FLAG 0501-I

PET陽性縦隔リンパ節転移を有する臨床病期IIIA期非小細胞肺癌に対するS-1+CDDPによる術前導入化学療法の多施設臨床第II相試験


本試験はすでに肺癌に対して2004年に認可を受けたS-1という薬剤とこれまで肺癌に対して広く使用されてきたシスプラチンという薬剤を組み合わせて,手術前に使用することでその効果について調べようとするものです.進行切除不能肺癌の患者さまに対してはこの治療法はすでに行われておりその安全性および効果について(これまでのこの治療に関するデータでは47%の効果が報告されており,従来の肺癌に対する化学療法の一般的データに比べ高いものとなっています.)は確かめられておりますが,手術との組み合わせについてのデータはなく,安全性についても厳重にチェックを行うことはいうまでもありません.また,今回検査項目として使うFDG-PETは近年各種癌の診断に広く利用されるようになった検査です.いわゆる核種を利用した検査ですが,その半減期は非常に短く,安全性についてはすでに確認済みの検査です.肺癌においては進行度診断,再発診断に広く利用されておりますが,化学療法などの治療効果判定における有用性はまだ明らかにされておりません.本試験ではFDG-PETが肺癌の手術前化学療法の効果判定に有用かどうかについても明らかにしたいと考えております.

本臨床研究はFLAG参加施設による多施設共同研究です.

PET陽性多発縦隔リンパ節転移陽性進行非小細胞肺癌に対する術前術後補助免疫療法の臨床第I/II相試験


進行肺癌の手術成績は不良であります.特に縦隔リンパ節に多発性の転移を有する場合には特に不良で,手術だけで,癌を治療することは難しいといえます.これまでこのような患者さまに対し,化学療法との併用も試みられておりますが,満足いく成績は得られておりません.このように今のところ有効な治療法はないというのが現状です.一方近年注目されつつある治療法として免疫療法があります.これはがん細胞を直接叩くものではなく,自己防衛力,つまり免疫力を賦活することで癌を治療するというものです.中でも樹状細胞療法は免疫系の司令塔とも呼ばれる樹状細胞を用いるもので効果が期待されております.樹状細胞は癌を自己の細胞内に取り込み情報を免疫系に伝達することで抗腫瘍効果を発揮させるもので,直接腫瘍近くに投与することがいいのではないかということがいわれており,既に一部の癌(膵癌などの難治性の癌)では臨床研究の形で治療が行われています.本研究では手術前に樹状細胞を腫瘍の存在する気管支に投与し,その抗腫瘍効果を確認したいと考えております.そして手術を併用することで,治療成績の向上に寄与するかどうかについて明らかにしたいと考えております.これまでの報告から,一般に進行肺癌に対する免疫療法において10−25%の症例で腫瘍の縮小などの効果があることが示されておりますので,手術との併用によりさらに効果が期待されると考えております.さらに本研究では術後にも同様に樹状細胞とリンパ球を用いた免疫療法を予定しております.


本臨床研究は2005年11月より開始予定です.本試験は試験の性格上,福島県立医科大学第一外科のみで行われる試験です.

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非小細胞肺癌および転移性肺癌ハイリスク症例に対するラジオ波焼灼療法の臨床第I/II相試験


肺癌の治療の大きな柱として手術療法があります.肺癌のすべてが手術の対象となるわけではありませんが,手術の対象であっても,肺の働きが悪い,心臓が悪いなどの患者様の全身状態の程度によっては,手術に耐えられないことが予想されます.その場合には手術によって命に関わる合併症が見られる可能性が高いので,一般的には放射線療法や化学療法といった治療法が選択されます.ただし,これらの治療法も副作用があり慎重を要します.また効果の面でも,手術に匹敵するというわけにはいきません.そのため,これらの治療法以外の方法があれば,患者様の治療の選択肢がひろがることになり,重要な課題となっておりました.このような状況のなかで近年ラジオ波を利用した焼灼療法(以下RFA療法)という治療法が肺の悪性腫瘍に対し行われるようになり,注目されています.従来は肝臓の腫瘍に対して,手術の適応とならない患者様に行われてきており,ある程度の効果が報告されておりますが,肺にも応用可能であることが明らかにされ,近年では欧米を中心に臨床研究が開始されその安全性と効果についての報告が相次いでおります.十分な治療が行われた場合には再発が数%とする報告もあり,有望な治療法ですが,歴史がまだ浅く,症例数も決して多くないため,さらにその効果については検討しなくてはならないことがある分野でもあります.


本臨床研究福島県立医科大学第一外科のみで行われる試験です.すでに症例登録を開始しております.