ABO型違い輸血発生時の対応マニュアル
1996年3月8日策定(2010.1.13改定)
福島県立医科大学附属病院
 
1. ABO型違い輸血の発生
  Major ミスマッチに対応する。
  Minorミスマッチは経過観察する。
2. shockに対する処置等。
3. 救急科医師を呼ぶ。
4. 担当者は動揺していることが予想されるので、同種他者と担当を交代する。
5. 当該科、救急科、集中治療部および輸血・移植免疫部で連絡を取り合い共同チームをつくる。
6. 患者はICUに収容。
7. 患者と輸血血液の血液型確認。
8. 再採血10mlを輸血・移植免疫部へ提出し、再検査。
9. 患者と家族に異型輸血の事実を説明。
10. 当該科、救急科、集中治療部、輸血・移植免疫部各部署のリスクマネージャー、所属長へ直ちに口頭により連絡を取る。
11. 所属長は直ちに安全管理部を通じて病院長に報告する。
12. 原則として交換輸血。同時にヘパリン療法と抗DIC療法を行なう。
・100ml以上の輸血かつ患者の抗体価100倍以上で何らかの臨床症状を伴なう場合は交換輸血を行なう。
・100ml以上で上記以外の場合は状況による。
・50-100mlでは状況による。
・50ml以下ではしない。
13. 照射済み血液準備。
とりあえず濃厚赤血球10単位(患者本来の型またはO型)とFFP7本(AB型)を用いる。赤血球20単位とFFP14本を目標とする。
  血小板も必要に応じて用意する。
14. 交換輸血を行なう場合。
  血液は加温する。
  クエン酸中毒(低Ca血症)、高K血症の予防とモニター。
15. 処置前、処置中、処置後のサンプル採取。
  残存異型血液型の推定。
  溶血(AST、ALT、LD、ハプトグロビン、ビリルビン)
  腎機能(BUN、Cre)
  DIC(FDP、Fibrinogen、血小板数)
  保存検体(サイトカインなど)
16. さらに交換輸血が必要か決定。
17. 血液透析適応の決定。