FUKUSHIMAいのちの最前線
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第4章患者救済に奔走した活動記録〈論文・研究発表〉FUKUSHIMA いのちの最前線32912日は14.7件,13日は15.1件,14日は15.1件となる。こうしてみると,月次推移とは数字が大きく異なり,震災直後の地元検案医師の負担がいっそう明瞭となる。 そこで,福島県における震災後数日間の各地域での検案業務の実態をより明らかにするため,各地域での検案数と検案医師教を比較した。 地域区分は,今回構築された検案体制に則った4地域である。1)相馬警察署管内:相馬市,新地町。なお,検案場所となった旧県立相馬女子高校体育館,元アルプス電気株式会社社屋は相馬市にある。2)南相馬警察署管内:南相馬市。なお,検案場所となった県立原町高校体育館,南相馬市スポーツセンターは南相馬市にある。3)いわき地区(いわき中央警察署管内,いわき東警察署管内,いわき南警察署管内):いわき市。なお,検案場所となった上荒川総合運動公園プール管理棟(いわき中央警察署管内),小名浜武道館(いわき東警察署管内),勿来市民会館(いわき南警察署管内)はいずれもいわき市にある。4)警戒区域(双葉警察署管内):浪江町,双葉町,大熊町,富岡町,楢葉町,広野町,並びに,海岸線のない周辺の警戒区域内市町村。なお,検案場所となった津島中学校体育館は浪江町にあり,元アルプス電気株式会社社屋は相馬市にある。 参考までにこれら地域の検案場所を図2に示す。ちなみに図2の各検案施設の開設期間は公式発表されたものである。これら施設の中には震災後まもなく検案業務が行われなくなったところもある。例えば,原町高校体育館での検案は南相馬市スポーツセンターヘ全面移転したし,4月9日新たに検案施設として開所した津島中学校体育館は,周辺の放射線量が高いために開所後まもなく閉鎖されている。そのため,警戒区域(浪江署管内)からの収容遺体は,検案業務や遺体安置場所が広く確保できる相馬市の図3 福島県4地域の検案数と医師数の月次推移(3−9月)図3.3 いわき市図3.1 相馬市、新地町図3.4 避難区域図3.2 南相馬市

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