2016年6月13日 池田和彦准教授の論文がJournal of Clinical Oncologyに掲載されました!

Ikeda K, Harada-Shirado K, Matsumoto H, Noji H, Ogawa K, Takeishi Y. Molecular response of e19a2 BCR-ABL1 chronic myeloid leukemia with double Philadelphia chromosome by dasatinib. J Clin Oncol. 2016;34(14):e130-133.


慢性骨髄性白血病(CML)9番と22番の染色体がそれぞれ切断され融合して生じるフィラデルフィア(Ph)染色体によって起こります。Ph染色体では、切断された22番染色体上のBCR遺伝子と9番染色体上のABL1遺伝子とが互いに融合したBCR-ABL1遺伝子が認められる。BCR-ABL1蛋白は酵素活性をもつチロシンキナーゼとして作用し、白血病細胞が増殖します。BCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)のイマチニブが開発されると、CMLの生存率は著明に改善し、その後阻害作用を高めた第2世代TKIのダサチニブやニロチニブが開発されました。

 今回の研究では、Ph染色体におけるBCR遺伝子の切断点が通常と異なる、e19a2 BCR-ABL1 (別名µ-BCR-ABL1)を持つCMLに対し、イマチニブではほとんど寛解が得られないことが示唆されました。そこでダサチニブを用いると、速やかにµ-BCR-ABL mRNAが減少し、やがてほとんど検出されなくなる分子寛解が得られました。以上から、CMLにおいてはBCR-ABL1の切断点を解析し、結果によってはダサチニブなど第2世代TKIの使用を第一選択とすべきであると考えられました。

池田和彦