FUKUSHIMAいのちの最前線
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第3章放射能との闘いFUKUSHIMA いのちの最前線201特集にあたってクシマではこのように困惑するという事態が多数発生した。 この特集では, ①まずフクシマ原発事故の被災者,支援者の立場から,精神科医療に何が起きたか,被災者のこころはどのようなものか,について現場から情報を発信していただく。 ②日本の原発の状況と起こりうる原発事故による災禍と放射能被ばく事故についての基礎的知識を提供いただく。 ③原発事故などの災禍と放射能被ばくについての世界と日本の実例から,精神的傷害の実際とそのケアのあり方について整理していただく。 ④精神科医療施設が原発事故などの災禍を受けた時の対応行動の指針を示していただくことを目指したい。 そのために,①については, 1)福島第一原発から30㎞圏内にあるために3月17日に入院患者移送・病院閉鎖を余儀なくされた雲雀ケ丘病院を運営する金森和親会の熊倉徹雄先生(針生ケ丘病院)に病院ごと避難は実際にどのようになされたのか報告いただく。 2)大震災と原発事故のあとの精神科入院患者の動向はどうであったかについて,和田明先生(福島医大病院・心身医療科)に報告いただく。 3)福島第一原発事故のため元の住まいを追われ戻るあてなく彷徨っている5万人を超える人々(11年7月10日現在)のこころについて,支援に入り支援者の心のケアにもあたっておられる小西聖子先生(武蔵野大学)に報告いただく。 ②については, 4)日本の原発の実情と,原発事故が起きた場合にはどのような放射能被ばく事故がありうるか,それに対する対応指針は何かを,富永隆子先生(放射線医学総合研究所)に情報提供いただく。 ③については, 5)原発事故などの災禍と放射能被ばく事件を世界の実例について紹介いただき,その際の精神的障害はどのようなものかについて中根秀之先生(長崎大学)に述べていただく。 6)原発事故が起きた場合に放射能被ばくを避けるための行動指針,その時のこころのケアをどう進めるかなどにつき,放射線医学総合研究所のマニュ3 特集の目指すもの図4 日本の原発の稼働状況 (2011年7月時点,共同通信社作成)

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