FUKUSHIMAいのちの最前線
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382フクシマの教訓─放射能被ばく事故に学ぶこころのケアでは27.3%,いわき地域では23.3%,会津・南会津地域では4.8%,県外からの入院患者では0%であった(図4)。2.期間内に入院した全患者のうち,放射線被ばくへの恐れが入院と関連があるとされた74人についての調査結果 放射線被ばくへの恐れが入院と関連があるとされた患者の年齢分布は10歳~19歳が6人(8.1%),20歳~29歳が12人(16.2%),30歳~39歳が9人(12.2%),40歳~49歳が16人(21.6%),50歳~59歳が18人(24.3%),60歳~69歳が6人(8.1%),70歳~79歳が4人(5.4%),80歳~89歳が2人(2.7%),90歳以上が1人(1.4%)であった。また,性別では男性31人(41.9%),女性43人(58.1%)であった。 自宅被災の有無については自宅被災ありの患者が16人(21.6%),自宅被災なしの患者が58人(78.4%)であった。入院前の生活状況は自宅で生活していた患者が43人(58.1%),避難所で生活していた患者が25人(33.8%),親戚宅などのその他が6人(8.1%)であった。 震災前の精神科診断はICD-10分類でF0(症状性を含む器質性精神障害)が6人(8.1%),F1(精神作用物質使用による精神および行動の障害)が1人(1.4%),F2(統合失調症,統合失調症型障害および妄想性障害)が32人(43.2%),F3(気分(感情)障害)が16人(21.6%),F4(神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害)が7人(9.5%),その他の疾患の患者が3人(4.1%),震災前に精神科受診歴がなかった患者が9人(12.2%)であった。 入院時状態像は幻覚妄想状態が28人(37.8%),錯乱状態が8人(10.8%),躁状態が8人(10.8%),うつ状態が8人(10.8%),神経衰弱状態が7人(9.5%),緊張病状態が1人(1.4%),せん妄状態が3人(4.1%),認知症症候群が5人(6.8%),その他が6人(8.1%)であった。 入院時診断はICD-10分類でF0(症状性を含む器質性精神障害)が10人(13.5%),F1(精神作用物質使用による精神および行動の障害)が2人(2.7%),F2(統合失調症,統合失調症型障害および妄想性障害)が36人(48.6%),F3(気分(感情)障害)が15人図4 地域ごとの全入院患者に対する放射線被ばくへの恐れが入院に関連していたとされる患者の割合 (各地域の入院のうち放射線被ばくへの恐れが入院に関連していた患者数÷各地域の全入院患者数)

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