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みなさんは耳鼻咽喉科がどのような疾患を扱っているところかご存知でしょうか。子供の頃に近所の診療所に中耳炎や副鼻腔炎(蓄膿症)で通ったり、入院設備のある病院でご本人や知り合いが手術されたこともあったかもしれません。一般的には、耳、鼻、のどをみる診療科というイメージを持っておられる方が多いと思います。
私たちの病院の耳鼻咽喉科では、耳、鼻、口、のど、くび、顔面など、くびから上で脳と目以外の範囲(頭頸部といいます)の疾患を取り扱っています。幅広い疾患と幅広い年齢層の患者さん相手ですので、様々な経験をすることになります。どのような疾患に対しても、日本の(あるいは世界の)トップレベルの治療を目指しています。
聴覚や平衡覚などの感覚器の機能、摂食や発声の機能は、人間が良質な生活をするために必須のものです。これから高齢化社会を迎えるにあたって、感覚器障害や頭頸部癌は増加し、耳鼻咽喉科の需要はますます高くなっていくと予想されます。私たちは人工内耳による聴覚獲得、中耳疾患の外科治療、頭頸部悪性腫瘍の集学的治療、摂食・発声・嚥下障害など機能障害に対する外科治療に力を入れています。特に、声がれや声を出しにくい方の音声専門外来を開いています。
研究面では、特に気道の再生医療に関する基礎研究を進めており、その研究成果はアメリカ気管食道科学会・アメリカ喉頭科学会の学会賞を受けております。頸部気管ではヒトへの応用を世界に先駆けて開始し、良好な結果を得ています。今後さらに発展する分野です。また、小児難聴のスクリーニングや先天性サイトメガロウイルス感染による聴覚障害に関する研究も精力的に行っています。
教育面では、医学部の卒前教育としては可能な範囲でのearly exposureを、医者になってからの卒後教育としては国内外での交流を含めた研究者の育成、国際誌への投稿を積極的に進めています。耳鼻咽喉科専門医コースでは、各分野の専門家がマンツーマンで丁寧に指導します。耳鼻咽喉科に興味のある方はいつでも歓迎しますのでご連絡下さい。途中からでも歓迎します。
耳鼻咽喉科医は、感覚器のエキスパートであり、豊富なサブスペシャリティがあることからアメリカではトップクラスの人気で希望者が殺到しています。日本においてもますます必要とされる診療科になっていくとともに、未開拓の分野が数多くあり新しい医療技術がどんどん開発されていくと思われます。皆様の一層のご理解と、耳鼻咽喉科医療への参画を願っています。
2007.9.1
福島県立医科大学医学部 耳鼻咽喉科学講座 教授
大森孝一
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