FUKUSHIMAいのちの最前線
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368福島県立医科大学耳鼻咽喉科 松塚 崇福島医大県内避難所支援について 耳鼻咽喉科は高度医療緊急支援チームの中の小児・感染対策チームに属し、小児科・眼科の医師や感染制御部、理学療法士、看護師、事務のチームに加わりました。 3月31日に小児・感染対策チームは心のケアチームとともに3か所の避難所を訪問しました(表2)。心のケアチームには他県からの応援の医師に加わっていただき大変心強かったです。最初に訪れたあづま運動公園には医師会災害医療チーム(JMAT)が常駐しており、同日訪れた3施設すべてには県薬剤師会が常駐していました。JMATが常駐する避難所、巡回している避難所では診療室としての機能が備えられていました。診療室には診療時間が定められており、診療待ちの患者さんが多数いました。約半数が上気道炎症状・耳鼻咽喉科領域の症状を訴えている状況で、JMATチームと相談し耳鼻科はJMATチームの診療ブースの一部をお借りし、JMATの診療録(氏名・住所から数回の医師記録、処方などの指示簿までを1枚の紙に収めたもの)で診療を行いました。巡回中は派遣スタッフ同士も連絡が取りにくく、携帯電話は大変重宝しました。 平成23年3月11日に生じた震災被害が院内において復旧しつつあるなか、津波・原発事故のために避難所へ避難された住民は2万8千人を超え、県内に302か所の避難所が設置されました(平成23年4月1日現在、福島医大調べ)。避難所を含めた県内の医療事情は混乱し薬剤の入手・処方も困難であったため、福島医大は3月28日より県内の災害地に対する医療派遣チーム(表1)を緊急編成しました。自治体等各機関と協力し、開始当初は今後の対応についての状況確認を主な目的にいわき地区を重点に派遣し、3月31日より専門チームでの県内全体の避難所派遣が始まりました。表1:福島医大県内避難所支援◦高度医療緊急支援チーム 小児・感染対策チーム(耳鼻咽喉科・眼科)エコノミークラス症候群チーム心のケアチーム循環器疾患チーム◦避難所保健支援チーム◦コンサルテーションチーム◦専門的医療アドバイスチーム小児・感染対策チームと心のケアチーム(平成23年3月31日)

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