FUKUSHIMAいのちの最前線
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第4章患者救済に奔走した活動記録〈論文・研究発表〉FUKUSHIMA いのちの最前線435被災地の大学病院からの報告公立大学法人福島県立医科大学附属病院 助産師長 津田 裕子2012年2月4日東日本大震災をうけて─周産期における災害対策シンポジウム─はじめに、福島医大の紹介をさせていただきます。当院は福島県の北部に位置する県内唯一の大学病院です。診療科30、病床数は778床です。災害拠点病院、二次被曝医療機関、ドクターヘリの運航もしております。総合周産期母子医療センターは、MFICU6床、NICU9床、GCUが8床です。MFICU6床と、産科を主とする3階西病棟31床と新生児室、分娩室を1人の師長が管理しております。分娩件数は2010年415件、2011年は365件でした。2011年は、原発の影響もあり、十数%の減少がありました。2011年3月11日14時46分、東日本大震災は起こりました。福島市は震度5強、県内最大震度は6強でした。マグニチュードは9.0、揺れは6分間、そして大津波、福島第一原発の全電源が喪失しました。災害時における福島医大の役割としては、災害基幹病院としての役割と災害拠点病院としての役割があります。地震後は直ちに、対策本部の立ち上げや急性期医療チームの受け入れなど、県の災害医療の統括と救急医療の拠点として外傷患者の受け入れを行いました。そして、原発事故が起きてからは、避難区域の患者の受け入れや、当院を中継しての搬送移動も行われました。さらには、二次被ばく医療機関として緊急被曝医療体制も整えられました。福島県の災害拠点病院です。ここが福島医大です。福島県には8か所あります。

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