FUKUSHIMAいのちの最前線
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164冠省 3月11日に発生した巨大地震と引き続いて発生した津波による甚大な被害、また東京電力福島第一原子力発電所損傷による放射性物質拡散にはご心配のことと存じます。 福島県立医科大学の建造物や諸設備には被害は殆ど発生しませんでしたが、水道供給が止まり、病院機能は一時的に制限せざるを得ませんでした。その後、3月18日には水道も復旧し、22日からは病院機能はほぼ回復します。教育研究設備には損害は生じておらず、大学が所在する福島市の被害は小さく、市民生活はほどなく回復するものと思われます。現在大学の力を結集し、本学の教職員および学生は勿論のこと、全国から応援に駆けつけた医療チームとともに一丸となってこの災害に立ち向かい、力を尽くしているところです。 本学に課せられた使命はこのような未曽有の災害、とりわけ原発災害を医学・医療の面から科学的に検証し、世界に向けて情報を発信し、次世代を守り、日本の将来の創造に貢献することと考えています。本学教職員の士気は高く、学生の皆さんには最善の教育を、研修医・専攻医の皆さんには最善の研修を保証すると共に、危機災害を乗り越えた先にはすばらしい将来が皆さんの前途にあることを心から信じています。 現時点で、見通しは明確ではありませんが、専門家によれば(資料)、放射性物質によって健康被害が生じる可能性は無いということです。学生・研修医・専攻医と保護者の皆さまには冷静にご対処くださるようお願い申し上げます。なお、ご質問やご相談は下記にご連絡いただければ、対応させていただきます。平成23年3月22日 【問い合わせ先】新入生・在学生の問い合わせ学生課 教務係(医学部担当) 024-547-1095 e-mail:gakuseik@fmu.ac.jp (看護学部担当) 024-547-1806 e-mail:kyoumu2@fmu.ac.jp研修医・専攻医の問い合わせ福島県立医科大学 医療人育成・支援センター 024-547-1047 e-mail:CMECD@fmu.ac.jp福島県立医科大学新入学生と保護者の皆さまへ福島県立医科大学在学生と保護者の皆様へ福島県立医科大学新臨床研修医・専攻医と保護者の皆様へ福島県立医科大学 学長 菊地 臣一 福島県定点および福島県立医科大学における環境放射能測定結果(表1)を見ると、平成23年3月11日に発生した東北・関東大震災の後、3月12日の20時に初めて南相馬市において環境放射能が17μSv/時と上昇し、21時に20μSv/時とピークになり、23時に10μSv/時を切り、以後徐々に低下して、現在は3μSv/時となっています。いわき市においては、3月15日1時に4μSv/時と上昇が見られ、4時に24μSv/時とピークを迎え、5時には10μSv/時を切り、現在は1μSv/時まで低下しています。両市においては環境放射能が10μSv/時以上となった時間は3~4時間でした。これに対し福島市においては、3月15日16時より2μSv/時と上昇しはじめ、17時に20μSv/時を超え、3月16日1時までの7~8時間、20μSv/時前後が続きました。以後、徐々に低下傾向を示していますが、現在においても屋外では8μSv/時程度の濃度です。(表2)。これら屋外における測定結果に対し、屋内においては明らかに低く、0.2~1μSv/時です。 図1は、福島県立医科大学医学部自然科学講座物理学教室(4階の屋内)にてNaⅠシンチレーション福島県における環境放射能の推移(平成23年3月21日現在)福島県立医科大学公式ホームページ 2011年3月23日掲載

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