American Heart Association Scientific Sessions 2022
 秋も一段と深まる11月、イリノイ州シカゴにて2022年11月11日~13日にAHA scientific Session 2022が開催されました。今年度は循環器内科学講座から計14演題が採択され、Oralが1演題、Posterが13演題でありました。今回はシカゴでの現地開催が決定し、当医局からも合計8名の発表者が3年ぶりに現地参加のためアメリカに旅立ちました。久しぶりの海外渡航でしたが、COVID-19流行の影響か、以前と比べて事前手続きやコンタクトレスが進んでおりスムーズな出国・入国でした。機内でのマスク着用は見られたものの、シカゴ市内や会場などの場所ではマスク着用者はほとんどおらずCOVID-19は忘れ去られたかのようでした。
 私は、竹石教授、三阪先生のご指導の下、蛋白翻訳後修飾の1つであるN-ミリストイル化の心筋細胞における意義についてOral presentationを行いました。朝一番のセッションのトップバッターで会場の雰囲気も掴めぬまま10分間の発表と2分間の質疑応答を終えました。ネイティブスピーカーの洗礼を受けながらもなんとか自分の研究成果を伝え、質疑応答終了後にも複数の聴講者から直接質問を受け、自分の研究テーマに関心を寄せられたことを大変嬉しく思いました。AHA現地参加は初めてでしたが、現地会場の盛況と熱気に驚きました。自分の普段携わっている循環器領域に多くの関係者と新しいテーマがあることを確認し、発展性のある分野だと改めて実感しました。参加者がみないきいきとディスカッションしており、とても刺激的でまた参加して自分の成果を発表したいと思った学会でした。この経験を生かし今後の臨床・研究に励みたいと思います。
 最後に、このような貴重な機会を頂き発表できたのも、ご指導頂きました竹石教授をはじめ、多くの如山会会員の皆様のおかげであります。また留守中には大変お世話になった医局の諸先生方に、心より感謝申し上げます。



冨田 湧介






European Society of Cardiology Congress 2022
 2022年8月26日-29日にスペインのバルセロナで開催された欧州心臓病学会(以下ESC 2022)に参加した。コロナ禍のためオンラインあるいはハイブリッドで開催されていたESCが、2019年以来久しぶりに全面的対面で開催されたのだった。視聴はwebでも可能だったが、発表は原則的に対面でしか行われず、学会は単なる情報をやりとりする場ではなく、人々が交流する場なのだという「with コロナ」における欧州の覚悟を感じた。
 降り立ったバルセロナでまず気付いたのはほぼ誰もマスクをしていないことだった。これは乗り継ぎで立ち寄ったフランクフルトやヒースロー空港でも同様だった。ただ公共交通機関に乗っている時だけは、みな判で押したようにマスクをしていた。これはスペインのみならず欧州各国で義務づけられている(いた?)ためだった。バルセロナは国際的な観光地なので外国人の方が多い印象を受けたが、レストランでも英語、ドイツ語、フランス語をはじめありとあらゆる言語が飛び交い、学会参加者とおぼしき人たちも含め、大声で語り、食べ、飲んでいた。一見すると、ここにはコロナなど存在しないかのような印象を受けたが、欧州各国で一定の割合でコロナによる死者が出ていること、慢性的に医療が逼迫している事実をふまえると、実際には感染者をカウントしていないだけで、やはり一定数の感染者はいると考えた方が正しいのであろう。実際、タチの悪い感じの咳が周囲からしばしば聞こえてきたのが気になった。
 さて学会だが、コロナ前の参加者数には及ばなかったようだが、23,565人が事前登録し、その7割以上が現地参加したらしい。抄録数ベースで参加が多かったのは国別で、ドイツ、米国、イタリア、イギリス、スペイン、デンマークそして日本の順であった。米国からの参加が2番目に多いのは興味深いが、発表を11月のAHAまで待てなかったか、あるいはESCそのものに興味がある人が多かったのであろう。
 地中海の一大観光地バルセロナでの真夏の開催だからか、ビーチに居そうなノースリーブのワンピースにビーチサンダルの女性参加者や、ショーツ(半ズボン)の男性参加者を見かけるほどで、非常に開放的な雰囲気だった。さすがに学会場では多くがマスクをしているだろうと予想していたが、さにあらず欧米人はここでもほとんどマスクをしておらず、しているのは日本人と韓国人くらいであった(この時点では中国はまだゼロコロナ政策をとっていたためかほとんど中国人は見かけなかった)。
 多くの一般演題はe-ポスター形式で発表された。ポスターと行っても相当大きなスクリーンにスライドが映し出されるので、ほとんどoral sessionに近い。プレゼン後比較的多くの質問も受けたし、フロアでも何人かに声をかけられたが、発表形式もoral sessionと同様で、討論の時間は自分の発表後にほぼ限られるので、ポスター特有の深いディスカッションはできず、その点はやや物足りなかった。
 ESC 2022では例年にも増して多くの重要な臨床試験の結果が発表された。個人的には、近位尿細管においてNa再吸収を阻害するアセタゾラミドをループ利尿薬と併用することにより急性心不全患者のうっ血解除がより確実に得られることを示したADVOR試験(NEJM 2022;387:1185)、SGLT2阻害薬ダパグリフロジンが、HFmrEFおよびHFpEFにも有効であることを示したDELIVER試験(NEJM 2022;387:1089)、降圧薬の夜間投与と朝方投与の間に主要心血管疾患の発症に差が無かったことを示したTIME試験(Lancet 2022;400:1417)などが特に興味深かった。他にも、ALL-HEART (Lancet 2022;400:1195)、DANCAVAS (NEJM 2022;387:1385)、eBRAVE-AF(Nat Med 2022;28:1823)、INVICTUS(NEJM 2022;387:978)、REVIVED-BCIS2 (NEJM 2022;387:1351), SECURE(NEJM 2022;387:967)などが発表され、記載したように発表と同時あるいは少しだけ遅れて一流誌、特にいわゆるbig journalに掲載されている。これらの特に重要性が高いと認められた研究は”HOT LINE SESSEION”というセッションで発表された。このセッションには多くの聴衆が参加しており、発表に対する反応(例えばREVIVED-BCIS2に対する落胆や、TIMEに対する驚嘆など)が直に伝わるが興味深かった。
 今回のESCのもう一つの目玉は4つの新しいガイドラインの発表だった。Cardio-oncologyに関しては2016年に”Position Paper”が出されたのみであったが、今回初めてガイドラインとして発表された。他に「肺高血圧」、「心室性不整脈と突然死」、「非心臓手術の評価と管理」に関するガイドラインが今回改訂された。
 少しだけバルセロナ観光についてご紹介しよう。バルセロナはカタルーニャ州の州都であり、このため独自の言語と文化を元来有する。そのためかスペインの他の町とはやや異なった雰囲気を持つ。そんなバルセロナをさらに独特に彩っているのがかのガウディをはじめとするモデルニスモの建築群であろう。ガウディの建築物としてもっとも名高いのが140年以上建築が続けられてもなお未完成のカトリック教会サグラダ・ファミリアだが、あまりに有名すぎて訪れる前はあまり期待していなかった。加えて、個人的にはちょうど30年前にも訪れたことがあるが、その頃には今にも増して完成にはほど遠く、階段でひたすら上に登った貧しい記憶しか無かった。しかし今回初めて完成した内装を見てこの教会の真価を垣間見たような気がした。それはガウディデザインの森林のような柱を骨格とした、近代〜現代の芸術家の作品の膨大かつ巨大な集合体だったのだ。まるでひとつの生き物のような複雑さ、世界観、そして包容力に圧倒されてしまった。
 コロナの爆発的流行のため多くの死者を出し、幾度かのロックダウンという過酷な体験を経た後の初めての対面のESCという特殊性もあってか、人々の表情は概して明るく、そしてリラックスした雰囲気ながらも熱気を帯びた学会であった。また近年ESCとAHAのバランスが変化しつつあると言われているが、筆者の印象でも、少なくとも臨床部門に関しては質量ともにESCがAHAを凌駕しているように感じた。ESCは現地参加するしないに関わらず毎年注視すべき学会だろう。



石田 隆史






American Heart Association Scientific Sessions 2021
 2021年11月13日~15日にAHA scientific Session 2021が開催されました。今年度は循環器内科学講座から計21演題が採択され、多くの医局員が開催地であるアメリカ合衆国のボストンでの発表を控えていました。しかし、COVID-19感染拡大に伴い完全Web開催となってしまったため、残念ながら事前収録での発表となりました。採択された21演題の内、Oralが4演題、Posterが17演題でありました。私は、竹石教授、喜古先生のご指導の下、13N-ammonia PET/MRIを用いた虚血性心疾患の診断能および予後の検討についてOral presentationを行いました。Oral presentationは事前に発表スライドと音声データをアップロードし、指定された事前収録の日にZoomアプリを用いて発表収録を行う形式でした。私は今回初めてAHAに参加しました。本来は現地での開催を予定しており、私自身も現地で発表することを楽しみにしていましたが、Web開催となってしまったことは残念でした。さらに、発表データのアップロードや事前収録について連日英語のメールで連絡が来るため、日時や方法を理解するのに必死でした。発表収録では座長とコミュニケーションをとりながら行う段取りでしたが、座長の話す英語は早すぎてほとんど聞き取れませんでした。キーワードを何度も強調してくれたおかげで何とか収録を終えることができました。昨年度の日本循環器学会総会でも日本人同士で英語での発表、質疑応答を行い、その時は日本人ということもありゆっくり話してくれましたが、その時でさえ英語での質疑応答には苦労しました。今回はネイティブな発音かつスピードも早く、さらに聞き取ることが難しい状況でありました。今回の発表を通じて、改めて英語でのコミュニケーション力の重要性を感じました。
 COVID-19流行により、最近ではほとんどの学会がZoomによるWeb開催となっているのが現状です。Web開催には、日常診療を行いながら学会に参加しやすいというメリットはあります。一方で、発表に対する様々な意見交換や議論は、はやり現地開催の方が活発だったと感じます。実際、今回の発表に対しても座長からの限られた質問しかなかったことは残念に思います。今後、COVID-19感染が終息し、学会会場で活発に発表、議論できる日が来ることを祈っております。
 最後に、このような貴重な機会を頂き発表できたのも、ご指導頂きました竹石教授をはじめ、多くの如山会会員の皆様のおかげであります。この場をお借りして御礼申し上げます。


遠藤 圭一郎






American Heart Association Scientific Sessions 2020
 2020年11月13〜17日にかけてAHA Scientific Session 2020が開催されました。当初、本学会はアメリカ合衆国のダラスで開催予定ではありましたが、COVID-19流行により、オンライン開催となりました。循環器内科学講座からは計24演題が採択され多くの医局員がダラスでの発表を控えていたわけではありますが、今回は残念ながら事前収録での発表となり、アメリカ行きの飛行機に乗ることもなく発表を迎えることとなりました。
 採択された24演題の内、Oralが3演題、Posterが21演題でありましたが、私は自治医科大学 分子病態治療センター炎症・免疫研究部に留学中に行なった基礎実験である、川崎病でのNLRP3インフラマソームの役割に関してOral presentationを行いました。Oral presentationはSession毎に発表の日時が指定され、その中でAHAのスタッフとZoomでコミュニケーションを取り、発表を収録するというものでした。そのため、他の演者がどの様な発表をしているかは不明であり、かつ座長や他の演者からの質疑応答もないという形でありました。英語での質疑応答はないため、スライドの英語発表に集中して事前準備を行いました。
 前述の通り、AHAのスタッフとコミュニケーションをとってからスライドの内容を収録をする段取りでしたが、収録当日はAHAスタッフとの完全な1対1のコミュニケーションでした。担当していただいたAHAスタッフは私が予想していたより高速で英語を話され、英会話が得意ではない私はほとんど聞き取ることができない状況となってしまいました。幸い、とても優しい女性のAHAスタッフであったため、高速の英語を何度も繰り返していただき何とか収録することができましたが、英語の勉強を頑張らなければと強く感じた発表となりました。
 今回の発表で、座長や他の発表者とともに私のデータに関して議論する事ができず残念ではありましたが、とても貴重な経験をさせていただきました。今回、AHA Scientific Sessionで発表ができたのも自治医科大学への留学をご許可いただきました竹石恭知教授をはじめとした如山会会員の皆様のご理解のおかけであります。この場をお借りして御礼申し上げます。


安齋 文弥






American Heart Association Scientific Sessions 2019
 2019年11月16日から18日までペンシルベニア州フィラデルフィアにて開催されたAmerican Heart Association (AHA) の年次集会へ参加してまいりました。今年度は当講座から22演題が採択され、総勢9名での発表となりました。私は昨年に引き続き2回目の参加で、中里先生、義久先生ご指導の下、ポスター3題の発表を行いました。昨年と比べ発表時間が短縮されていたものの、多くの質問を受け、実りあるディスカッションになったとともに、語学・コミュニケーション力の重要性を再認識する機会となりました (会場以外でも英語で苦労しました) 。2回目の参加ということもあり、昨年より多少の心の余裕ができ、多くのセッションをみて回ることでき大変刺激になりました。また、今回のAHAではIschemia試験の結果が報告され今後の日常診療への影響が大変気になるところです。
 昨年のシカゴに続き、冷え込みの厳しいフィラデルフィアでしたが、会場へはホテルから徒歩15分程、他もほとんどの範囲を徒歩移動可能だったため大きな不便はありませんでした。初日は他の先生方とフィラデルフィア市庁舎 (全米で最も高い石造りの塔だそうです) 内を歩いて通り抜け会場へ向かいました。帰国の飛行機が遅延した先生もいましたが、事故や大きなトラブルなく全員無事に帰国することができ安心しています。
 最後に、このような貴重な機会を頂き、ご指導頂きました竹石教授をはじめ、留守中の診療をカバーして頂いた医局の先生方に深く感謝申し上げます。


安藤 卓也






American Heart Association Scientific Sessions 2018
 秋も深まる11月、イリノイ州シカゴにて開催されたAmerican Heart Association (AHA)の年次学会に参加致しました。今年は当講座からは24演題が採択され、臨床研究からは不整脈、肺高血圧、心不全と多岐にわたる分野において、総勢12名で発表を行って参りました。
 私自身は初めての国際学会発表であり、緊張の中での発表となりました。私は金城先生、上岡先生のご指導の下、ポスターで2演題を発表させて頂きました。発表の時間は、思ったよりもポスターに目を留めてくださる先生も多く、様々な質問を頂くことができました。Chair personの先生からは論文にする際のアドバイスなど頂くことができ、またVTの大家であるStevenson先生も足を運んで下さり、お話できたことは貴重な経験でした。空いた時間には関心を持っていたポスターの先生に質問させて頂き、まだ日本では見たことのないアブレーションデバイスがあることや、デバイス感染症における対策やその効果も学ぶことができました。また会場では、東北若手不整脈研究会にて交流のある同年代の先生方にも会い、同じく研究・臨床と二足のわらじに奮闘している姿に新たな刺激を受けることもできました。
 3泊5日の駆け抜けるように過ぎた時間の中でも、閉館間際のシカゴ美術館に立ち寄ったことで、アメリカ三大美術館(ボストン、メトロポリタン、シカゴの3つです)を制覇できたことや、シカゴに留学中の三浦先生を交え、分厚いシカゴピザを味わうなど楽しい時間も過ごせました。また年々、女性医師が増える医局事情を反映し、今回は菅野先生と女性2人の参加でしたので、道中もとても心強く、充実した5日間でした。
 最後になりましたが、貴重な機会を与えて下さいました竹石先生、石田先生、ご指導頂きました金城先生、上岡先生をはじめ不整脈チームの先生方にこの場をお借りし、改めて御礼申し上げます。


肱岡 奈保子



European Society of Cardiology Congress 2018
 2018年8月25日から29日までミュンヘンにてヨーロッパ心臓病学会 (ESC)に出席させて頂きました。ESCは年々規模が大きくなり、今回は4500を超える演題と約150カ国からの参加がありました。アメリカ心臓病学会では、参加者は欧米、日本が中心の印象でしたが、ESCではヨーロッパの比較的小国やアフリカからの参加も目立っており、より世界中から参加している印象が強い学会でした。
 発表は2つあり、野寺先生が中心となり一緒に行なった心筋梗塞後の星状神経節と脊髄中間外側核の交感神経リモデリングについての研究、もう一つは心エコーによるE/AとBNPの積が肺動脈楔入圧推測に有用であることを示した研究でした。どちらもポスター演題ではありましたが、神経リモデリングはベストポスター賞をいただきました。
 各セッションでは、腫瘍循環器分野のアントラサイクリン、分子標的治療役、免疫チェックポイント阻害薬についての対策の現状、治療法のなかったATTR心アミロイドに対するタファミジス(本邦でも使用可能)の有効性の世界初の報告(New England Journal of Medicineに同時掲載)、人工知能を用いたエコー診断の進歩、経カテーテル大動脈弁置換術の最新の方法、など、多岐にわたる分野の最先端の循環器診療がまとまっており、非常に内容のある学会でした。
 また、会場内に芝生とビールも飲めるスペースもあり(私は飲みませんでしたが)、居心地の良い会場となっており、参加者が増加しているのもうなずけます。ホテルから会場までは地下鉄で30分くらいでしたが、一本路線であり、乗り換えもなく安心であり、ミュンヘンの街はホテルから10分ほどのため、散策しヨーロッパの雰囲気を堪能できました。学会スケジュールが密のため、余裕のある時間は少なかったものの、非常に充実した学会参加となりました。
 このような機会を頂いた竹石教授をはじめ、学会参加の間診療をカバーしていただいた皆様に感謝申し上げます。


及川 雅啓






American Heart Association Scientific Sessions 2017
 2017年11月11日から11月15日にかけて、アメリカのアナハイムで開催された米国心臓協会学術集会(AHA)に参加させていただきました。本年は医局からは総勢10名での参加となりました。国内で開催された国際学会参加の経験はありましたが、海外で開催される学会への参加は初めてであり、学会発表以前に現地の宿泊先や、航空券の手配、空港から学会開催場所への移動などに四苦八苦させられました。そもそも私自身プライベートでもほとんど海外渡航経験がなく、数少ない海外渡航の際には毎回3カ国語を話せる妻にこれらのことはお任せしておりましたので、今回も学会発表以外のすべての行程は妻に手配してもらい、非常に助かりました。しかし、現地でのちょっとした会話や発表に関しては自分で乗り切るほかなく、自分の語学力のなさを痛感した旅でした。
 なんとか無事に現地に予定通り到着し、到着したその日は宿泊先でゆっくり休息をとりました。翌日は朝から学会会場へ向かいました。宿泊先のホテルからシャトルバスが運行していましたが、小心者の私はバスを乗り間違えて道に迷ってしまうことを危惧し、片道1kmほどの道のりを会期中毎日歩きました。参加初日は事前にレジストレーションを済ませていたため、簡単な手続きだけで参加賞をもらうことができ、とりあえず大きめの会場で行われていたセッションを聞きに行ったのですが、やはりネイティブの英語は私には完全には理解できず、むしろどの程度理解できたのかさえわからない始末でした。それでも基本的に1日は口述のセッションを聞いていたのですが、やはり理解できたことは少なかったように感じました。その反省を活かし、2日目の参加は自分のペースで見て回れるポスターセッションを中心に見て回りました。私の専攻する不整脈の分野を中心に見て回り、充実した1日になったと感じました。2日目の夕方には、鈴木均先生をはじめとして諸先生方のご指導のもと、カテーテルアブレーションの合併症に関する演題をポスターで1題発表させていただきました。数人から質問があり、なんとか答えることができましたが、とても緊張した1時間でした。
 今回の学会参加は、最先端の情報が飛び交う刺激的な機会で、自分にとってとてもいい経験になりました。また、自分の語学力の低さを実感しました。このような発表の機会をいただきまして、竹石教授をはじめとする諸先生方に心より感謝申し上げます。


松本 善幸






American Heart Association Scientific Sessions 2016
 2016年11月12日から15日にかけて、ルイジアナ州ニューオーリンズにて開催されたAmerican Heart Association Scientific Sessions 2016に参加してまいりました。
 医局からは計19演題の発表となりました。 到着時は土曜日の夕方であり、またNFLのニューオーリンズ・セインツのホームゲームを翌日に控え、ニューオーリンズは町全体が熱気に包まれていました。
 私はオーラルとポスター1つずつ発表があり、直前までとても緊張しておりましたが、義久先生のご指導や、先輩方の応援のおかげでなんとか乗り切ることができました。 自分の発表の後は心にも余裕ができ、自分の興味のある研究を見て回りました。そこで感じたのは、「伝える力」でした。綿密な研究計画は当然ですが、その結果をいかに相手に伝えるか。特にオーラルプレゼンテーションでは解説、話の流れ、画面のレイアウト、話しぶりなど、様々なテクニックを総動員してオーディエンスとコミュニケーションをとる姿勢は、今後の目標としていきたいです。 刺激的な3泊5日はあっという間に過ぎてしまいました。今回学んだことを忘れずに、今後の研究に活かしていきたいと思います。
 最後に、このような機会を頂き、ご指導くださった竹石先生をはじめとする医局の方々、留守中の業務を支えてくださった先生方に心より感謝申し上げます。


佐藤 悠






American Heart Association Scientific Sessions 2015
 2015年11月7日から11月11日にかけて、アメリカのオーランドで開催された米国心臓協会学術集会(AHA)に参加させていただきました。医局からは総勢8名での参加となりました。私にとってははじめての海外学会となり、現地の宿泊先や航空券の予約、手続き、日常英会話等、発表以前に不慣れなことがたくさんあり、諸先輩方には非常にご迷惑をおかけいたしました。また、日本とオーランドでは14時間の時差があり、学会期間中はもちろん、帰国後も数日間は時差ボケに悩まされておりました。
 私は、義久先生をはじめとして諸先生方の御指導のもと、心不全の予後に関わる演題をポスターで2題発表させていただきました。発表時間は1時間で、各国のprofessionalと拙い英語で何とかやり取りをしなければならないのですが、もともと苦手な英語に加え、時差ボケと緊張も重なり、あの1時間はとてつもなく長く感じました。冷や汗が止まらなかったのを覚えております。どうにか発表を終え、その後は自分が現在取り組んでいる研究につながるような演題や諸先生方の発表を見学してまわったのですが、流暢な英語と最先端の情報が飛び交う環境に終始圧倒され、とても刺激的で今後の糧になる経験となりました。このような発表の機会を頂きまして、竹石教授をはじめとする諸先生方に心より感謝申し上げます。


追記:アメリカ国内で乗り継いだ飛行機内での話です。私の座席は3列並んだ席の通路側で、隣(真ん中)には誰も座っておらず、一つ席をはさんだ窓側に見た目50代程の大柄なアメリカ人男性が搭乗しておりました。フライト時間は約3時間で、時差ボケのために私は当初より眠りについておりました。だいたい2時間程経過した頃でしょうか、あまりの異臭に目が覚め、まずは自分が漏らしていないことを確認したうえで辺りを見回してみると、ひときわ息の荒い乗客が目に飛び込んでまいりました。二度見した気がします。その乗客とはなんと、「犬」ではありませんか!!!しかもそれなりに大きい犬で、大柄のアメリカ人男性の足元(前シートの下)に潜んでいたのです。ゲージに入っているはずもなく、息を荒げて大量の○○○を足元に飛び散らせていたのです。周囲の乗客が、この異臭は私のせいではないと思ってくださることを切に願いつつ、当然飼い主には注意しなければならないところではあったのですが、いかんせんチキンハートの私、そっとティッシュを差し出すことしかできませんでした。
(ここぞとばかりに笑顔で)Here you are. ⇒ Thank you.(男性も笑顔)。
中学英語にもほどがある、何とも恥ずかしく、臭い思い出となりましたとさ。


渡邊 俊介






American Heart Association Scientific Sessions 2014
 2014年11月16日から11月19日にかけて、イリノイ州シカゴのMcCormick Placeで行われた、米国心臓協会学術会議 (AHA) 2014に参加してきました。医局からは総勢9名が参加し、11演題の発表となりました。


 入国した日は寒波が襲来していたようで、平均気温10 ℃程度の福島から、−10 ℃のシカゴへと時差以上に気温差にまず体を慣らさなければなりませんでした。朝にシャトルバスを待つだけで、唇はひび割れし、慌てて帽子やフェイスマスクを買いにいきました。会場は非常に暖かく、最新の知見に触れることが出来ました。自分自身の今回はポスターが2題でしたが、英語の拙さを実感しつつ、鈴木聡先生・義久先生のご指導のもと、各国のprofessionalとなんとかdiscussionをし、貴重なアドバイスをいただくことが出来ました。
 自分の成果を広く発表することの重要さを改めて認識でき、今後も臨床並びに研究をがんばる意欲がひしひしと湧いてくる学会でした。留守の間にご迷惑をおかけした先生方に、心から御礼申し上げます。


中村 裕一






European Society of Cardiology 2014
 2014年8月30日から9月3日にかけてスペインのバルセロナで開催されたヨーロッパ心臓病学会に参加させていただきました。医局からは総勢8名での参加となりました。自分にとってははじめての海外学会となり、準備やホテル、航空券手配など先輩の先生方には大変お世話になりました。
 自分は昨年に東京の榊原記念病院へ勉強にいかせて頂いた際にまとめたデータでのポスター発表を行い、無事に終えることができました。他の先生方の発表を見学したり、榊原記念病院の同期とも会うことができ非常に有意義に学会期間を過ごすことができました。


 また、空いた時間にはバルセロナ市内を見学し、パエリアをはじめとするスペイン料理も堪能できました。特に最終日の夜に見に行ったフラメンコは激しい踊りの迫力に圧倒されました。帰りの飛行機が機体トラブルのため運行不能となり、急遽、パリの空港近くのホテルで一泊過ごしたのもいい経験になりました。


 初めての国際学会は自分にとって刺激的で、また参加できるよう、今後も日々研鑽を積んでいきたいと思います。

 最後に、このような発表の機会を頂き、ご指導いただいた竹石先生をはじめとする先生方、留守中に業務を支えていただいた医局の先生方に心より感謝申し上げます。

佐藤 彰彦






American Heart Association Scientific Sessions 2013
 2013年11月16日から11月20日にかけて、ダラスのDallas Convention Centerで行われた米国心臓協会学術会議(AHA)2013に参加させていただきました。医局からは総勢7名での参加となりました。


 出国前から、ダラスは学会場以外何もないぞと先輩方から言われていましたが、本当に何もなく、おかげで会場で沢山勉強することができました。時差に勝てず午後はつらかったですが、皆さんの発表を聴いたり、発表の内容を聞き取ろうと頑張ったりで充実していました。私は初めての国際学会での口頭発表だったため非常に緊張しましたが、義久先生のご指導のもとなんとか乗り切ることができ、大変貴重な経験をさせていただきました。 夜はテキサスステーキを堪能(ひとり16オンス!)させていただきました。また2013年はケネディ大統領暗殺からちょうど50年の節目の年で、マスコミは大きく取り上げていたようですが、私たちも学会の合間を縫い、事件現場である当時のダラス教科書倉庫を見学してきました。


 とても刺激的で、また参加して自分の成果を発表したいと思った学会でした。この経験を生かし今後の研究に励みたいと思います。このような機会を与えてくださり、また留守中には大変お世話になった医局の諸先生方に、心より感謝申し上げます。

清水 竹史






European Society of Cardiology 2013
 2013年8月31日から9月4日に行われた欧州心臓病学会(ESC)に参加させて頂きましたので報告させて頂きます。2013年はオランダのアムステルダムで開催されました。 当大学からは竹石教授、鈴木聡先生、私・山内が参加し、現地では大原医療センターの石橋敏幸先生、佐藤雅之先生、星総合病院の氏家勇一先生、そしてドイツのハンブルグに留学されている上岡正志先生とお会いすることが出来ました。


 私にとっては初めての国際学会で、出発前から非常に緊張していたことを覚えております。アムステルダムは中央駅を基点として、運河が放射状に張り巡らされており、この運河は世界遺産にも登録されているそうです。移動にはトラムと呼ばれる路面電車を主に使用しておりましたが、これが非常に便利であり、ESC登録の際には学会期間中のトラムのパスを購入できるようになっていた程です。このトラムを使い、学会の合間に方々を見聞することが出来ました。オランダは昔から交易都市であるため、非常に多様な人種の方々がおり、食文化も多様でした。オランダの料理は?と聞かれるとピンとこないのですが、フレンチ、イタリアン、エスニック、チャイニーズ、ジャパニーズなどといった多様さこそがオランダの食文化のようです。


 会場の RAI CONVENTION CENTER は市の中心から南へ5km の郊外にあります。非常に大きな会場で、大勢の参加者が列をなしている様にはじめは圧倒されておりましたが、同行していた鈴木聡先生にご助力頂き徐々に慣れることが出来ました。
 最後に、留守中に業務を支えて頂いた医局員の先生方、スタッフの方々にこの場をかりて心より感謝申し上げます。この経験を活かし、今後とも精進いたす所存です。


山内 宏之