の機能シフトを理解するために、神経回路活動を計測する非侵襲的イメージング技術の開発を進めている。尾上班では、げっ歯類の行動獲得や実行のプロセスで起こる脳活動を電気生理とともに観測するため、げっ歯類の覚醒下MRIや細胞外電位との同時計測、さらに行動課題中のMRIの確立を計画している。私は尾上先生の下、沖縄科学技術大学院大学の11.7テスラ動物用MRIを用いたげっ歯類のイメージングを担当している。
 そこで私はラット頭部固定下の電気生理実験やオペラント条件付け技術を習得するため、研究室滞在支援制度に申請し、玉川大学脳科学研究所 礒村研究室に平成28年6月21日から28日までの約一週間滞在させて頂いた。期間中、礒村研究室の相馬祥吾先生に、馴化の為のハンドリング、頭部拘束のための固定具の取り付け、オペラント条件付け、電極の挿入、電気生理学的記録手法やその解釈を懇切に教えて頂いた。また期間中、玉川大学では脳科学トレーニングコースが開催されていた。こちらは例年大変人気があるトレーニングコースであり、一部同席させて頂き大変勉強になった。
 礒村研究室の充実した研究環境でトップレベルの技術に触れ、極めて有意義な一週間を過ごすことができた。この貴重な経験により今後の実験にむけての自信に繋がった。今後、早急にラット行動課題中の同時計測MRIを実現させ、研究を展開するとともに、新学術の研究者が本システムを利用できるように整備したい。
 最後に、滞在を快く引き受けてくださり、ご指導に時間を割いて頂いた礒村先生、相馬先生をはじめ礒村研究室の皆様、そして申請の際にご支援頂いた尾上先生、本支援制度に携わっている先生方に心より感謝申し上げたい。

 


礒村研の皆さんとの楽しいひと時(右から3番目、疋島)

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1512/feed/ 0
第3回「適応回路シフト」領域会議(夏の班会議)・研究戦略ワークショップ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1285/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1285/#respond Fri, 17 Jun 2016 04:45:13 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1285 http://www.listel-inawashiro.jp/ )]]> table, th, td {border: 1px solid black;}

※ 参加は事前申込制、領域関係者およびその教室員に対象を限定した、クローズドな会議です。

日時: 2016年6月30日(木)-7月2日(土)
    領域会議(夏の班会議)  6月30日  14:00~
                 7月 1日   8:30~15:00
    研究戦略ワークショップ  7月 1日  15:00~
                 7月 2日   8:30~12:00
場所: ホテルリステル猪苗代
    福島県耶麻郡猪苗代町大字川桁リステルパーク
    ( http://www.listel-inawashiro.jp/

事務局: 福島県立医科大学・医学部・生体機能研究部門
    新学術領域研究 「行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構」
    (適応回路シフト)
    福島県福島市光が丘1番地
    電話:024-547-1668 ファックス:024-548-3936
    電子メール:acs@fmu.ac.jp URL: http://www.fmu.ac.jp/acs/

 

第3回「適応回路シフト」領域会議(夏の班会議)・研究戦略ワークショップ
2016年6月30日(木)-7月2日(土) 於:ホテルリステル猪苗代

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 6月30日
14:00-14:45  受付
14:45-15:00  はじめに 小林 和人 (領域代表)
 座長: 尾上浩隆 (理化学研究所)、平田たつみ (国立遺伝学研究所)
 1 15:00-15:20  A01 小林 和人 (福島県立医科大学)
 2 15:20-15:40  A02 平林 敏行 (放射線医学総合研究所)
 3 15:40-16:00  A01 柳川 右千夫 (群馬大学)
 4 16:00-16:20  A01 佐々木 拓哉 (東京大学)
 5 16:20-16:40  A01 櫻井 武 (金沢大学)
16:40-16:50  休憩 10分
 座長: 藤山 文乃 (同志社大学)、一瀬 宏 (東京工業大学)
 6 16:50-17:10  A01 小坂田 文隆 (名古屋大学)
 7 17:10-17:30  A02 礒村 宜和 (玉川大学)
 8 17:30-17:50  A02 濱口 航介(京都大学・渡邉班)
 9 17:50-18:10  A01 木下 正治 (弘前大学)
 10 18:10-18:30  A02 宋 文杰 (熊本大学)
18:30-18:45  「熊本地震とその後」
  宋 文杰 (熊本大学) 玉巻 伸章 (熊本大学)
18:45-18:55  写真撮影
18:55-19:30  ポスター発表
 総括班会議
19:45-21:45  懇親会
 7月1日
 座長: 渡邉 大 (京都大学)、山本 亘彦 (大阪大学)
 11 8:30-8:50  A02 本間 光一 (帝京大学)
 12 8:50-9:10  A02 船水 章大 (沖縄科学技術大学院大学)
 13 9:10-9:30  A02 岩里 琢治 (国立遺伝学研究所)
 14 9:30-9:50  A02 松崎 政紀 (東京大学)
 15 8:30-8:50  A02 川口 泰雄 (生理学研究所)
10:10-10:20  休憩 10分
 座長: 筒井 健一郎 (東北大学)、山下 俊英 (大阪大学)
 16 10:20-10:40  A02 吉村 由美子 (生理学研究所)
 17 10:40-11:00  A03 伊佐 正 (京都大学)
 18 11:00-11:20  A03 高橋 真有 (東京医科歯科大学)
 19 11:20-11:40  A03 高田 昌彦 (京都大学)
 20 11:40-12:00  A03 玉巻 伸章 (熊本大学)
12:00-12:20  休憩
 21 12:20-12:40  A03 飛田 秀樹 (名古屋市立大学)
 22 12:40-13:00  A03 佐野 裕美 (生理学研究所)
13:00-15:00  委員会からのお知らせ
 研究支援相談コーナーなど





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 7月1日
1  研究紹介 ~「適応回路シフト」の観測と操作を目指して~
15:00–15:25  喜多村 和郎(山梨大学)
15:30–15:55  小山 佳(東北大学)
16:00–16:25  疋島 啓吾(沖縄科学技術大学院大学)
 尾上 浩隆(理化学研究所)
2  チュートリアル ~「適応回路シフト」の理論的理解を目指して~
17:00–17:30  酒井 裕(玉川大学)
17:30–18:00  小池 康晴(東京工業大学)
18:00-21:00  夕食
3  研究談義(with 若手の会) ~若手研究者たちとの交流~
22:00-23:00  新進気鋭PIとの研究談義(若手の会)
 7月2日
4  教育講演 ~「適応回路シフト」研究のブレイクスルーを目指して~
9:00–9:50  山川 宏(株式会社ドワンゴ,NPO 法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
10:00-10:40  北田 一博(北海道大学)
5  研究紹介(with 若手の会) ~「適応回路シフト」の次世代研究者たち~
11:30-11:55  沖津 健吾(玉川大学)
11:55-12:00  総括(各種案内、アンケート・名札回収など)

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1285/feed/ 0
平成28年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/news/1376/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1376/#respond Mon, 06 Jun 2016 09:18:22 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1376 派遣者:石田 章真  申請者:飛田 秀樹(公募班)
    (名古屋市立大学 大学院医学研究科 脳神経生理学分野)
滞在先:相澤 秀紀先生(計画班)
    (広島大学 医歯薬保健学研究院 神経生物学講座)

 脳血管障害後には上肢・下肢の運動麻痺が高率に認められますが、これらの障害はリハビリテーションにより軽減されうる事が知られています。リハビリテーションによる運動機能の回復に関しては、その作用機序の解明を目指し精力的な研究が続けられていますが、関連が深い因子としてモチベーションが挙げられます。モチベーションの有無とリハビリテーションの効果が関連する事は経験的に知られてきましたが、近年の基礎研究により中脳ドーパミン神経系が中心的な役割を果すことが明らかになってきました。
 我々の研究グループは以前より脳出血後の集中的リハビリテーション効果について検討を行ってきましたが、今後の更なる展開を鑑み、覚醒下動物でのドーパミン測定法を確立したいとの希望がありました。そこで、本滞在支援制度を活用させていただき、広島大学 医歯薬保健学研究院神経生物学講座を主宰されている、本領域計画班の相澤秀紀先生のもとに、平成28年4月18日から23日までの1週間滞在し、覚醒下マウスにおけるfast-scan cyclic voltammetry測定に関する基礎的手法を学ばせて頂きました。具体的には、埋め込み電極の作成およびキャリブレーション法、マウスへの電極埋め込み、行動テスト時のドーパミン測定等です。電極の作成法については、中野高志先生を中心に大変ご丁寧にご教授頂きました。初めての経験であった上に生来の不器用さから、なかなか成功させることが出来ませんでしたが、親切にご指導いただき習得することができました。マウスへの電極埋め込みおよびドーパミン測定に関しては、Cui Wanpeng先生の実験を見学させて頂きました。内容に関しても都度ご解説いただき、十分に理解することが出来ました。また、私からの質問にもご丁寧にご回答頂き、理解を深めることが出来ました。相澤先生にも研究方法やアンプの作成法など様々なご示唆を頂き、研究領域全体としての理解も深まったように感じます。
 今後、この支援制度で得た経験をもとに、私達の研究室でも新たなチャレンジを行っていきたいと考えています。相澤研で学ばせていただいた技術や研究アイデアは、私たちの今後の研究の展開において、大いに寄与するものであると存じます。新しい学術論文が発表できるように、精一杯努力する所存です。

 最後に、この度の滞在を快く引き受けてくださり、ご指導に時間を割いていただいた相澤先生、Cui先生、中野先生をはじめ広島大学 医歯薬保健学研究院神経生物学講座の皆様、本支援制度に携わっている先生方に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1376/feed/ 0
平成28年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/news/1336/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1336/#respond Mon, 30 May 2016 04:42:05 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1336 派遣者: 西村 方孝  申請者:宋 文杰(公募班)
   (熊本大学大学院 生命科学研究部 知覚生理学分野)
滞在先: 礒村 宜和先生(計画班)
   (玉川大学 脳科学研究所 礒村研究室)

我々動物が、神経やその集合体である脳を使って“感覚”を生み出す仕組みの研究には長い歴史があり、各感覚を担う神経細胞の受容野に代表されるように、個々の神経細胞における感覚情報の符号化とその様式は多くが明らかにされてきました。しかし依然として、それら符号化された情報から最終的に“感覚”が生み出される仕組みには多くの不明な点が残されています。ヒトでは実験が困難な侵襲的な手法を用い、個々の神経細胞と“感覚”の関係を解明していくためには、その動物が今どのような“感覚”を有しているのかを明確にする必要があります。しかし一般的に、実験動物はヒトのように言葉でその“感覚”を実験者に伝えることができません。そのため、実験動物を用いてそれらの関係を解明していくためには、動物が自らその“感覚”を行動で示すように訓練させることが必要不可欠です。そこで知覚生理学分野では、モルモットでオペラント条件付けを行い、モルモットの“感覚”を高い精度で読み出すための方法を確立させました。その方法を用い、覚醒状態のモルモットから“感覚”と相関する神経細胞の活動を記録または操作を行ない、それらの関係の解明を目指していきたいのですが、長期的に脳から神経細胞の活動を記録する経験やノウハウが不足していました。
以上の背景を踏まえ、2016年5月18日から21日の間、覚醒動物でのユニット記録の経験が豊富な礒村研究室に滞在させていただき、実際の手術や計測に加えて、テトロードを作りプリアンプと電気的にコンタクトさせる方法等を細かく教えていただきました。知覚生理学分野のモルモットの標本と礒村研究室のラットの標本では、自由行動動物と頭部固定動物という違いがあるため、細部のアレンジは必要になるものの、暴露部の保護に使用する樹脂、脱着するコネクタ部分を長期間保護する方法等、出版されている論文を読むだけではなかなか得ることが難しい知識や情報を得ることができ、最終目標である自由行動動物からの記録を直ちに実現できるぐらいの具体的なイメージを形成することができました。知覚生理学分野の方では、先の地震による被害からの復旧作業(実験装置の復元)がまだ続いているため、礒村研究室で学ばせていただいたことを活かした研究成果の報告はもう少し先になる見込みですが、今回経験させていただいた諸々のことは、今後、知覚生理学分野の研究を発展させていく上での重要な礎になると確信しています。
最後になりましたが、礒村先生をはじめ、礒村研究室の皆様及び新学術領域「適応回路シフト」の関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。

磯村研究室での一コマ
礒村研究室での一コマ
(テトロードの作成と実際の骨標本を用いてのシミュレーション)
左:西村。右:学振PDの相馬先生。

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1336/feed/ 0
平成27年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/news/1187/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1187/#respond Wed, 02 Mar 2016 08:54:44 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1187 派遣者:小野里 尊  申請者:高橋 真有(公募班)
    (東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 システム神経生理学教室)
滞在先:伊佐 正先生(計画班)
    (生理学研究所 発達生理学研究系 認知行動発達機構研究部門)

随意性の眼球運動は、大脳における眼球運動中枢(上位中枢)からの運動指令が、脳幹の眼球運動中枢(下位中枢)を介して動眼筋を収縮させると考えられている。この大脳における中枢は前頭眼野(Area 8)として知られ、また脳幹における下位中枢に関しては、水平性眼球運動の中枢であるPPRFがA.Komatsuzakiらにより明らかにされている。さらに、垂直性眼球運動の下位中枢が中脳のriMLFであることがButtner-Enneverにより同定されている。

これらの中枢神経回路によりなされる急速眼球運動(サッケード)は、最も素早く、また精密におこる随意性運動である。多様な生物において、外界からの情報認知は適切な眼球運動により取得される視覚情報が大きな割合を占め、それらは高等な動物種であるほど顕著であると言える。特にサルやヒトでは眼球運動のみでの注視が可能であることが知られ、より下等動物における体幹運動を伴う注視とは明らかに異なる。以上のことから眼球運動が非常に高等且つ重要な運動制御機能であることが予測されるが、中枢神経系における制御回路は完全に解明されてはいない。特に、下位中枢と呼ばれる脳幹内の眼球運動制御回路機構の解析は、臨床的知見に基づき明らかにされてきたが、未だに個々の解剖学的構造間における相互関係は不明確な部分が多い。私の所属する研究室ではこれまで、急速眼球運動制御回路の詳細を、ネコ・サルを用いて電気生理学的および解剖学的解析を行ってきた。

本支援に採択を頂いたことで、運動制御研究のプロフェッショナルであり、本研究の共同研究者でもある生理学研究所 発達生理学研究系 認知行動発達機構研究部門 伊佐正教授のご指導のもと、大型動物(ニホンザル)におけるウイルスベクター注入実験や電気生理学的実験、またそれらのデータ解析の見学の機会を得た。大型動物の取り扱い方や手術法を学ぶ機会は非常に貴重な体験であった。また、東京医科歯科大学 システム神経生理学教室の高橋先生から本研究に関する直接的なご指導を多く賜り、生理学的な運動制御研究の複雑さやその重要性に関し、多くのことを学ぶことが出来た。大学院生の私にとっては、このような高次元の研究に触れることはとても良い刺激となった。とくに研究室内完結型の研究に比較し共同研究がパワフル且つスピーディに進むこと、そしてそれに伴う責任の重大性の一端に触れることが出来たことは、本支援における最大の収穫である。

最後に、本研究に際しご指導ご協力頂きました、伊佐先生並びに伊佐研の皆様、高橋先生および篠田先生に感謝申し上げると共に、貴重な機会を与えてくださった適応回路シフト領域の皆様に厚く御礼申し上げます。

 

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1187/feed/ 0
平成27年度 「適応回路シフト」研究室滞在支援制度報告 https://sips-jp.com/demo/acs/news/1200/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/1200/#respond Wed, 06 Jan 2016 09:00:35 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=1200 派遣者:井形 秀吉  申請者:佐々木 拓哉(公募班)
    (東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室)
滞在先:船水 章大先生(公募班)
    (沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 銅谷賢治研究室)

動物は日々、様々な状況で適切な行動を選びながら生活しています。こうした行動選択の性質を深く調べるために、私たちは、マウスに複雑な空間迷路課題を解かせて、最適な行動戦略をどのように学習するか解析しています。これまでに、課題の初期に多く探索行動をしたマウスほど、その後の学習成績が高いことを見出しました。こうした知見は、多変量の行動データを詳細に解析することで得られますが、同じデータでも、異なった学習理論や数理モデルを取り入れることで、新しい発見に繋がる可能性があります。そこで、本滞在支援制度を活用させていただき、沖縄科学技術大学院大学(OIST)神経計算ユニット(銅谷賢治先生主宰)の公募班・船水章大先生のもとに、2015年11月4日から17日までの2週間滞在し、マウスの行動試験データを用いて、モデルを立てる基礎を学ばせて頂きました。具体的には、マウスが迷路内で実際に通った経路を、強化学習の理論に当てはめて解析することです。マウスの内部パラメータ(報酬の価値など)を可視化したり、モデルとデータとの食い違いを見出すことで、マウスの行動について今までと異なる視点から考察するきっかけを掴むことができました。船水先生曰く、これらの解析結果をきちんと追究すれば、1つの学術論文として十分な研究成果になるとのことです。今後、この支援制度をもとに新しい学術論文が発表できるように、研究を継続していきたいと思います。また、これと併行して、神経細胞の発火パターンと行動を結びつけるベイズ推定の基礎も学ばせていただきました。具体的には、船水先生がこれまでに取得されたトレッドミル上を走るマウスのカルシウムイメージングのデータをもとに、神経細胞群の活動パターンから実際にゴールまでの距離を推定することができました。私たちの研究室でも、自由行動中の動物からマルチユニット記録を行い、多数の神経細胞の活動パターンから、動物の行動を予測するという研究を進めています。OISTで学ばせていただいた研究アイデアは、私たちの今後のデータ解析を進める上で、大いに参考にできることと思います。

最後に、この度の滞在を快く引き受けてくださり、指導に時間を割いていただいた銅谷先生、船水先生をはじめOIST神経計算ユニットの皆様、本支援制度に携わっている先生方に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


*写真はデータ解析についての議論風景(左、井形。右、船水先生。)。

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/1200/feed/ 0
第2回「適応回路シフト」領域会議(冬の班会議) https://sips-jp.com/demo/acs/news/682/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/682/#respond Wed, 02 Dec 2015 12:46:51 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=682 table, th, td {border: 1px solid black;}

※ 参加は事前申込制、領域関係者およびその教室員に対象を限定した、クローズドな会議です。

日時:平成27年12月16日(水)-17日(木)
開始時間:12時30分~
会場:東京医科歯科大学 M&Dタワー(東京都文京区湯島1-5-44)
事務局:福島県立医科大学・医学部・生体機能研究部門
    新学術領域研究 「行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構」 (適応回路シフト)
    福島県福島市光が丘1番地
    電話:024-547-1668 ファックス:024-548-3936

 

第2回「適応回路シフト」領域会議(冬の班会議)プログラム概要
平成27年12月16日(水)- 17日(木) 於:東京医科歯科大学
1日目 12:30-12:50  受付
 司会進行 :相澤 秀紀(広島大学)
12:50-13:00  はじめに  小林 和人(福島県立医科大学)
 座長 :礒村 宜和(玉川大学)、櫻井 武(金沢大学)
 1  13:00-13:20  A01 尾上 浩隆 (理化学研究所)
2  13:20-13:40  A01 小池 康晴 (東京工業大学)
3  13:40-14:00  A01 小金澤雅之、山元大輔 (東北大学)
4  14:00-14:20  A01 日置 寛之 (京都大学)
5  14:20-14:40  A01 井上 謙一 (京都大学)
6  14:40-15:00  A01 平田 たつみ (遺伝学研究所)
7 15:00-15:20  A02 藤山 文乃 (同志社大学)
8 15:20-15:40  A02 八尾 寛 (東北大学)
15:40-15:55  休憩
 座長 :渡邉 大(京都大学)、岩里 琢治(遺伝学研究所)
9 15:55-16:15  A02 榎本 和生 (東京大学)
10 16:15-16:35  A02 一瀬 宏 (東京工業大学)
 11 16:35-16:55  A03 山中 章弘 (名古屋大学)
12 16:55-17:15  A02 山本 亘彦 (大阪大学)
13 17:15-17:35  A02 藤田 一郎 (大阪大学)
14 17:35-17:55  A02 畠 義郎 (鳥取大学)
15 17:55-18:15  A02 宇賀 貴紀 (順天堂大学)
18:15-18:25  写真撮影
18:25-18:35  休憩 (ポスター貼り付け)
18:35-19:45  ポスター発表
 第4回総括班会議( 小会議室2 / M&Dタワー16階 )
2日目 8:30-9:00  受付
 座長 : 伊佐 正(京都大学/生理学研究所)、吉村 由美子(生理学研究所)
16 9:00-9:20  A03 筒井 健一郎 (東北大学)
17 9:20-9:40  A03 相澤 秀紀 (広島大学)
18 9:40-10:00  A02 喜多村 和郎 (山梨大学)
19 10:00-10:20  A03 木下 専 (名古屋大学)
20 10:20-10:40  A03 山下 俊英 (大阪大学)
21 10:40-11:00  A03 坪井 昭夫 (奈良県立医科大学)
22 11:00-11:20  A03 武内 恒成、松下 夏樹 (愛知医科大学)
11:20-11:45  評価委員より総評
 研究支援委員会からのお知らせ
  礒村 宜和(玉川大学)
 広報委員会からのお知らせ
  筒井 健一郎(東北大学)
 研究集会委員会からのお知らせ
  伊佐 正(京都大学/生理学研究所)
  藤山 文乃(同志社大学)
 おわりに
  小林 和人(福島県立医科大学)
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https://sips-jp.com/demo/acs/news/682/feed/ 0
研究戦略ワークショップ「Strategy for Neuroscience 2015」 https://sips-jp.com/demo/acs/news/512/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/512/#respond Thu, 16 Jul 2015 13:14:08 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=512 日程 2015 年9 月4 日(金)13:00~5 日(土)12:00 【会場】 玉川大学大学教育棟2014 610室(小田急線玉川学園前駅
より徒歩5分) 【交通・宿泊】 各自手配 【申込方法】 参加費無料(申込不要・受付でご記名ください)
懇親会費3,000円(要申込・受付払い)

※懇親会(初日夜)に参加ご希望の方は、8月21日(金)までに「適応回路シフト」事務局(acs@fmu.ac.jp)までメールでお申し込みください。領域外の研究者も歓迎します。

 

プログラム(予定)】(敬称略)
 94日(金)

13:00-13:10 礒村 宜和 玉川大学 はじめに

13:10-14:00

小林 和人

福島県立医科大学

経路選択的な神経回路操作技術

14:00-14:50

小坂田 文隆

名古屋大学

神経回路の構造と機能を対応付ける狂犬病ウイルストレーシング法

(休憩)

15:10-16:00

岩里 琢治

国立遺伝学研究所

新生仔バレル皮質における回路発達の二光子イメージング

16:00-16:50

吉村 由美子

生理学研究所

ラット視覚野の微小神経回路と同期発火性の経験依存的発達

(休憩)

17:00-17:50

尾藤 晴彦 東京大学 活動依存的回路の神経生物学 活性化細胞集団の操作・活動計測を目指して –
(懇親会)
要申込み

 95日(土)

9:00-9:50

櫻井 武

金沢大学

睡眠覚醒制御に関わる神経回路におけるオレキシンの役割

9:50-10:40

平林 敏行

放射線医学総合研究所

物体の表象・想起を司るサル側頭葉神経回路の計算原理

(休憩)

11:00-11:50

岡本 洋

富士ゼロックス()

全脳ネットワーク分析:要素間関係がつくる神経機能モジュールの解明

11:50-12:00

木村 實

玉川大学

総括

 

主催

新学術領域研究「適応回路シフト」
(領域代表:小林 和人)
玉川大学脳科学研究所

(問い合わせ先:isomura@lab.tamagawa.ac.jp 礒村 宜和)

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https://sips-jp.com/demo/acs/news/512/feed/ 0
第1回「適応回路シフト」領域会議(夏の班会議) https://sips-jp.com/demo/acs/news/252/ https://sips-jp.com/demo/acs/news/252/#respond Thu, 30 Apr 2015 11:42:15 +0000 http://www.fmu.ac.jp/acs/?p=252 http://www.grandeco.com/hotel_resort/ 内容: 計画・公募研究班の紹介(口頭とポスター発表) 参加資格: 領域関係者および関係者の教室員 IMG_4334ホテル外観_e IMG_4355磐梯山と五色沼_e]]> table, th, td {border: 1px solid black;}

※ 参加は事前申込制、領域関係者およびその教室員に対象を限定した、クローズドな会議です。

日時: 平成27年6月25日(木)-26日(金)
開始時間:12時45分~
場所: ホテルグランデコ(福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山)
(会場:グランデコスキーセンター 西ウィング)
TEL:0241-32-2530
http://www.grandeco.com/hotel_resort/
内容: 計画・公募研究班の紹介(口頭とポスター発表)
参加資格: 領域関係者および関係者の教室員

 

第1回「適応回路シフト」領域会議(夏の班会議)プログラム概要<暫定版>
平成27年6月25日(木)- 26日(金) 於:ホテルグランデコ
1日目 12:45-12:50  はじめに  小林和人
12:50-12:55  挨拶    大塚稔久
12:55-13:00  会議説明  小林和人
1 13:00-13:12  小林和人 (福島県立医科大学)
2 13:12-13:24  尾上浩隆 (理化学研究所)
3 13:24-13:36  小池康晴 (東京工業大学)
4 13:36-13:48  A01・1 木下正治 (弘前大学)
5 13:48-14:00  A01・2 小金澤雅之 (東北大学)
6 14:00-14:12  A01・3 柳川右千夫 (群馬大学)
7 14:12-14:24  A01・4 佐々木拓哉 (東京大学)
8 14:24-14:36  A01・5 櫻井武 (金沢大学)
9 14:36-14:48  A01・6 小坂田文隆 (名古屋大学)
10 14:48-15:00  A01・7 日置寛之 (京都大学)
11 15:00-15:12  A01・8 井上謙一 (京都大学)
12 15:12-15:24  A01・9 平田たつみ (遺伝学研究所)
15:24-15:36   休憩(12分)
13 15:36-15:48  礒村宜和 (玉川大学)
14 15:48-16:00  藤山文乃 (同志社大学)
15 16:00-16:12  渡邉大 (京都大学)
16 16:12-16:24  A02・1 八尾寛 (東北大学)
17 16:24-16:36  A02・2 榎本和生 (東京大学)
18 16:36-16:48  A02・3 平林敏行 (放射線医学総合研究所)
19 16:48-17:00  A02・4 一瀬宏 (東京工業大学)
20 17:00-17:12  A02・5 喜多村和郎 (山梨大学)
21 17:12-17:24  A02・6 山本亘彦 (大阪大学)
22 17:24-17:36  A03・1 武内恒成 (愛知医科大学)
17:36-17:41  研究支援班委員会からのお知らせ(礒村)
17:41-17:46  広報委員会からのお知らせ(筒井)
17:46-17:56  写真撮影
17:56-18:56  ポスターセッション / 総括班会議
19:30-21:00  懇親会 立食形式
2日目 1 8:00-8:12  A02・7 藤田一郎 (大阪大学)
2 8:12-8:24  A02・8 畠義郎 (鳥取大学)
3 8:24-8:36  A02・9 宋文杰 (熊本大学)
4 8:36-8:48  A02・10 宇賀貴紀 (順天堂大学)
5 8:48-9:00  A02・11 本間光一 (帝京大学)
6 9:00-9:12  A02・12 船水章大 (沖縄科学技術大学院大学)
7 9:12-9:24  A02・13 岩里琢治 (遺伝学研究所)
8 9:24-9:36  A02・14 松崎政紀 (基礎生物学研究所)
9 9:36-9:48  A02・15 川口泰雄 (生理学研究所)
10 9:48-10:00  A02・16 吉村由美子 (生理学研究所)
10:00-10:12   休憩(12分)
11 10:12-10:24  伊佐正 (生理学研究所)
12 10:24-10:36  筒井健一郎 (東北大学)
13 10:36-10:48  相澤秀紀 (東京医科歯科大学)
14 10:48-11:00  A03・2 高橋真有 (東京医科歯科大学)
15 11:00-11:12  A03・3 山中彰弘 (名古屋大学)
16 11:12-11:24  A03・4 木下専 (名古屋大学)
17 11:24-11:36  A03・5 高田昌彦 (京都大学)
18 11:36-11:48  A03・6 山下俊英 (大阪大学)
19 11:48-12:00  A03・7 玉巻伸章 (熊本大学)
20 12:00-12:12  A03・8 飛田秀樹 (名古屋市立大学)
21 12:12-12:24  A03・9 坪井昭夫 (奈良県立医科大学)
22 12:24-12:36  A03・10 佐野裕美 (生理学研究所)
12:36-12:41  評価委員よりコメント(1名)
12:41-13:30  昼食
13:30-15:00  研究支援相談等 (研究支援相談コーナー 礒村他)

 

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