FUKUSHIMAいのちの最前線
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第4章患者救済に奔走した活動記録〈論文・研究発表〉FUKUSHIMA いのちの最前線445薬品・器材を中央付近に集約させたところです。その後、患者対応のため、日勤者全員が待機しました。この日予定されていた定時手術は中止になり、損傷が少なかった5部屋を震災による負傷者対応に準備しました。当院は通常、歩行入室を行ってなく、手術台で患者の入退室の搬送を行っていました。地震による手術台支柱の損傷はありませんでしたが、余震が強く、今後損傷して動かなくなってしまうことを想定し、手術台を固定しました。薬品庫・器材庫への動線をなくすためサプライホール中央に薬品・器械を集約させました。その後夜間は手術も他部門への応援依頼もなく朝を迎えました。しかし、手術を必要とする患者はきませんでした。日勤者は21時まで待機し、当直者ほか日勤者4名を残し、22時に解散しました。発災後翌日の昼ごろより、地震・津波による被災者の手術が行われました。病院会計窓口前に設置したベッドも使用することなく一晩が過ぎていきました。

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