FUKUSHIMAいのちの最前線
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84 このたびの東日本大震災でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げると共に、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。 震災後、病院や避難所などで多くの被災者の方々とお話する機会がありますが、その中でも特に、放射能におびえる家族をそっと抱きしめ、また、家が流されて落ち込んでいる別の家族をしわだらけの手でさすって一緒に涙を流す、お年寄りたちの姿に強い感銘を受けました。まさに医の原点である“手当て”の大切さを、人生の先輩達から教えられている気がしています。 また外来でも持病を抱えて辛いはずの私の患者さんから、「先生、大変でしょう。ご苦労様」と、逆に私の方が気遣われ、思わず涙ぐんでしまうことも多くあります。 そんな多くの人生の師匠達に感謝しながら、医師として一人でも多く被災された皆さんの健康を守ることができるよう、今後も精一杯努力したいと強く思います。人生の師匠に感謝坂本 信雄 Sakamoto Nobuo循環器・血液内科学講座 助教 今回の東日本大震災においてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。 私は震災発生時には緊急手術のため手術室におりました。これまで経験したことのない長く激しい揺れに驚き、直ちに手術を終了するとともに、災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として県庁内の県災害対策本部にて情報収集を開始しました。 県庁自体も被災したためかなり混乱し、医療関連の問い合わせが夜通し続く戦場のような光景でした。 その後原発事故対応のため、避難圏内の患者搬送にも従事しましたが、過去に例のない広域搬送ができましたのも自衛隊、消防、警察、海保、行政、医療等々関連各部署の連携と団結によるものと考えます。 日本人の強さである団結力を持って困難にともに立ち向かっていきましょう。明日に向かって土屋 貴男 Tsuchiya Takao臓器再生外科学講座 講師 この度の震災で被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。 発災後に、私どもは、福島県庁内にある県災害対策本部に派遣され、避難地域内の医療機関に入院されていた患者様、老人福祉施設に入所されていた方の域外への移送計画の立案、実施、避難所で生活を余儀なくされている方への医療支援調整などを行っています。 皆様も、テレビなどでご覧になったと思いますが、県災害対策本部は騒然としており、初めて足を踏み入れた時は、その熱気、雰囲気に圧倒されました。ここでは、県庁職員の皆様が、住民避難、安全確保、物資調達などのため、さらに全国各地から参集した自衛隊、消防、警察、海上保安庁の皆様が住民避難、復興支援などのため、文字通り不眠不休で活動しています。 ここにおりますと、私たちの医療が、多くの方のサポートによって成り立っていることを再認識させられます。そして、何よりも、私たち福島県民には、多くの頼もしい「ふくしま応援団」がついていてくれることを実感することが出来ます。 元気を下さる皆様に感謝!ふくしま応援団福島 俊彦 Fukushima Toshihiko器官制御外科学講座・医療工学講座 准教授私たちからのメッセージ「災害医療の現場でがんばっています!」

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