FUKUSHIMAいのちの最前線
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3 次世代への教訓は、まず、災害に強い病院を再構築する必要があります。全国民がそのコストを分かち合うべきです。第2に、リーダーのあるべき姿とは何かを国民が立ち止まって考える時です。科学的合理性を越えた時の対応には、ぶれずに、踏み止まり、そして立ち続けることが求められます。トップには、部下や関係者への明確なメッセージが求められます。第3に、支援する側への支援体制の整備を急ぐ必要があります。第4に、有事での情報発信の在り方や国民の連帯の在り様を見直す必要があります。最後に、支援する側への感謝の気持ちを伝達することが重要です。これにより支援する側は頑張れます。 地域や現場に悪い影響を及ぼしたのは、匿名での誹謗、中傷でした。特に、被災していても支援する側に居る人達への、被災者の非難は惨むご過ぎます。有事では、匿名での言動は無責任で、卑怯です。有事では、各人が一生背負っていく覚悟での言動が求められます。 誰もが経験のない原発事故との斗たたかいは、今始まったばかりです。本学に課せられた歴史的使命を、我々はこれから世代を継いで、担っていかなければなりません。それが県民、国民、そして人類に対する本学の果たすべき役割であるとの認識を前にして、我々はその遂行の大切さと困難さを覚悟しております。 最後に、この一年間、国内外での有形無形の御支援に本学を代表して御礼申し上げます。福島県立医科大学理事長兼学長菊地 臣一出典:Practice of Pain Management 2012 6 vol.3 №2

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