この記事には動物を連想してしまう写真が含まれていますので、この業界の仕事に無関係な人は見ないでください。これは研究者・技術者へ向けた情報共有活動の一環です。我々の実験は学内外の規則にしたがって行っており、学内で厳しい審査を受け、然るべき報告を行っております。
薬液の局所注入用ガイドや、慢性電極、器具の装着などで歯科用セメントを用いることが多いと思います。しかし、このセメント、カチカチに固まり、そこに埋まったものは捨てるか、もしくはセメントかすを残した形で再利用するかのどちらかでした。
再利用のためにセメントを崩す方法は幾つかあると思います。昔、教わったのははんだごてで焼き切っていくという方法です。はんだごてを一本駄目にしますが、できなくはないです。ただ、時間がかかるし、すごい刺激臭がするので嫌なんですよね。それにプラスチック製品を回収するためにはあまり適していません。
ほか、アセトンを使ってセメントをふにゃふにゃするという方法もあります。ハンダで回収したセメントがまだ残っているアンカービスなどは、アセトンにつけておくと比較的きれいになります。
あと、硬いままだけど、ニッパーで切り崩していく方法もあります。金属製の大きなものはこれで十分かもしれませんが、やっぱりセメントかすが残ったりとスマートではありません。
今回、簡便な方法で不十分ではありますが、生体機能の方法(というか、私が苦し紛れにやっている方法)をご紹介します。回収するのは金属製アンカービスとPlasticOneの製品です。セメントはGCのユニファスト2を使用しています。
回収したものはエタノール漬けで消毒するなり、オートクレーブするなどして再び使用します。ガイドとかはいつも新しいものを購入・使用できればいいのですが、自分の研究資金残高、そうでなければボスの顔色、の問題からなかなか買えないんですよね(というか、昔はガイドやカニューレは使用済みの注射針から自作してましたよ!)。アンカービスとかはこの再利用方法で十分使い回せますのでお試しあれ。