FUKUSHIMAいのちの最前線
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364地震、津波、原発 そして今〜複合災害からの教訓〜大学玄関前に、除染用のテントが張られ、防護服を着た係員が待機するようになりました。これで、被曝医療への対応が整い、3月24日の原発作業員被曝者の受け入れに当たっては隊員方たちが対応しました。今回の原発事故では、地元の医療機関から福島県立医大、また保健所などのすべての医療機関で、被曝医療は全く初めての体験でした。原子力災害では、住民の方は必ず医療機関を頼ってこられますから、原子力災害が想定される地域では、医療機関の準備が必須です。また原子力災害は、災害地域にとどまらずその影響は極めて広範囲となります。したがってその対応は、近隣にとどまらず、県レベルまたは県をまたいだ広い範囲での対応をしておくべきことを痛感しました。巡回診療の写真です。相馬市は宮城、岩手と同様に大きな津波の被害をうけていました。小学校などの避難所を数カ所、巡回診療しました。避難所では放射能汚染にも配慮し、このような張り紙がありました。眼科における避難所対応です。震災後1週間の時点で浜通りのいわき市では一部の診療所、病院が診療を再開しているという情報が入りました。ところが北部の相馬市、南相馬市では診療所が再開されていなかったため、福島医大からは相馬地区への巡回診療を行うことにしました。被曝の可能性も考慮し、急遽調達した簡易線量計を持って巡回診療に当たりました。

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