FUKUSHIMAいのちの最前線
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第3章放射能との闘いFUKUSHIMA いのちの最前線167図1 福島県立医科大学医学部自然科学講座(物理学)教授室NaIシンチレーションカウンター4時間毎の全計数率3月11日(金)14時46分「東北地方太平洋沖地震」発生 地震発生前後の時系列福島県立医科大学構内環境放射線測定結果と屋外活動について(平成23年4月28日現在) 平成23年3月11日の東日本大震災、それに続く太平洋岸の津波災害、さらには東京電力福島第一原子力発電所の原子力災害に対し、福島県立医科大学は、医学部、看護学部、附属病院が一丸となり対応して参りました。 福島県立医科大学および附属病院は、震災による物的損害は軽微でした。医学部・看護学部は、避難地区からの退避患者の救護活動や、避難所における医療・保健活動等を行うとともに、大学構内の環境放射線量のモニタリングを実施して参りました。また、附属病院は、高次災害医療を提供するため、震災直後は平時の主要目的である高度医療を一部制限しておりましたが、3月下旬には災害対応がほぼ終了し、4月からは全診療科において外来、入院ともに通常の診療体制に復帰しております。 福島県定点における環境放射能測定結果を見ると、福島市(屋外)の放射線量は、平成23年3月15日に24μSv/時とピークになり、その後は徐々に低下し、4月15日には2μSv/時を切り、4月28日現在の放射線量は1.6μSv/時と、最大値の6.7%まで低下しています。 福島県立医科大学医学部自然科学講座物理学教室(4階の屋内)においてNaIシンチレーションカウンターにて環境中γ線量を測定した結果を図1に示します。地震発生後しばらくは平常値を維持しましたが、3月15日に計数率(1000カウント/秒≒1μSv/時)が突然約2000カウントまで上昇し、その後は徐々に低下しています。4月28日現在のカウントは平時の1.73倍、最大値の20.9%まで減衰しており、半減期は16.1日です。 福島県立医科大学構内の屋内・屋外において、学生が活動すると考えられる場所を31地点選定し(図2)、平成23年4月11日と27日に、NaIシンチレーションカウンターを用いて地上あるいは床より100㎝における環境中放射線量を計測しました(表)。屋外では、講堂や講義棟が面する中庭では1.8μSv/時から1.5μSv/時に、学生駐車場では1.0μSv/時から0.9μSv/時に、陸上競技場では3.0μSv/時から2.0μSv/時に、野球場では2.3μSv/時から2.1μSv/時に、それぞれ低下していました。屋内は0.1−0.3μSv/時と低く、屋外のおおよそ1/10でした。今後福島県立医科大学公式ホームページ 2011年5月2日掲載

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